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職場の事故を適切に報告するための10のステップ
Take 10 steps to report workplace incidents properly

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年1月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)


職場のハザードはすでに特定し、分析を実施し、ハザードを除去または低減する各種の管理手段も実施していた。それでも事故が発生してしまった場合、どう対応すればよいのだろうか。
  最初のステップとして行うことは、事故の調査である。事故調査を実施すると、ハザードの原因がわかり、これを是正する方法を決定することができる。事故調査は後手にまわった対応のように見えるかもしれないが、事故調査の結果として実施する是正処置は前向きの対応であり、同種の事故の再発を防ぐことにつながる。
  どんな種類の事故も、調査の対象とする必要がある。たとえば、いわゆる「ニアミス」事故で傷害や損害が発生しなかった場合でも、危険な兆しとして注意する必要がある。もし是正処置を講じなければ、実際に傷害や損害が発生するまで、同じような事故が繰り返し起きる可能性がある。その他の種類の事故としては、傷害、財産への損害、機器/製品の損傷をもたらした事故、死者や記録の対象となる傷害が発生した事故がある。

事故への対応のしかた

全米安全評議会(National Safety Council: NSC)によると、事故調査には以下の10のステップが不可欠である。

1.

  応急処置を実施する。これには、必要な治療を医師から受けられるようになるまで、傷害を負った従業員に対し、速やかに救急処置を施すことが含まれる。
2.   現場を立ち入り禁止にする。事故発生現場の区域はロープまたはテープで立ち入り禁止にし、該当区域に機械類がある場合には、これらの機械類を停止してロックアウトする必要がある。このステップを実施することで、事故が引き続き起きるのを防ぐとともに、事故調査のための現場保全が可能になる。
3.   目撃者がいるかを把握する。事故の関係者すべて、すなわち事故に関して何らかのことを見たり聞いたりした可能性のある人物をリストアップする。
4.   事故調査のための道具を用意する。具体的には、カメラ、ビデオカメラ、テープレコーダー、懐中電灯、バリケード用のマーカー、テープ、タグ、南京錠などである。
5.   証拠を収集し、データを記録する。発見当時の現場の状況をそのまま記録するとともに、証拠を収集または記録する必要がある。
6.   聞き取りを実施する。事故の関係者すべてに聞き取り調査を行う。
7.   データを検討する。監督報告、保守報告、および過去の事故の報告・分析を調べ、何らかのパターンや傾向がないかチェックする。
8.   事故調査報告を作成する。収集したすべての事実、聞き取りの内容、およびデータを、書面で報告書にまとめる。
9.   原因を見極める。これには、当該ハザードの排除または是正によって今後の事故の再発を防ぐことも含まれる。
10.   フォローアップを行う。事故への対応はまだ終わっていない。フォローアップを行って、危険な状態が是正されていることを確認する。