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カナダ労働法・労働安全衛生規則の概要−事業者の責務

資料出所:「An Overview to the Canada Labour Code」
(訳 国際安全衛生センター)

事業者は、カナダ労働安全衛生規則の基準に従って、就業中の労働者の安全と衛生を確保しなければならない。事業者は、以下の諸点について、規則で定められた基準を満たさなければならない。

  • 建物、構造物(永久または一時的)、手すり、ガードレール、バリケードなど

  • 危険防止のための装置、機械、道具、車両、移動機器

  • ボイラー、圧力容器、エスカレーター、昇降機、発電装置、配電設備

  • 換気、照明、騒音の各水準

  • 職場の出入り、使用

事業者は、当規則に従い、以下を提供する。

  • 救急用具、衛生および個人用設備、保健サービス

  • 安全な飲料水

  • 職場に出入りする全員のための安全資材、器具、装置、衣服

  • 職場の労働者の安全衛生を確保するための情報、訓練、監督。労働法では、各労働者に対し、就業の場における既知の、または予測可能なすべての危険要因を知らせることが義務づけられている。

また、事業者は以下の義務を負う。

  • 安全衛生委員会または安全衛生代表者に、既存の、または潜在的な危険要因の把握に必要と思われる情報を提供する。

  • 見やすい場所に、カナダ労働法第 II 部のコピー、労働安全衛生についての事業者の方針、また他に安全担当官が指示する資料があれば掲示する。

  • 定められた方法により、安全衛生記録を保管する。

  • 安全衛生委員会または安全衛生代表者に、安全担当官からの文書指示または報告書のコピーを提出するとともに、全労働者に知らせるために掲示する。

  • 爆発物の脅威、暴力の脅威、騒音の危険性、放射能の危険性、空気汚染など、職場の既知の、または予測可能な、あらゆる安全または衛生上の危険要因を、全労働者に周知徹底する。

  • 防火および緊急対策に関連して策定された規準を順守する。

  • 既知のすべての災害、職業性疾病、その他の危険事態を、調査、記録、報告する。

  • すべての労働者または訪問者に、使用または訪問する職場で必要な保護衣または保護具の使用法を周知徹底する。

  • 労働者の安全衛生に関して、安全担当官から事業者に与えられるすべての口頭または文書指示を順守する。

さらに、事業者は定められた規準を順守して以下の事柄を確保する。

  • 危険物質の集積を抑制する。
  • すべての危険物質を安全に貯蔵、処理する。
  • 管理製品(※)以外のすべての危険物質を把握する。

また危険物質情報検査法(Hazardous Materials Information Review Act)に従って、事業者は以下の事柄を確保する。

  • 職場の管理製品、または管理製品を内蔵する職場の容器の一つ一つに、定められた情報を表示するラベルを貼付し、基準対象の危険物の記号を表示する。

  • 全労働者が、職場の管理製品に関する化学物質等安全データシート(MSDS)を入手できるようにする。

職場のあらゆる管理製品に関して、事業者は、緊急事態での労働者の診断、または治療のため、医者または医療専門家が求める場合はMSDSの情報(化学的性質など)を提供しなければならない。医療専門家に提供された管理製品に関する秘密情報は機密扱いにしなければならない。(CLC:124、125、125.1、COSHR)


 「管理製品」は、危険製品法(Controlled Product)に基づいて公布された管理製品規則に定義されている。管理製品は、以下の6分類のうちの一基準に適合する製品である。圧縮ガス、引火性および可燃性物質、酸化物質、毒性および感染性物質、腐食性物質、危険反応性物質。