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NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

 OSHAの最新情報

労働者の死亡で、事業主を告発

労働者の死亡に関し、事業主が起訴される革新的な刑事事件が2件あった。

米国弁護士事務所によれば、労働安全法規のもと、爆発死亡事故が、ペンシルバニア東部で刑事事件として起訴されたのは、初めてである。大陪審で、陪審員12名が、ペンジルバニア州アレンタウンの化学メーカー、コンセプト・サイエンス社の社長で筆頭株主でもある、アール・E・「チップ」・ウォード氏の起訴を正式に決定した。

起訴は、1999年初頭、労働者4名を含む5名が死亡した、同社工場での爆発事故に起因する。OSHA(労働安全衛生庁)は、爆発性の有害化学物質に対する労働者保護措置をとらなかったなど、故意の違反11件を含む20件の違反で、昨夏、同社を召喚した。また、64万1千2百ドルの罰金を提示、同社は、控訴している。起訴状によれば、同社は、「フリー・ベース」と名付けた50%濃度のヒドロキシルアミン溶液を初めて生産していたという。

起訴状によると、同社は、コンピューター・チップの洗浄液として、ヒドロキシルアミン溶液を生産する全米初のメーカーを目指していたらしい。しかし、化学機器メーカーや顧客予備軍は、同社に対し、ヒドロキシルアミンは、加熱または濃縮し過ぎると爆発しやすいと警告していた。爆発のあった当日、同社の化学者および生産監督者は、ヒドロキシルアミンが高濃度に達した際、蒸留システムを閉じるよう、ウォード社長に勧告していたが、当人は、これを無視した。

これとは別件で、ミッドランド・エンバイロンメンタル・サービス社のオーナー、エドムンド・D・ウッズ氏および同社は、過失致死およびミシガン州労働安全衛生規則の刑事違反の罪状を認めた。同社は、1994年、同州ビーバートンにある6千ガロンの地下ガス貯蔵タンクを撤去しようとしていた際、爆発を起こし、1名が死亡、3名が負傷した。同州商工サービス局は、職場の死亡事故でオーナーに刑事責任を認めた、初のケースだと語った。