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アルゼンチンの労働安全衛生事情について
(資料出所:国際安全衛生センター海外調査)
1.労働安全衛生法について
- 1979年に制定され、特に建設と農業について細かく規制されている。現在は商業、港湾に対する規制についても調整している。
2.監督
- 民間保険会社であるアセグラドーレス(ART)が、各企業を訪問し、監督業務と事故調査を併せて行っている。
- 危機的な企業のリストアップを行い、重点的に監督している。危機的な企業とは、50人以上の労働者を雇用し、災害発生率が標準よりも10%以上高い事業場を指す。現在、3412事業場が指定されているが、全体の1%には満たない。
3.統計
- 集約的な情報収集の開始が1995年以降であり、1996以前は国際的に比較てきるデータ−はない。1995年以降、労災発生率の指標として国際基準を参考にしている。
- SRTはARTと各州の労働省から情報を収集している。ARTは被保険者の団体で、負傷時の費用負担や災害統計取りまとめを行う。
- 度数率は日本と同じ定義である。強度率は千人率(損失日数÷申請されている全労働者数×1000)で示している。
- 通勤災害は事故全体の10%を占め、死亡災害の30%を占める深刻な問題となっている。
- 労働人口480万人(日本の1/12)のうち業務上の死亡は約650人(日本の1/3)である。
4.労災保険
- 現在42万企業、500万人の労働者が労災保険に加入しており、保険料総額は6億5000万USドルである。
- 毎年45万人が労働災害に遭い、そのうち1万5000人に後遺症が残っている。
5.安全衛生スタッフ
- 安全衛生管理者(1名)の選任義務があり、労働者が500人以上の場合には2人の安全衛生スタッフを選任しなくてはならない。
- 安全衛生管理者になるための試験・実務経験等はなく、大学の専門コース修了者をエンジニアとして選任(雇入)している。
- 労働者が500人以上の場合でも、安全衛生管理者(エンジニア)は1名でよく、安全衛生管理者を含む安全衛生スタッフが2人いればよい。
6.OSHMS
- ILAM(イーラム、規格協会のようなところ)で労働安全衛生の規格を公表しているが、全国的な展開とはなっていない。
7.その他
- 国全体で労働災害予防対策のひとつとして、労働災害予防、統合システムの開発に力をいれていて、情報の集約化とそのシステム作りのために、労働者の税徴収番号(cuitクウィット)に災害の内容・種類情報を入れ、データ化していくことを検討している。
- 資格制度については、日本の作業主任者にあたるような資格・試験制度はない。
- 健康診断は、事業者は労働者に1年に1度健康診断を受診させなくてはならない。
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