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NFPAとHMIS、その違いは?
NFPA vs. HMIS: Do You Know the Difference?
(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年10月号 p.1)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 危険・有害性の周知徹底基準(The Hazard Communication Standard)(1910.1200)では、危険有害化学物質が入っている容器とドラム缶すべてに適切な表示をしなければならないことになっているが、この基準の要件を満たす限り、事業者は任意の社内ラベル表示・危険警告標識システムを使用することができる。
 よく使われるシステムとして、全国防火協会(NFPA: National Fire Protection Association)のプログラム、危険有害性物質識別システム(HMIS: Hazardous Materials Identification System)の2つがある。どちらも使い方は簡単で、通常、MSDS(化学物質等安全データシート)記載の情報と関連付けられている。
 NFPAのシステムは、主に危険有害化学物質が関わる火災において緊急対応チームが消火器や消火方法、避難手順を選択するための指針として使われる。HMISのシステムは、危険・有害性の周知徹底基準のうち表示条項への遵守を考える際に役立つシステムとされている。
 どちらのシステムも、「健康障害の危険」というカテゴリーを用いて、当該物質の体内への吸収、摂取、吸入、または注入によって傷害事故が起こる可能性を示している。「引火の危険」は当該物質がどれだけ燃えやすいかを示す。「反応性」は当該物質の不安定度、つまり当該物質それ自体またはほかの物質と反応してエネルギーを放出する可能性を示している。

 NFPAの表示システム。NFPAのシステムでは、健康障害、引火性、反応性という3つのカテゴリーを使って化学物質の危険・有害性を特定している。値は数字で0〜4の5段階に分けられており、これが重大度を示す。「4」は重大な危険があることを意味し、「0」は特別な危険がまったくないことを示す。NFPAの表示はダイヤの形をしており、この大きなダイヤの中に、色分けされた4つの小さなダイヤが配されている。引火性に関する情報は赤いダイヤの部分に表示される。健康に関する情報は青いダイヤの部分に、反応性は黄色いダイヤの部分に表示される。一番下の白いダイヤは、当該化学物質が水と反応するかどうかなど、特記事項を示すのに使われる。


 HMISの表示システム。HMISの表示の基本は色の付いた長方形で、以下の情報を提供する。
当該化学物質の識別情報
急性健康障害、引火性、および反応性の等級
慢性健康障害の危険に関する情報
個人用保護具に関する指定
 HMISの長方形は5つの小さな長方形の部分に分割されており、それぞれの部分に固有の色付けがなされ、該当カテゴリー名が書かれている。一番上の白い長方形の部分は空白で、ここには化学物質名および/または識別情報を書き入れる。次の青い長方形の部分は健康に関する情報、赤い長方形は引火性に関する情報を示す。その下の黄色い長方形の部分は反応性を示す。最後の長方形は白で、個人用保護具に関する情報を示している。
 NFPAのシステムと同様、HMISシステムでも数字によって重大度の等級付けを行っている(「0」は危険性が低いかまたは存在しない、「4」は重大な危険または非常に危険性が高いことを示す)。原則として等級が「2」以上のカテゴリーは、非常に危険であるか、または非常に危険な状況を生じる可能性があるものとして扱われる。