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NSC発行「Safety + Health」2002年1月号

ニュース

使用者、欠勤の抑制に奮闘

 イリノイ州リバーウッズ − CCH社が実施した新しい調査によると、2001年度の労働者の欠勤理由の筆頭は、健康問題というよりは個人の事由である。結果として、労働者を出勤させるには、欠勤の真の理由に取り組まねばならない。
 「2001年度予定外欠勤調査」では、全欠勤の3分の1、わずか 32%が、疾病によるものであったことが判明。代わりに、家庭事情、ストレス、私用が、大半の「病気休暇」の理由であった。とくに、ストレス関連の欠勤が増加。1995年には、ストレスは、労働損失日数のわずか6%を占めるに過ぎなかったが、2001年には19%にも及んだ。
 さらに、欠勤費用は、実際の欠勤日数同様、増加した。労働者1人あたりの平均費用は、2000年の610ドルから2001年の755ドルに増加した。平均すると、常勤労働者は、病気休暇として付与された8.4日のうち、6.8日を取得しており、2000年には2.1%だった欠勤率を、2001年には2.2%へと押し上げている。
 企業の大半は、この傾向は続くと確信している。調査回答者は、企業の規模縮小に伴う仕事量の増加、新入社員の低い勤労倫理、家庭問題の増加、ずさんな管理、労働者の権利意識を指摘した。回答者のおよそ43%は、予定外欠勤は、企業にとって重大な問題であると認識している。
 予定外欠勤への対策として、勤労生活・欠勤管理プログラムを始めている企業が増えていることが、調査で判明した。これは、「新しいツールや画期的なプログラムで、この問題に対処しようとの、組織の能力と意欲を強調するものである」と調査は報告する。回答者は、フレックス・タイム、在宅勤務、コンプレストワークウィーク(compressed work week)の3つを、最も有効な勤労生活プログラムとして格付けた。実際に活用されているものとしては、フレックス・タイム制がもっとも多く、63%の企業がこれを採用している。
 欠勤管理プログラムの分野では、有給休暇銀行(paid leave bank)は、労働者を仕事に従事させておくには最も有効であると考えられていた。有給休暇銀行は、病気や私用、休暇などの特定の理由により休日を与えるのでなく、労働者が妥当だと思うとおりに活用できるよう、与える。これは、労働者には、ニーズに応じて休日を予定させた方が、直前になって病欠の電話を受けるより、効率的だと考えられている。しかし実際には、企業の93%は、欠勤の削減にあたり、懲戒処分に頼っており、年1回の再調査(yearly review)(81%)、疾病の確認(71%)がこれに続く。
 「2001年度予定外欠勤調査」は、約140万人の労働者を擁する米国の企業、組織の人的資源担当役員234名を対象に調査した。CCH社は、事業、雇用、税法情報、ソフトウェア、サービスを提供している。

2001年予定外欠勤の理由
疾病 32%
家庭事情 21%
ストレス 19%
私用 11%
権利意識 9%
その他 8%
出所:CCH社、2001年

2001年常勤労働者の病気休暇取得日数
産業  付与日数 取得日数
金融・銀行業 14.3 6.1
官庁 11.9 9.6
医療 7.0 5.9
製造業 7.2 5.6
卸売・小売業 8.6 6.1
サービス業 8.3 8.4
大学・教育 9.9 7.4
公益事業 4.1 4.1
出所:CCH社、2001年


欠勤率・費用
欠勤率 労働者1人あたりの費用
1995 2.8 $662
1996 2.8 $603
1997 2.3 $572
1998 2.9 $757
1999 2.7 $602
2000 2.1 $610
2001 2.2 $755
*欠勤率=有給予定外欠勤時間/有給実働時間
 出所:CCH社、2001年