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交代制勤務の悪影響を最小限に抑える
Minimizing the effects of shiftwork

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年6月号 p.2)
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日2006.10.23

24時間休みなく活動を続ける現代社会では、多くの企業が24時間営業を余儀なくされている。米国労働者の少なくとも4分の1は、交代制勤務の必要な産業活動またはサービス活動に従事している。こうした交代制勤務や交代業務は、労働者にストレスをもたらし、安全衛生上の深刻な問題を引き起こすおそれがある。

人間は肉体的にも精神的にも昼に活動する生物である。日中活動し、夜は休息するのが人間本来の姿である。人間の体内時計は日の出と日没によって毎日リセットされる。こうした体内の仕組みは、反応時間、呼吸数、体温、消化といった人間の不随意反応を規定している。人間の生理的機能の大半は、24時間単位で活動レベルが上下するサイクルを持っている。交代制勤務のスケジュールは、こうした人間の身体が持つ自然なリズムと、社会の支配的なリズムとの両方に反するものである。このことは、以下のような問題を引き起こす可能性がある。

  • 反応時間の鈍化、または注意力と意欲の低下による災害・傷害リスクの上昇
  • 家族や安全、ひいては精神衛生に対する悪影響
  • 照明、換気、食事などの労働条件の劣悪化
  • 慢性疲労と睡眠障害
  • 消化器系の病気、栄養不足、劣悪な食習慣
  • 一部処方薬の効き目が悪くなるおそれ
  • 分の極端な揺れおよび/または慢性のイライラ感
  • 孤独感による消耗

上のような交代制勤務の悪影響は、職場の諸条件を改善することで最小限に抑えることができる。難易度の高い作業は当該シフトの早い時間帯に設定し、すべての作業に十分な時間的余裕をみておく必要がある。交代制勤務労働者には、疲れたときに休憩を取ることを推奨する必要がある。換気が良好で照明の適切な作業区域は、労働者の眠気を防ぎ、注意力を維持するのに役立つ。騒音を減らし、孤絶感を和らげる必要がある。栄養のある食事を取れるカフェテリアサービスを利用できるようにする必要がある。

上記に加え、事業者は交代制勤務労働者に対し、交代制勤務の悪影響とストレス管理に関する教育訓練を実施する必要がある。社内ニューズレター、労使の広報、ディスカッショングループ、安全スピーチなどを利用すれば、労働者とその家族に情報を伝えることができる。