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中災防について

新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 会長 十倉 雅和

会長 十倉 雅和 Masakazu Tokura

会長
十倉 雅和
Masakazu Tokura

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

皆様におかれましては、中央労働災害防止協会(中災防)の事業に対し、平素より多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の影響がいまだに残り、また、不安定な国際情勢に端を発する物価上昇、急速な円安傾向などによって、日本社会全体が多大な影響を受ける中、さまざまな難題に向き合い、再生・発展の道を模索しつつ、新たな時代を進むべく努力を重ねておられる皆様方に、心から敬意を表します。

コロナ禍の中、テレワークの普及やオンラインコミュニケーションの浸透などにより、働く人を取り巻く環境も大きく変わりました。しかし、働く人の安全と健康を守る安全衛生活動は、こうした「変化のとき」こそ、重要なものといえます。中災防は、テレワーク等を踏まえた新たな働き方に対する取り組みとして、オンライン研修に力を注いでまいりましたが、昨年10月より安全衛生に関する動画配信サービスを始めました。今後も変化に対応した取り組みを充実させてまいります。

また、高齢者・障害者・女性など、多様な働き手の個性を認め合い、全ての人が安全に、そして心身ともに健康に働くことができる職場づくりを実現するためには、経営トップの強いリーダーシップの下、風通しの良い職場風土の形成、従業員の意識改革、安全衛生活動の取り組みの充実などが、なお一層求められます。中災防はそうしたニーズにも応えるべく、長年培ってきた労働安全衛生に関するノウハウ・経験と技術力を生かして、さまざまな産業現場の安全確保と健康維持・増進につながる施策を進めてまいります。

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の国際規格「ISO 45001(JIS Q 45001)」と、それを踏まえた国内規格「JIS Q 45100」の一層の普及に努め、企業の自主的な安全衛生の取り組みにも寄与してまいりたいと存じます。

さらに4月以降は、改正法令の施行に伴い化学物質の自律的な管理の実施体制を確立させるための動きが進行していきます。具体的には、リスクアセスメント対象物を製造または取り扱う事業場では「化学物質管理者の選任」が必要となるほか、リスクアセスメント結果に基づき保護具を使用させる場合は「保護具着用管理責任者の選任」が必要となります。当協会では、最新の情報を提供するとともに、人材育成等の必要な支援を積極的に展開してまいります。

本年は、当協会が昭和48(1973)年にゼロ災害全員参加運動(ゼロ災運動)を提唱してから、50年目の節目を迎えます。そして、5カ年にわたる国の労働災害防止計画である第14次労働災害防止計画(第14次防)の公表が予定されています。中災防といたしましても、労働災害防止のための取り組み・支援の在り方を再点検し、わが国の安全衛生水準の向上に向けて、政府、安全衛生関係機関、業界団体等との連携・協力を深め、活動をより一層強化し、努力を重ねていく所存です。本年も中災防の活動に対し、変わらぬご支援とご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 理事長 竹越 徹

理事長 竹越 徹 Tooru Takegoshi

理事長
竹越 徹
Tooru Takegoshi

明けましておめでとうございます。

皆様方には、日頃より中央労働災害防止協会(中災防)の各種事業につきまして、ひとかたならぬご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が猛威を奮い、膨大な感染者数を記録しました。いまだ収束には至らず第8波も 喧伝 けんでん されている状況ですが、前年との対比では、社会全般においては感染対策をした上で、徐々に経済活動が回り始めたように思っています。

働く人の労働災害防止・健康の保持増進のための活動に対する支援を目的に、安全衛生の専門家集団として設立された中災防では、コロナ禍における働き方の変化、災害防止対策や健康管理施策の在り方の変化を踏まえ、一昨年来、オンラインによるサービス提供の体制を整えてまいりました。その内容は、安全衛生の専門家による技術サービスのオンライン提供のほか、各分野に関わる各種オンラインセミナーの開催、書籍・ポスター等のデジタルコンテンツ化など、多岐にわたります。昨年10月からは新しくサブスクにより、安全衛生の「動画配信サービス」も開始したところです。

さて、令和4年のわが国の労働災害の発生状況(10月速報値)を見ると、令和3年に比べ死亡者数は全産業で前年比約4%減少した半面、業種別では製造業が前年比3%増となっています。また、休業4日以上の死傷者数は全体で前年比約57%増加しており、憂慮すべき状況にあります。

「全ての働く人々に安全・健康を~Safe Work,Safe Life~」を経営理念の目標に掲げる中災防としては、事業場における安全対策・健康づくりのさらなる強化を図るため、「リスクアセスメント・労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)とISO45001の普及」、「ゼロ災運動などの各種研修・セミナーの開催」「心とからだの健康づくり」「作業環境測定」「化学物質等の分析・ばく露評価」「第三次産業・中小規模事業場への支援」「安全衛生図書・用品の出版・販売とそのデジタルコンテンツ化」「海外進出企業向けの研修・情報提供」等を引き続き推進していきます。

特に、法令改正により自律的な管理が求められることとなる事業場における化学物質管理については、適切にご支援できるよう準備を進めております。また、中災防が提唱しています「ゼロ災害全員参加運動(ゼロ災運動)」が50周年を迎える年でもあり、一層の啓発を行ってまいります。

本年9月27日~29日には、「名古屋の地で掲げよう安全・健康の旗印」を大会テーマに、名古屋市において「第82回全国産業安全衛生大会」を、併せて「緑十字展2023-働く人の安心づくりフェア-in名古屋」を開催いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

私ども中災防は、さまざまな課題に的確に対応しつつ、皆様のご要望にお応えできるよう、今後も各種事業を積極的に展開し、国、安全衛生関係機関、業界団体等と一層緊密な連携、協働の下、わが国の安全衛生水準の向上に尽力し、社会的使命を果たす所存です。

最後になりましたが、皆様方のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。