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NSC発行「Safety + Health」2002年7月号

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頻繁な出張は、家庭を犠牲にする

 ロンドン − 昨年9月11日以来、空路を行く出張者は増えたが、新しい調査では、出張の多い労働者の配偶者は、ストレスが大きく、子供の行動にもマイナスの影響がでることが判明した。
 これまでの調査では、出張のある職員は、出張のない職員に比べ、健康保険給付支払い請求がかなり多いことがわかっている。この度、労働環境医学誌(Occupational and Environmental Medicine)(Vol.59: 309-322)に発表された調査によると、家庭の祝賀行事をふいにする、出張が長期間に及ぶ、出張の合間の在宅期間が短いなどは、家庭内ストレスを増やし、家族関係の緊張が高まることが判明した。
 世界銀行グループの人的資源団体の調査員らは、世界銀行の行員533名とその配偶者に対し、出張の生活面への影響を尋ねた。
 回答者の半数は、職員の出張の際には、ストレスがもっとも高いと評定した。
 調査では、子供のいない配偶者に比べ、子供のいる配偶者は、ストレスが高いことが判明した。また、行員が、出張日程をほとんど自身でコントロールできない場合、配偶者のストレスは、一般に高い。
 「配偶者は、自分自身や子供の不安に対処し、パートナーの援助なしで家事を切り盛りせねばならない」と、調査員らは述べている。「回数の多い、長期の出張は、とくに日程が予想できず、家庭内の予定や祝賀行事にぶつかるときにはなおさら、損失をもたらしうる」。
 子供の行動の変化についても、まとわりつく、眠りにくい、親や仲間と言い争うなどから、学校の勉強に集中できない、家庭や学校の規則を破るなどにわたる。
 調査は、出張の多い職員については、出張日程をコントロールできるようにし、従業員一人当たりが年間に出張してよい日数について、方針を実施するべきだと勧告している。