2021.9.3

「令和2年度化学物質のリスク評価検討会報告書」公表される

厚生労働省では毎年度、「化学物質のリスク評価検討会」にて事業場で使用されている化学物質による労働者の健康障害のリスク評価を行っており、今回、1物質に関する詳細リスク評価と、7物質に関する初期リスク評価の結果を「令和2年度化学物質のリスク評価検討会報告書」としてまとめて公表しました。詳細リスク評価を見ると、「オルト-フェニレンジアミン」は経気道ばく露のリスクに係る追加調査の結果、本物質を製造しまたは取り扱う事業場の作業工程に共通して、経気道ばく露により労働者に健康障害を生じさせるリスクが高いと判定されました。初期リスク評価を見ると、「1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン」、「アクロレイン」は経気道ばく露に関するリスクが高い等と判定されました。「2-(ジエチルアミノ)エタノール」、「ジエタノールアミン」、「りん酸トリ(オルト-トリル)」、「2-クロロニトロベンゼン」は経気道ばく露に関するリスクは低いと判定されたが、経皮吸収のおそれが指摘されました。また、「アジピン酸」は経気道ばく露に関するリスクは低いと判定され、かつ、経皮吸収のおそれも指摘されませんでした。
厚生労働省は今回の報告書に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について、関係団体に要請することとしています。詳細は厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20886.htmlに掲載。また、「令和2年度化学物質のリスク評価検討会報告書」はhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20829.htmlに掲載。