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職場におけるドラッグとアルコール調査
Workplace drugs and alcohol research

資料出所:The RoSPA Occupational Safety and Health Journal
「OS&H」|2003年6月号 p.6
(仮訳 国際安全衛生センター)



 Chartered Management Institute と Priory Group による新しい調査が、上院のマネジメントに関する議員連盟(All-Party Parliamentary Group on Management)で始まった。

 調査報告書「ドラッグとアルコール:事業者にかかるコスト(Drink and drugs: the cost to employers)」によれば、自分たちの事業場がドラッグとアルコールに関する対策を導入している、または展開しようとしていると思っているのは、調査を受けた全ての管理者のうち約半数のみである。(この数字は、救急隊で働く管理者では87%に増加する。)

 毎年、アルコール関連の問題による労働損失日数は1400万日にのぼり、企業の27%は、それは従業員のドラッグの乱用によるものと報告している。イギリス産業における年間予想損失コストは35億ポンドになるが、今なお多くの管理者が、職場でこの問題に対処する準備を怠っている。
 
 管理者5人のうち1人が、過去数年間に企業内でアルコーの乱用が増加し、6人のうち1人が、ドラッグの乱用も増加していると述べている。その上、管理者の85%は、アルコール乱用の徴候は認識できると確信しているが、ドラッグとなると、その乱用を見抜く自信のある管理者は54%に低下してしまう。
 
 管理者10人のうち6人以上が、ドラッグとアルコール乱用の影響についての教育を提供することは事業者の責任であると思っているが、自分たちの企業が積極的にこの問題に対処していると言えるのは管理者のうちたった19%である。
 
 Priory Group の最高責任者であるDr. Chai Patelは述べている。「この調査結果から、ドラッグとアルコールは、職場における重要な問題として認識されるようになってきていることが明らかになった。しかし、かなり多くの企業が、これらの物質の乱用による潜在的な問題を減らす為に、手段を講じたり、または適切なサポートを行っていない。」
 
 職場におけるドラッグとアルコールの陰に潜んだ脅威は、個人に影響を与えるばかりでなく、事故の危険性の増加、判断力の低下、または欠勤日数の増加を通し、全ての企業活動に影響を与える。
 
 この問題に対処するため、管理者の55%は、職場でドラッグとアルコールの無作為検査実施を支持している。この方法は、35才以下の管理者に好評である。しかし、3人のうち1人は、無作為テストはプライバシーの侵害になるかもしれないと感じているが、それにもかかわらず、管理者の1/4以上(26%)が、そのテスト結果を見てドラッグの陽性反応が出た者を即座に解雇したいとしている。

 しかし、方針を持つ職場のうち71%は、カウンセリングやガイダンスを提供しており、そのうち約半分は、労働衛生専門家(occupational health practitioner)(57%)、または専門機関(46%)への相談をすすめている。
 
 Chartered Management Instituteの広報部長であるChristine Hayhurst氏は、以下のように述べている。 「この調査から、UKの約23%の事業者が上級管理者による徹底した方針をたてて関与することで、職場におけるドラッグとアルコール問題の取り組みに全力を傾けていることが判明し、我々は勇気づけられている。

 しかし、調査を受けた管理職のうち約半分(48%)が、ドラッグとアルコールの乱用問題が生じた時に、自分たちの職場は場当たり的な対応をしているだけであると指摘しており、これは懸念されるべきことである。」