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作業環境を管理する
Controlling the Work Environment

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2004年1月号 p.2-3)
(仮訳 国際安全衛生センター)



 監督者は、健康的な作業環境を維持するためのさまざまな管理手段について知っておかなければならない。管理の種類と範囲は、空気を汚染する物質の物理的・化学的・毒物学的特性、暴露について行った評価、及び飛散する汚染物質の取り扱い方法によって異なる。
 NSCによれば、職場に存在する危険有害性を管理する一般的な方法として、次のようなものがあるという。
  • 労働者の健康に有害な物質に代えて、有害性の低い物質を用いる。
  • 有害物への労働者の接触を最小限に抑えるために工程を変更する。
  • 暴露する人数を減らすために工程を隔離、または囲いするか、離れた場所に労働者を遠ざける。
  • 作業中は粉じんに水をかけ、掃除をして粉じんの発生を抑える。
  • 汚染物の発生および拡散場所では局所排気を行う。
  • 新鮮な空気による全体換気または希釈換気によって空気の汚染度を下げる。
  • 個人用保護具の着用を義務付ける。
  • 職場の清掃、廃棄物の適切な処分、洗浄・食事のための適切な施設、飲料水、および虫とネズミの管理など、良好な職場環境の維持に努める。
  • 特殊な危険有害性に対しては、暴露時間を減らす、フィルムバッジや同種の装置型のサンプラーを使用する、有毒物質の摂取を検出するためにプリセット式アラームを用いた継続サンプリングを実施するなど、特別な管理手段を利用する。
  • エンジニアリング的管理を補うために教育訓練を実施する。
  • 暴露前、暴露中、暴露後の従業員の健康をモニタリングするための医療監視プログラムを導入する。
 管理手段を有効なものにするうえで監督者は重要な役割を果たす。監督者は、工程の変更、密閉又は囲い、湿式の使用、および局所排気と全体換気を注意深く計画的に監視、調査し、これらの管理手段が適切に機能していることを確認するとともに、保守や修理が必要かどうかを判断する必要がある。
 防音保護具や呼吸用保護具など、個人用保護具の使用を義務付けられている区域での着用徹底に関しては、監督者の果たす役割はさらに大きいものとなる。
 労働安全衛生のための管理手段が重要な意味を持つ場所では、監督者はキーパーソンである。安全で健康な職場を実現するための管理手段も、監督者の援助と指導がなければその実効性は損なわれてしまうだろう。