英国安全衛生委員会(HSC)から、建物に使用されるアスベストから生じる障害に対して、新しい管理義務を導入する修正法案の諮問文書が最近発行された。この修正法案は、昨年度の諮問文書(CD159)に寄せられた意見により、修正が加えられている。
主な変更点は、義務を負う者の範囲を拡げたことである。建物を使用する事業者が法律を遵守するという主たる義務は変わっていない。今回の修正法案では、建物のいかなる部分の保守・修理の責任を負う者(工事請負者)は、建物を使用する事業者がこの新しい法律に合致することが出来るような工事を行わなければならないという義務が導入された。
新しい法案のもとでは、職場の建物に対して責任を負うすべての者は、下記の行動が要求される。
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アスベストが現在建物に使われているかどうか、それが建物のどこに使われているのか、さらに、どんな状態にあるのかを調査すること。
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建築材料にアスベストが使われていないことが確認できない限り、アスベストが使用されているとみなすこと。
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調査結果を記録に残すこと。
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アスベストを含んだ建築材料から生じる危険性を査定すること。
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アスベストから生じる危険性を排除する計画を作成し、実行すること。
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アスベストに接触する可能性がある全ての人に状況を説明すること。
さらに今回の法案におり込まれたもう一つの新しい提案は、建築材料を分析し、アスベストを鑑定する試験所は、英国政府認定機関(UKAS)から認定を受けたところに限定されたことである。
上記諮問文書に対するご意見は、安全衛生庁のイアン・グッデイHDC(Rose Court 6SW,2 Southwark Bridge,London SE1 9HS)宛て、2002年2月19日までに届くよう送ってください。
諮問文書(CD176)のコピーは無料です。正式名は、「職場でのアスベスト規制改正のための修正法案及び新実施規則」という。この文書は、http://www.hsebooks.co.ukでオンライン発注でき、また、安全衛生庁図書部, HSE Books, PO Box 1999, Sudbury,
Suffolk, CO10 2WA, tel:01787 881165 fax:01787 313995でも購入できます。さらに、安全衛生庁のWebサイト(http://www.hse.gov.uk/condocs/)からもダウンロードできます。
注)アスベスト調査に関するイアン・グッデイ氏とのインタビュー内容については、ニック・クック氏による今月号の特集記事を参照下さい。
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