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中災防について

新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 会長 十倉 雅和

会長 十倉 雅和 Masakazu Tokura

会長
十倉 雅和
Masakazu Tokura

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

皆様におかれましては、中央労働災害防止協会(中災防)の事業に対し、平素より多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

長きにわたったコロナ禍を乗り越え、日本経済は明るい兆しを見せる一方、国際的には東欧や中東情勢の混乱、資源価格の高騰を背景にした物価上昇など、社会情勢は不安定な要素を抱えています。その中でも企業活動を通して持続可能な成長に向けて日々努力を重ねておられる皆様方に、心から敬意を表します。

少子高齢化・人口減少社会が到来し、産業構造・就業構造の変化、働き方の多様化、デジタル技術の進展など、働く人の環境は大きな変化の波を迎えています。今年も引き続き、人手不足の問題が、経済はじめさまざまな面で影響を及ぼすものと想定されます。そうした中、働く人の安全と健康に対する問題が生じるようなことがあってはならないと考えます。

社会が複雑化・多様化する中でも、企業をはじめ全ての関係者は労働災害の防止に全力を尽くし、働く人の心と身体の健康づくりに取り組まなければなりません。中災防は、そうした取り組みを支えるべく、長年培ってきた労働安全衛生に関するノウハウと技術力を生かし、労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進、ゼロ災害全員参加運動(ゼロ災運動)、安全衛生診断、作業環境測定などの事業を推進してまいります。

中でも第三次産業における労働災害への対応や労働者の高齢化への対応は大きな課題の一つです。昨年50周年を迎えたゼロ災運動について、多くの人が考える「災害をなくす」というマイナスからゼロへの視点だけではなく新たに「健康づくり・働きがい」というプラスの視点を取り入れ、第三次産業への普及のためのゼロ災運動の新手法の開発や、研修カリキュラムの拡充など、一層の啓発に努めます。

また、本年4月から改正法令が施行され、全ての事業場で化学物質の自律的管理に関する取り組みが求められます。この改正により、リスクアセスメント対象物質の大幅な拡大や化学物質管理者の選任等の実施体制の確立が義務付けられるため、中災防としても、皆様のニーズを踏まえつつ、改正法令に対応した対象物質の分析業務、専門的講習の開催などのサービスを提供してまいります。

本年8月、中災防は設立60周年を迎えます。私たちは労働災害防止団体として、労働災害の防止と事業場の皆様の自主的な安全衛生活動を支援するため、その時代に直面する安全衛生の課題に対応しながら、各事業に全力で取り組んでまいりました。これまで安全衛生の水準の向上に取り組んでこられた関係者のご尽力により、労働災害は長期的には減少傾向にありますが、未だに多くの尊い命が失われています。労働災害ゼロの社会の実現を目指す取り組みはまだまだ道半ばです。

私たちは、政府、安全衛生関係機関、業界団体等と連携しながら、わが国の安全衛生水準の向上を目指して、活動をより一層強化し努力を重ねていく所存です。本年も中災防の活動に対し、変わらぬご支援とご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 理事長 竹越 徹

理事長 竹越 徹 Tooru Takegoshi

理事長
竹越 徹
Tooru Takegoshi

明けましておめでとうございます。

皆様方には、日頃より中央労働災害防止協会(中災防)の各種事業につきまして、ひとかたならぬご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、国内外では人の移動や対面によるコミュニケーションの機会が増えるなど、社会経済活動の回復を強く感じる1年となりました。

令和5年のわが国の労働災害の発生状況(10月速報値)を見ると、死亡者数は全産業において前年同期比で1.7%減少した半面、休業4日以上の死傷者数は2.6%増加しています。また、死傷者数を業種別でみると製造業は1.9%増加しています。近年、死傷者数の増加傾向が続いていることは特に憂慮すべき状況です。企業をはじめ全ての関係者は、働く人の安全と健康の確保のための取り組みに全力を尽くさなければなりません。

また、昨年策定された第14次労働災害防止計画では「安全衛生対策に取り組むことが事業者にとって経営や人材確保の観点からもプラスになる」として、事業者による自発的・主体的な取り組みを求めています。

そのような中で、中災防では、50周年を迎えたゼロ災害全員参加運動(ゼロ災運動)について、多くの人が考える「災害をなくす」というマイナスからゼロへの視点だけではなく新たに「健康づくり・働きがい」というプラスの視点を取り入れ、第三次産業への普及のためのゼロ災運動の新手法の開発や研修カリキュラムの拡充に取り組むこととしました。シン・ゼロ災運動を通じて一層の啓発を進め、労働災害ゼロの実現に貢献していきたいと考えております。

また、本年4月から始まる、事業場における化学物質の自律的管理のためのリスクアセスメント対象物質の拡大および化学物質管理責任者等新たな管理体制の義務化への対応については、昨年、一部の方々に当協会のサービスをご提供することができず、大変、反省しているところです。今年は、皆様のご要望を捕捉し100%お応えすることを旨として、対象物質の分析業務、専門的講習の開催等、サポートを継続してまいります。

さらに、本年11月13日~15日には、広島市において「変わる時代に 変わらぬ誓い 安全・健康・平和な未来」をテーマとした「第83回全国産業安全衛生大会」と「緑十字展2024-働く人の安心づくりフェア-in広島」を開催いたします。昨年の名古屋大会には多くの方のご参加をいただき、コロナ禍前のような熱気あふれる大会となりました。今年も多くの皆様のご参加をお待ちしております。

私ども中災防は、このような動きをタイムリーにとらえながら、労働安全衛生に関する専門家集団として「研修・セミナー」「技術サービス」「図書/用品/情報の発信」を通じて、企業・事業場のみならず、本年より教育機関や海外の日系企業をも力強くバックアップしてまいります。

最後になりましたが、皆様方のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。