新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 会長 十倉 雅和
- 会長
- 十倉 雅和
- Masakazu Tokura
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆様におかれましては、中央労働災害防止協会(中災防)の事業に対し、平素より多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、新年早々から能登半島地震、羽田空港での航空機事故と大きな出来事が続き、安全衛生に携わる関係者にとりまして緊張感のある幕開けとなりました。その後も相次いだ自然災害によって被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
さて、わが国の経済は物価情勢の変動に加え、少子高齢化・人口減少社会の到来や産業構造・就業構造の変化、働き方の多様化など、長期的な社会環境の変化の波を受けています。とりわけ「人手不足」の問題は深刻で、働き手の安全や健康に対する問題が生じていないか、中災防としても引き続き懸念をしているところです。「働き手の安全と健康の確保」は、全ての職場で基本となる最優先課題です。安全と健康を第一に考える経営は、いつの時代も揺るぎなく、変わらないものでなければなりません。中災防は、そうした皆様の取り組みを支えるべく、長年培ってきた労働安全衛生に関するノウハウと技術力を生かし、ゼロ災害全員参加運動、全国産業安全衛生大会(2025年大阪)の開催、安全衛生診断、作業環境測定、労働安全衛生マネジメントシステムの普及促進などの事業を推進してまいります。
働き方の多様化が進む中、昨年11月には、『フリーランス・事業者間取引適正化等法』が施行され、フリーランスの方が安心して働ける環境整備のため、発注事業者に「取引の適正化」や「就業環境の整備」に関する措置義務が設けられました。中災防も、災害防止の観点から教育用教材の制作などに積極的に努めてまいります。
また、メンタルヘルス不調者の増加に歯止めをかけるべく、厚生労働省の労働政策審議会(安全衛生分科会)では、50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施義務化に向けた議論が大詰めを迎えております。法改正の時期は明らかになっておりませんが、働く人のプライバシーを守りながら、小規模事業場でも職場環境改善に取り組んでいただけるよう中災防としてストレスチェックの導入をサポートしてまいります。
本年12月にはタイの関係機関の協力のもと、首都バンコクで2日間の第1回安全大会「Thailand-Japan Work Safety Days」を開催いたします。同大会では、日系企業で働くタイ人の安全衛生担当者や日本人の工場長等の管理者にお集まりいただき、日・タイの有識者による基調講演やパネルディスカッション、企業からの事例発表、参加者によるグループワーク等を通じた安全衛生に関する経験の共有、交流、研鑽の場を中災防が提供いたします。同大会で得られた情報やノウハウが参加者を通じてタイ国内、東南アジアへ広がり、各国の皆様のお役に立てることを願っております。
私たちは、特別民間法人としての使命を再確認し、政府、安全衛生関係機関、業界団体等と連携しながら、わが国の安全衛生水準の向上を図り、労働災害防止活動をより一層強化し、邁進してまいる所存です。本年も中災防の活動に対し、変わらぬご支援とご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。
新年のご挨拶 中央労働災害防止協会 理事長 竹越 徹
- 理事長
- 竹越 徹
- Tooru Takegoshi
明けましておめでとうございます。
皆様には、健やかに新春をお迎えになられたことをお慶び申し上げます。
また、日頃より中央労働災害防止協会(中災防)の各種事業につきまして、ひとかたならぬご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、令和6年の労働災害による死亡者数は0.4%増加に転じ、休業4日以上の死傷者数に至っては0.8%の増加(10月速報値)と、統計を取り始めた1974年以来、初めて4年連続で増加しており、憂慮すべき状況が続いております。これはわが国の就業構造の変化によるところが大きく、中災防ではそれに対応すべく、労働災害防止の新たな取り組みを進めているところです。
そのような中、国の新たな動きとして化学物質に起因する労働災害の防止に向け、2月には第1回「化学物質管理強調月間」を実施します。化学物質を製造、取り扱う事業場は、業種や規模を問わず労働者に必要な教育の受講を徹底するとともに、化学物質に起因する労働災害の防止に、より一層積極的に取り組むことが求められます。そこで中災防は、個人ばく露測定や現場指導サービスの提供、簡易リスクアセスメントツールの紹介、研修の実施等を通じて皆様を支援するとともに、主唱者として、関連する図書の発行や運動を盛り上げるためのポスター用品の出版を行います。
また、メンタルヘルス不調者の増加に歯止めをかけるべく、厚生労働省の労働政策審議会 (安全衛生分科会)での協議を経て、ストレスチェックの50人未満の実施義務化の方針が打ち出されたところです。法改正の時期は明らかになっておりませんが、働く人のプライバシーを守りながら、小規模事業場でも職場環境改善に取り組んでいく必要があります。中災防では長年の実績を活かしストレスチェック導入をサポートしてまいります。
さて本年は、2025年国際博覧会「大阪・関西万博」の期間中の9月10日~12日に、大阪において「共に築こう 安全・健康 一人ひとりが輝く未来」をテーマとし「第84回全国産業安全衛生大会」と「緑十字展2025 ─ 働く人の安心づくりフェア」を開催します。会場は万博会場に近接する咲州エリアを中心に設営します。安全衛生に関わるあらゆる方々が活気あふれる街で一堂に会し、有意義な交流を図る機会となることを期待しています。皆様のご参加をお待ちしております。
また12月18日、19日にはタイの首都バンコクにおいて安全大会(「Thailand-Japan WorkSafety Days」)を開催します。企業のグローバル化やサプライチェーンの拡大に伴い、国内だけではなく海外拠点の安全衛生活動にも力を入れることが求められ、その一助として、日系企業の安全衛生活動の情報交換や企業間のネットワーク構築等を目的に開催するものです。そこでは、同国に進出している日系企業に向け、タイ語版の安全衛生小冊子やポスター等も販売する予定です。
さらに月刊誌『安全衛生のひろば』と『安全と健康』の2誌については、電子媒体へのニーズの高まりを受け、紙版に加えデジタル版の販売を開始します。購読者の皆様が、よりタイムリーに安全衛生の情報をキャッチできるようになります。
あわせて年内に、ホームページの大幅リニューアルを予定しております。中災防の提供するすべてのサービスを分かりやすく、見える化することで、より皆様の安全衛生活動のお役に立てるよう努めてまいります。
最後になりましたが、皆様方のご安全とご健康を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。