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NSC発行「Safety + Health」2001年9月号

OSHAの最新情報


大穀物倉庫爆発報告書、OSHAと業界を非難

 カンザス州ウィチタ市で1998年に起きた、ディブルース・グレイン社(De Bruce Grain Co.)の大穀物倉庫の大爆発事故について、OSHAの委託を受けた5人構成の調査チームは、OSHAと穀物産業両方が安全確保を怠ったと批判して、報告書を結んだ。
 世界最大の穀物倉庫で起きた爆発事故は、穀物粉じんの集積が原因となった。労働者7名が死亡した。
 調査チームは、原因究明で浮上した問題は、約20年前、1977年12月に59名が死亡、48名が負傷した5件の穀物倉庫爆発事故の原因と防止に関し、全米科学学会(National Academy of Sciences Panel)が特定した問題と同じであったと指摘。報告書は、ディブルース社は、「穀物粉じんが爆発物となることを全く無視しており」、同社が業界の例外というわけではないだろうと記した。
 「アメリカの穀物産業は、穀物粉じんの爆発物としての重大性を否定しようと、相当量の政治的影響力を結集している」と同報告書。穀物産業の役員は、排除すべき真の問題は、着火源であると、本誌に語った。「穀物粉じんは、燃料にすぎない。これを完全に安全な水準に下げることはできない」と同氏。
 保健会社数社は、穀物倉庫を検査せずに保険を引き受けていると、報告書は付け加えた。最後に、OSHAは、穀物倉庫労働者の保護に関し「全く無力であった」と調査チーム。OSHAの基準は、爆発防止に不十分で、施行もされておらず、爆発のあったディブルース社穀物倉庫へのOSHA監督官の立ち入りは、1983年以降皆無であったと、報告書は述べている。