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無線周波の暴露、脳腫瘍とは無関係

資料出所:BNA発行「Occupational Safety and Health Reporter」30-9
(訳 国際安全衛生センター)


 ある環境科学技術の調査会社が2月に発表した調査によると、無線通信機器が生み出す、作業場での周波数と電磁場強度レベルは、脳腫瘍、リンパ腫、白血病のリスクの増大とは関係がない、と述べている。

 「無線周波の暴露と、脳およびリンパ系、造血系のガンによる死亡率」と題するこの調査は、産業界に環境科学・技術のコンサルタント・サービスを提供している、エクスポネント環境グループが行ったものである。エクスポネントによると、これは無線通信産業に関連する安全性の問題を取り上げた、初めての疫学的調査の一つである。

 この調査は1976年から1996年までの間に、セルラー式無線電話、ポケベル、双方向無線、マイクロ波通信システムなどの装置から出る無線周波に暴露した、モトローラ工場の労働者195,775人を対象に行われた。暴露した労働者の主要な死亡原因を、脳腫瘍、リンパ腫、白血病を重点に評価している。

 調査では、職業的な無線周波の暴露と、脳腫瘍、リンパ腫、白血病との間には有意の関連性は発見されていない。

 新しい無線通信機器が広く使用されるようになった今日の世界で、この調査は日常的に装置と接触しながら働いている労働者に安心感を与えるものだ、と調査を実施した共同責任者のロバート・モーガン博士は2月28日、BNAに対して語っている。

 無線周波への暴露度が高い労働者グループの死亡率と、低いグループの死亡率を比較すると、死亡率は比較的安定していることが調査で判明した。またモトローラの労働者は全体に健康で、同程度の年齢の労働者全体に比べて、死亡率がかなり低いことも分かった。


http://www.bna.com