10月29日(木)プログラム(9時00分開場)
- 9時30分
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(1)職場におけるナレッジマネジメントへの取組み
西日本旅客鉄道(株)大阪電気工事事務所 大阪通信工事所 2G 係長 | 井手 博文 |
個人の経験や情報といったナレッジを組織全体で共有し、有効活用することでナレッジ不足によるリスクの見逃しを防ぎ、安全性を向上させることができる。ナレッジマネジメントを活用している「気がかり事象の種」と「聴き取り隊」の取組みを紹介する。
- 9時50分
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(2)技術継承と一人ひとりの安全に対する感性を磨くために
東日本旅客鉄道(株)千葉支社 千葉建築技術センター 施設技術主任 | 大島 康隆 |
安全安定輸送を目指す技術者集団として常に事故防止に取り組んでいる。未然に事故を防ぐには、現場に潜む事故の芽を摘み取る感性を磨くことが重要であり、どのように社員一人ひとりの感性を磨くかが課題である。技術継承も目的として、工夫を凝らした様々な取組みを実践している。
- 10時10分
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(3)安全パトロールによるリスク対策と肥満者率減少による健康者率上昇の取組み
東京急行電鉄(株)鉄道事業本部 運転車両部 雪が谷大塚乗務区 運転士兼車掌 | 遠藤 之啓 |
ワンマン開始後17年経過。危険・不備な箇所を安全パトロールで洗出し、リスクアセスメントを用い改善。事故と災害未然防止の環境を構築。また、職場の肥満者率が高く、対象者が目標を決め、安全衛生教育や食生活改善資料提出とイベント・スポーツ参加で健康増進を図った。
10時30分~10時40分 休憩
- 10時40分
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(4)列車等監視員の負担軽減に伴う触車事故防止の取組み
西日本旅客鉄道(株)金沢支社 金沢電気区 電気管理係 | 濱岸 大和 |
近年JR 西日本では、触車事故防止のために列車等監視員の補助装置を多々導入した。これらの装置大半は首から掛けて使用するものであり、装置同士が絡み合い、使いづらく、身体的負担も増加することが分かった。今回これらをベルト化することにより、使いやすさおよび負担軽減に成功した。
- 11時00分
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(5)羽田トンネル内スラブ板交換工事における安全確保に向けた取組み
東日本旅客鉄道(株)品川保線技術センター 計画科 施設技術主任 | 東金 遵 |
単線トンネル内における作業員の安全確保と作業効率の両立を目的とした作業方法の確立を図った。作業スペースの狭い箇所での重量物の交換方法を従来の大型機械使用時と遜色なく効率的に進められ、かつ作業員が吊り荷等と接触する可能性を極力低くするため、使用機械や工程の見直しを行った。
- 11時20分
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(6)二人作業における労働災害発生に潜んでいた意思疎通方法の違いとその統一
九州旅客鉄道(株)佐世保車両センター 運輸指導係 | 山本 高志 |
昨年、指を開放骨折する大きな労働災害が発生した。原因は、二人作業における意思疎通の方法にあった。さらに分析したところ、職場内に2通りの方法が混在し、もう一方の方法では今回の事象を防ぐことができていた。これを機に作業方法を統一、また、違いを放置した雰囲気を是正した。
- 11時40分
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(7)過去の事例から学ぶ労働災害ゼロへ向けた取組み
北海道旅客鉄道(株)札幌電力所 電気技術主任 | 近野 力 |
今年度、停電・加圧系統錯誤による2万V感電が発生し、再発防止のために感電箇所と同様に系統が複雑な箇所の補助系統図作成や錯誤感電注意喚起の表示板設置および個別検電を行うと共に、今回と過去の感電労災のポスターを作成・掲示し、感電労災を風化させない取組みを実施した。
12時00分~13時00分 昼休み
- 13時00分
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(8)尼崎駅管区リスクシミュレーション
西日本旅客鉄道(株)大阪支社 尼崎駅 運輸管理係 | 吉岡 通生 |
大規模災害や異常時対応を自分ごととして捉えるためにはどうすればよいか。訓練回数の増加には限界があることから、災害対策シミュレーションに用いられている「クロスロードゲーム」を応用した“リスクシミュレーション"を発案した。これにより多様な考え方が学べ意識向上に貢献できた。
- 13時20分
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(9)職場のCS運動リーダーとしてのCS活性化と安全性向上の取組み
東日本旅客鉄道(株)八王子支社 豊田車両センター 機動検査班 車両技術係 | 小川 裕 |
CS推進事務局では、職場の安全レベルを向上するべく様々な取組みを行っている。業務委託による環境変化に伴い、グループ会社で発生した事象からCS活動の見直しをした。また、川崎駅構内での脱線事故を受けて、CS会議で議論、対策を検討し、職場の安全を見直すこととした。
- 13時40分
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(10)線路内昼間作業時の安全性向上に向けた、列車接近警報機の改修について
東京急行電鉄(株)鉄道事業本部 工務部 保線課 梶が谷保線区 技士 | 志村 栄一 |
列車の接近を知らせる列車接近警報機は、従来、機器自体が故障する可能性を考慮し補助的な機器として位置づけ、列車目視を原則としていた。今回、機器を改修し、信頼性を向上させ、補助的だったものから正規な監視装置として扱えるものとし、線路内作業での安全性の向上を図った。
- 14時00分
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(11)「触車事故防止強化計画アクションプラン」の取組み
平成21年2月20日に山陽本線明石~西明石間で惹き起こした「触車死亡災害」について、事象の分析と施工実態の把握を行い、再発防止対策として「触車事故防止強化計画アクションプラン」を策定し取り組んできた。今回その内容と結果等に関して報告する。
14時20分~14時30分 休憩
講演
- 14時30分
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企業不祥事ケーススタディ2015─最近の不祥事例から学び取る教訓─
警察大学校 警察政策研究センター教授 博士(政策研究) | 樋口 晴彦 |
危機管理の専門家であり「組織の失敗学(中災防新書)」の著者である樋口晴彦教授が、最近の失敗事例等(トンネル天井板落下事故、冷凍食品農薬混入事件、個人情報漏洩事件)をもとに組織のリスク管理を検証し、不祥事を予防するためのノウハウについて講演する。
- 15時30分
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(12)工事計画マップ描画システムを活用したリスクの「見える化」について
西日本旅客鉄道(株)近畿統括本部 神戸保線区 施設管理係 | 桂 宜宏 |
従来、社員・グループ会社から出た「気がかり事象」をエクセル様式の一覧表にて管理していた。しかし、転勤者等の土地勘のない人は現場のイメージができないので、描画システムを活用し、航空写真上に作業箇所・リスクを「見える化」することができたので、その事例を紹介する。
15時50分~16時00分 休憩
- 16時00分
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(13)「だよね運動」の展開による労働災害ゼロへの取組み
東日本旅客鉄道(株)大宮支社 浦和駅 営業指導係 | 齋木 真璃緒 |
当駅では、KYT活動やリスクアセスメントを展開し、労働災害防止に取り組んでいるが、ヒヤリハットや社員への暴力による労働災害が発生している現状を重く捉え、「だよね運動」を取り組むこととした。この取組みを浸透させるまでのプロセスと成果を報告するものである。
- 16時20分
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(14)軌道工事における「安全の見える化」取組み
軌道工事の各現場では、「安全の見える化」に積極的に取り組んでいる。今年度より現場ミーティングにおける見える化、現場作業における見える化に取り組んでいるので、その内容について紹介する。
- 16時40分
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(15)「何があっても絶対に落ちない吊り具」に関する研究
東海旅客鉄道(株)関西支社 大阪台車検査車両所 車両係 | 説 龍太 |
当所では新幹線台車の検査・修繕を行う際、吊り具を使用し、車両部品を運搬している。吊り荷が落下すると重大な労災につながるため、特に使用頻度が高い車両運搬用吊り具の改良の研究を進めた結果、絶対に落ちない吊具を開発し、吊り荷の落下による労災や設備破損の危険性を低減した。
- 17時00分
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(16)上神崎川橋梁の墜落死亡労災を受けての取組み
平成25年9月30日東海道貨物線上神崎川橋梁で橋まくらぎ交換のための安全ネットを設置中、21才の若手作業員が墜落し溺死するという痛ましい労働災害を発生させた。今後二度と同種事象を発生させないため、弊社線路部門が中心となって取り組んできた対策等について報告する。
- 17時20分
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(17)九州新幹線の線路保守現場でPDCAサイクルを意識し攻めの安全を創り技術力を磨く
九州旅客鉄道(株)熊本新幹線工務所 新鳥栖新幹線工務室 副室長 | 佐藤 創 |
九州新幹線の線路保守現場では、外注化が進み監督業務に不安を感じている社員がいる。工事の計画(P)・実施(D)・評価(C)・改善(A)における課題を抽出し解決することを目的として、社員自らレール面整正工事を実施することで、安全面・技術面におけるレベルアップにつながった。
17時40分
10月30日(金)プログラム(9時00分開場)
- 9時30分
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(18)死傷事故「0」に向けた取組みについて
東日本旅客鉄道(株)大宮支社 大宮信号通信技術センター 企画科 電気技術主任 | 藤井 洋平 |
当社の目標は、「究極の安全」である。「労働災害」や「鉄道運転事故」は、絶対に起こしてはならないものである。お客さまと社員の死傷事故ゼロのために、社員一人ひとりの安全意識向上を図り、事故防止に努めることが使命である。その対策である職場の取組みを紹介する。
- 9時50分
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(19)車両修繕に必要となる物品を迅速かつ正確に特定することによる物品異種取付けリスクやダウンタイムの低減に向けた取組み
西日本旅客鉄道(株)福知山支社 福知山電車区 車両管理係 | 今福 亮太 |
他箇所で発生した「物品の異種取付」事象へのリスク分析結果から自箇所で想定された「物品の異種取付」や「ダウンタイムの発生」へのリスク低減に取り組んだ発表である。リスク低減のため車両保守の業務支援システム(Ris-e)に蓄積されるデータを有効活用するソフトを開発した。
- 10時10分
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(20)トラッキング現象防止で安全な地下駅を目指す!
東京急行電鉄(株)鉄道事業本部 運輸営業部 三軒茶屋駅 駅務係 | 鴇田 伸生 |
三軒茶屋駅は地下駅のため、お客さまや駅で働く人の安全を最も脅かすことは「火災発生の知らせ」であると考えた。火災発生のリスクの大きさを考えた上で、原因の究明と改善をすべくプロジェクトチームを立ち上げ、他の職員とともに一丸となって、取組みを始めた。
10時30分~10時40分 休憩
- 10時40分
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(21)支店と作業所が一体となった安全管理体制の取組みについて
遠隔地の作業現場で労災等を発生させた場合、事象の検証等の事実確認が難しく、適切な指導ができず対策が後手になる傾向にあった。今回、報告フローを見直すとともに、支店と現場が一体となった安全管理体制および継続的な支店のバックアップ手段の検討を行ったので報告する。
- 11時00分
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(22)繰返し発生する感電事故の完封に向けて
東日本旅客鉄道(株)高崎電力技術センター 電気技術主任 | 関根 理弘 |
電力職場の「3大労災」の一つである「感電事故」の完封に向けた取組みとして、あわや感電死亡事故になりかねなかった自箇所で発生した「電撃症」を教訓に、リスクの選定、教育資料作成、活線作業範囲の勉強会、感電事故防止教育、情報共有化、各種訓練を実施している。
- 11時20分
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(23)現場起点でヒューマンファクターを考える
西日本旅客鉄道(株)米子支社 浜田鉄道部 浜田列車支部 運転士 | 長畠 悠治郎 |
事故の発生原因の中に人間のエラーがあるが、エラーを起こす背後には人間の特性や周囲を取り巻く環境の変化が潜在している。ヒューマンファクターの研究に取り組む中で自らの弱点を気付かせることや固定概念の排除に苦労したものの、無事故継続につなげる成果を上げることができた。
- 11時40分
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(24)軌道検査業務における労働災害防止の取組み
軌道検査業務は、列車と列車の間合いで行っており、様々な危険な環境のなかで作業が行われている。これまで発生した労働災害を基に再発防止対策に取り組んでいる。その内容について紹介する。
12時00分~13時00分 昼休み
- 13時00分
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(25)ヒヤリ・ハット活動の浸透と活用による安全意識高揚の取組みについて
名古屋鉄道(株)鉄道事業本部 安全統括部(技術研究担当)主任補佐 | 下村 邦仁 |
ヒヤリ・ハット活動の浸透と活性化を図るため安全レポートを作成し、情報の共有化を進めた他、ヒヤリ・ハット取組み活動発表大会の開催や、速やかな改善策の実施による事故の芽の根絶、ヒヤリ・ハットの傾向分析を実施しその結果を現場KYに取り入れるなど、積極的な活用事例を紹介する。
- 13時20分
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(26)安全意識向上へ向けた攻めの保全─『匠の歴史堂』の作成─
博多電力区では社員の若返りにより設備事故を経験したことがない社員が増えていた。撤去した不良設備や事故品の実物の展示と、それらに関する過去の事故事例にベテラン社員からのアドバイスを加えた資料を掲示した『匠の歴史堂』を作成した結果、検査能力と安全意識の向上につながった。
- 13時40分
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(27)グループ内確認会話「かけ声うけ声」の習慣化による鉄道三大労災事故防止の取組み
東日本旅客鉄道(株)仙台支社 設備部 保線課 主席 | 衣川 喜彦 |
平成25年東北本線において電力作業員の感電事故が発生。この事故を通しグループ内のコミュニケーションを良好にし、仕事をすることが大切であることを学んだ。この教訓から私達は、重要な行動を行う際のグループ内確認会話を習慣的に行う取組みを展開し、労災事故防止を図っている。
- 14時00分
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(28)橋上作業の墜落事故防止に向けた作業器具の改善
西日本旅客鉄道(株)広島支社 山口地域鉄道部 山口施設管理室 管理係 | 藤本 明 |
2013年9月に発生した死亡労災を二度と発生させないために、当管理室では橋梁での作業で使用する器具の改善を行った。その結果、橋梁上での作業の安全性の大幅な向上と作業効率の向上を図ることができた。
14時20分~14時30分 休憩
- 14時30分
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(29)「ダメよ~ダメダメ!労働災害!」4S運動推進大作戦
東京急行電鉄(株)鉄道事業本部 運輸営業部 日吉駅 駅務係 | 石井 麻亜理 |
日吉駅は「もっと安全!もっと安心!」をスローガンに働きがいある職場づくりを目指し、4S運動推進大作戦を始めた。取組みの一環として、輪番制の「食事づくり安全の日」会議を企画した。一人ひとりの当事者意識高揚とコミュニケーションが活発となり、ゼロ災害を継続中である。
- 14時50分
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(30)キャリパ新検修場の最適な作業環境の構築
東海旅客鉄道(株)新幹線鉄道事業本部 浜松工場 鉄工職場 車両係 | 三輪 泰朗 |
作業者の高齢化、検修場建替えに伴い「安全性」、「作業負担」、「作業性」の観点から最適な作業環境の構築を行った。作業負担についてはOWAS法を用い、作業姿勢の定量的な評価および改善を行った。そして負担の少ない作業姿勢を標準作業姿勢として統一し、周知・指導を行った。
- 15時10分
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(31)重機作業による労働災害防止の取組み
複数の重機が狭い敷地内において、作業員や他重機と接触することなく作業できるように、後方モニター・インカム(同時通話無線機)を駆使して解体工事を無事故で遂行することができた。今回行った検討内容および対策について紹介する。
- 15時30分
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(32)トラブル想定集ビジュアル化による疑似体験の取組み
東日本旅客鉄道(株)長野支社 長野電力技術センター 電気技術主任 | 林 功治 |
事故防止に最も効果を発揮するのは過去の経験であるが、若手社員はトラブルに遭遇する機会が少ない。事故事例を効果的に伝承しながら経験不足を補うため、トラブル想定のビジュアル集を作成し、疑似体験により技術的根拠と原因を理解することで、危険予知の感性を高める方策を立てた。
- 15時50分
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(33)夜間作業者の眠気に関する実態調査について
西日本旅客鉄道(株)安全研究所 ヒューマンファクター研究室 主査 | 千田 琢 |
夜勤中の眠気によるエラーや勤務明けの交通事故防止を目的として、日常的に夜勤に従事している工務系社員を対象に、ヒューマンファクターの観点から眠気と睡眠に関する実態調査を行った。その結果、眠気の発生状況や仮眠・休養の取り方について一定の知見が得られたので報告する。
16時10分