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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > ベトナム NILP NEWSLETTER 2000年6月号
ベトナムで珪肺症防止の研修コース
NILPが炭坑、製鉄関係者のために実施

資料出所: ベトナムNILPニュースレター 2000年6月号
(訳 国際安全衛生センター)

 ベトナム国立労働保護研究所(NILP)は、1999年から2000年にかけて珪肺症予防のための全国的行動計画を実施しており、その枠内でILO/FINNIDAの資金援助を受けて、シリカとの接触の可能性が高い企業の管理職、労働組合幹部、労働安全衛生担当者などのための4日間のセミナーを開催した。

 最初の2回のコースの1つは1999年11月にハノイで開催された。地下および地上炭坑8カ所、石炭会社4社、クアン・ニンのベトナム石炭公社などから30人が出席した。もう1回はベトナム鉄鋼公社、産業機械公社などの傘下14企業のために、同年12月に開かれた。これらの企業はタイ・グエン、ハイフォン、ハイドン、ハノイ各州で鋳物や耐火材などの製造を行っている。

 さらに2000年に入って、3月にドン・ナイ州ビエンホアで2回のコースが開催された。陶磁器、建設資材、ガラス、採石などの危険の高い業種の国営、民間、合弁企業36社から40人の関係者が出席した。

 これらのコースの講師は厚生省予防医学部、NILP、ドン・ナイ工業団地医療センターなどの、大学院レベルの資格を持つ専門家である。コースの内容は次の通り。

−労働安全衛生の紹介とベトナムにおける珪肺症に関する法規
−珪肺症とその予防措置
−粉じんとシリカ粉じんの発生源と特徴。粉じんの測定、採じん、管理の技術的措置
−珪肺症予防のための呼吸用保護具の機能、特性、分類、採用、保管

 このコースの終了後、参加者は講義の内容が問題の認識向上に役立ったことを認め、各企業で従業員のために講義内容を伝えたいと語っていた。

 参加者はまた珪肺症予防プログラムを改善するため、いくつかの勧告を検討し、提案している。

−政府は作業環境、健康保護、珪肺症患者の補償などの法規をベトナムに適した形に改めるべきである。
−作業条件および環境のシリカ粉じんの汚染を克服するため、技術的措置の効果的な普及と適用を促進する。
−ベトナムの条件に適した呼吸保護装置や器具を研究、製造し、労働者が進んで使用するようにする。
−企業で珪肺症に被患する労働者の数を減らすため、健康診断の方法を改め、早期診断を促進する。
−企業が予防方法を採用し、訓練資料を作成し、自ら労働者のための研修を実施するように支援する。

(グエン・ゴク・ホアン、NILPハノイ)