製造業安全対策官民協議会
製造業安全対策シンポジウムが開催されました
会期
- 日時:
- 平成29年3月28日(火)8時30分~10時30分
- 場所:
- 経済産業省別館944会議室


厚生労働省、経済産業省、中央労働災害防止協会は、製造業安全対策官民協議会の取り組みの一環として、平成29年3月28日(火)に製造業安全対策シンポジウムを開催しました。
トップダウンとボトムアップの調和や機械の本質安全化によるリスク低減など有識者から安全対策を進めていく上でのポイントについて指摘があったほか、経営トップのリーダーシップ、現場力の向上、標準化を通じた安全管理体制強化と安全投資促進の重要性について討議されました。
少し早い時間帯からの開催でしたが、経営層を中心に、様々な業種から安全対策に高い関心を持つ220名を超える参加者を得て、熱気溢れるシンポジウムとなりました。
シンポジウムの概要は以下のとおりです。
冒頭挨拶
橋本 岳 厚生労働副大臣
(概要)
- 官民が連携し、経営層の皆様と安全対策に積極的に取り組んでいく意義は大変に大きい
- 社内における安全管理活動の強化・活性化に加え、危険な老朽化施設の設備の更新や補修など設備面での安全対策の強化をお願いしたい
中川 俊直 経済産業大臣政務官
(概要)
- 多方面の知見を結集して安全対策を練り直す必要があると考えている
- わが国の強みである「ものづくり」の将来を見据えて、安全対策の現状や課題、協議会活動への提案など、幅広い視点で議論をお願いしたい
製造業の安全対策について行政から施策の紹介
有識者による基調講演
パネルディスカッション
パネルディスカッションメンバー
左から
- 田村 昌三
- 東京大学名誉教授(パネルディスカッション司会)
- 向殿 政男
- 明治大学名誉教授
- 寺畑 雅史
- JFEスチール(株) 専務執行役員 (製造業安全対策官民協議会会長)
- 春山 豊
- (一社)日本化学工業協会 常務理事
- 小澤 謙二
- トヨタ自動車(株) 安全健康推進部長
- 八牧 暢行
- 中央労働災害防止協会 理事長
田村名誉教授の司会の下、3つのテーマについて討議等が行われました。
セッション1:経営トップのリーダーシップ
まず、春山常務から化学業界における社長懇談会等の取組について、川鍋 健志 日本ゼオン(株)生産革新センター長からダイセル方式導入の経緯やその効果についてそれぞれ発表されました。
討議に入り、田村名誉教授から経済効果分析の必要性について、八牧理事長から異業種トップ座談会の有用性について問題提起がありました。
これらを踏まえ、司会から、①化学の先駆事例の紹介等を含め、今秋までに日化協会長、鉄連会長等の異業種トップ座談会を実現すること、②安全対策の経済効果分析について今秋の全国大会までに作業スケジュールを明確化すること が官民協議会に対して提言されました。
セッション2:現場力の向上
まず、春山常務から化学業界における産業安全塾やIoT推進等の取組について、寺畑専務から鉄鋼業界における危険体感設備やIT活用等の取組についてそれぞれ発表されました。
討議に入り、寺畑常務から産業界における安全教育の体系的プログラムの重要性について、田村名誉教授から学校教育の見直しの必要性について問題提起がありました。
これらを踏まえ、司会から、①産業界における安全教育の体系的プログラムの策定について今秋の全国大会までに作業スケジュールを明確化すること、②学校教育の見直しを提案すること が官民協議会に対して提言されました。
セッション3:標準化を通じた安全管理体制強化と安全投資促進
まず、小澤安全健康推進部長からトヨタにおけるリスクアセスメントの具体的取組について発表されました。
討議に入り、向殿名誉教授からリスクアセスメントの標準手法の開発及び設備点検・補修・更新基準の共通化の必要性について問題提起があり、八牧理事長から労働安全衛生マネジメントシステムのJIS化作業について言及がありました。
これらを踏まえ、司会から、①安全投資促進のため、リスクアセスメントの標準手法の開発及び設備点検・補修・更新基準の共通化について今秋の全国大会までに作業スケジュールを明確化すること、②安全管理体制強化のため、労働安全衛生マネジメントシステムのJIS策定へ協議会が関与し、今秋に策定予定のJISに対して意見を反映すること が官民協議会に対して提言されました。
八牧 暢行
中央労働災害防止協会 理事長
取りまとめ
パネルディスカッションのまとめとして、司会を務めた田村名誉教授から、各セッションにおける提言に加え、①ワーキンググループを立ち上げ、速やかに活動を開始すること、②開催の頻度やスケジュールに囚われず、できるだけ多くの成果が得られるようにインテンシヴに活動すること、③現場主義の観点から、製造現場の視察など地方における活動も検討すること が官民協議会へ要望されました。
これを受け、寺畑専務から、官民協議会会長として、ワーキンググループ早期立ち上げのほか各提言に対して前向きに取り組む旨抱負が述べられました。
(以上)