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刺し傷に注意
Beware the sting

(資料出所:National Safety Council発行「Today's Supervisor」 2006年6月号 p.3)
(仮訳 国際安全衛生センター)

掲載日2006.10.24

労働時間の大部分を屋外で過ごす労働者は、しばしば虫の刺し傷に対処しなければならない。米国内でヒトを刺す虫として一般的なのは、スズメバチ、ミツバチ、マルハナバチ、ジガバチ、ホーネット(スズメバチの一種)、フシアリである。

通常、ほとんどの刺し傷は一時的な痛みや腫れ、赤みを引き起こすだけである。しかし重篤なケースでは、刺された場所やアレルギーの有無により生命に危険が及ぶこともある。人によっては一度刺されただけでアレルギー反応が出るが、その一方で、何度か刺されてはじめてアレルギー反応が出る人もいる。

ミルウォーキーの米国アレルギー・喘息・免疫学会(American Academy of Allergy, Asthma and Immunology)とオンタリオ州ハミルトンのカナダ労働安全衛生センター(Canadian Center for Occupational Health and Safety: CCOHS)は、身の安全を守るために次のような予防策を推奨している。

近付かない。虫を避け、虫が集まったり入り口から出入りしている巣箱や巣に注意する。

虫を挑発しない。虫を叩いたり、急に動いたりしない。虫が飛び去るまでそのまま待つか、ゆっくりその場を離れるか、または虫をやさしく追い払う。うっかり巣をつついてしまい、激しい羽音がしたときは、迅速に行動する。具体的には、手で顔を覆って急いでその場から離れる。

虫刺されに対するアレルギーがあるかどうかを事業者に知らせる。労働者は、応急処置に関する教育訓練を受け、激しいアレルギー反応の徴候がどういうものかわかり、ハチ刺され用キットの使い方を知っている必要がある。屋外で作業するときは、緊急医療援助が必要になった場合のために携帯電話を携行する。

虫を寄せ付けない工夫をする。明るい色の服および長ズボンを着用して、虫に刺される可能性を減らす。靴を履いてミツバチやスズメバチから身を守る。においや香り付けのしてある製品を避け、髪の毛や服の折り目、タオルの中などに虫がもぐり込めないようにする。刺す虫には防虫剤が効かない点に注意する。

虫に刺された場合の対処法
  • まず、指の爪やクレジットカードを使って、尖った側から針を押し出し、針の除去を試みる。
  • アレルギー反応の徴候がないかどうか注意深く見守る。
  • ひどいアレルギーを持っていることがわかっている場合には、ただちにエピネフリンを注射し、911に通報する。
  • めまいを覚えたら、助けが来るまで地面に身を横たえて待つ。
  • 患部を高くし、氷または冷湿布をあてて痛みと腫れを抑える。
  • 水ぶくれは石けんで軽く洗い、二次感染を防ぐ。水ぶくれはつぶさないこと。
  • かゆみは局所用ステロイド製剤または経口抗ヒスタミン剤で和らげる。