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化学物質等安全データシート(MSDS):
化学物質を安全に使用するのに必要な情報を読む

MSDSs: Reading the Roadmap To Chemical Safety

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2003年9月号 p.2-3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 全米安全評議会(NSC)によれば、3,200万人以上の労働者が300か所を超える職場で65万種類の危険・有害化学物質にさらされているという。監督者はこうした職場の安全を保つために、化学物質等安全データシート(MSDS)についてよく知っておく必要がある。
 MSDSは、特定の製品についての安全衛生情報を読みやすい形で提供することを目的に作られている。社内で使用するすべての化学物質について、MSDSを手元に置いておく必要がある。
 労働者に対しては、MSDSの使い方について研修を受けさせ、MSDSがどこに置いてあるのか教える必要がある。事業者は、最新のMSDSを置き、全従業員がいつでも利用できるようにしておく責任がある。一般的な方法として、MSDSを明るい色のバインダーに収めて壁に掛けておく、作業区域の特別な棚にMSDSを保管しておく、といったやり方がある。特定の作業区域で使われる化学物質については、そのすべてのMSDSを当該作業区域に置いておく必要がある。
 MSDSには規格化された様式はないが、いくつか指針が存在する。MSDSはいずれも英語で記述しなければならず、最低限、下記の情報を含んでいなければならない。
  • 当該化学物質の識別情報および/またはラベルに書かれた名称
  • 危険・有害化学物質の物理的化学的特性
  • 当該化学物質の物理的危険性
  • 当該化学物質の健康上の有害性
  • 人体への主要侵入経路
  • OSHAの許容暴露限界(PEL)、米国産業衛生専門家会議(ACGIH)のTLV、および適用または推奨されるその他の暴露限界
  • 当該化学物質が国立毒物学プログラム(National Toxicology Program)の発がん物質年鑑(最新版)に記載されているかどうかの記述、あるいは国際がん研究機関(IARC)のモノグラフ(最新版)、OSHA、またはACGIHで発がん性の疑われる物質とされているかどうかの記述
  • 当該化学物質の製造元、輸入元、またはMSDSを作成した事業者にとって既知の取扱い上および使用上の一般的な注意事項
  • 当該化学物質の製造元、輸入元、または事業者などその他の当事者で、MSDSの作成や配布を担当し、危険・有害化学物質および緊急時における適切な対処方法に関して補足情報を提供可能な者にとって、既知の一般的に用いられている管理措置