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電気的ハザードの解消に一役買うNFPA 70Eの改訂
NFPA 70E updates help zap electrical hazards

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年8月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日2006.12.18

感電死やショック、アークフラッシュ、やけど、火災、爆発は、電気器具を使用する監督者と労働者にとって常に心配の種である。マサチューセッツ州クインシーにある全国防火協会(National Fire Protection Association: NFPA)によれば、電気との接触によって毎年平均で4,000件の非能力喪失傷害、3,600件の能力喪失傷害が職場で発生しており、電気やけどによって熱傷センターに運ばれる労働者の数は毎年2,000人を超え、毎日一人が職場で感電死しているという。

多くの職場では、従業員保護を徹底するために、NFPAの全国統一基準70E「従業員の職場の電気安全のための要求事項(Electrical Safety Requirements for Employee Workplaces)」をよりどころとする傾向を強めている。この包括的な70E基準では、電気作業の方法、修理、設置のしかたなど、安全に関するさまざまな問題が幅広くカバーされている。

70E基準は時とともに変化している。具体的には1979年の初公開以来、7回改訂された。このうち5年前の2000年に制定された改訂は最も重要な変更の一つで、防護服の性能要件を定めるとともに、具体的なハザードに応じて推奨耐火性保護具を提示している。シカゴの難燃性繊維メーカーWestex Inc.のマイク・エンライト(Mike Enright)販売・セールス担当副社長によれば、2000年の改訂では、電気および修理に関するさまざまな作業を電圧ごとのカテゴリーに分類し、各作業ごとにリスクカテゴリーが掲げられているという。このため労働者は、安全に作業を遂行するにはどの程度の保護が必要かを知ることができる。

NFPAは2004年4月、再び70Eに大幅に手を加え、文書の構成を変えて内容をより明快なものにした。その結果、70Eはさらにわかりやすく、安全上の懸念にもいっそう効果的に対応できる基準になった。

労働安全衛生庁(OSHA)はこの70E基準の遵守を義務付けてはいないが、OSHAが出す違反告知や電気安全に関する各種文書は同基準に基づいたものとなっている。専門家らの意見も、電気安全プログラムに70E基準を取り込むようにすれば、保護具の基準としては最も厳しいものになり、安全をおびやかすさまざまなハザードを包括的にカバーできる、という点で一致している。ノースカロライナ州ローリーにあるProgress Energy Service社の認定公共サービス安全管理者、ブラッドリー・ファーガスン(Bradley Ferguson)氏はいう。「NFPA 70Eによって人々の意識は高められました。70E基準のおかげで、多くの企業がOSHAの要件を超える高いレベルを現実に達成しています」

毎日一人が職場で感電死している。