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ロベール・ソウベ労働安全衛生研究所
資料出所:Institut de recherche Robert-Sauve en sante et en securite du
travailのWebsite
原文はこちら
ロベール・ソウベ労働安全衛生研究所(IRSST)は1980年に設立され、研究を通じて労働災害や職業性疾病の防止、さらに傷害を受けた者のリハビリテーションに寄与している。その任務はこれらの目標を達成するために必要な科学的知識を開発し、普及に努めることにある。
IRSSTの性格
- IRSSTは民間の非営利機関である。
- 理事会は労働組合と経営者の代表が同数で構成する共同の機関となっている。
- 労働安全衛生委員会(CSST)は事業者から集めた寄付金をもとに、IRSSTの資金の大半を提供している。
関連する分野
労働安全衛生に関する活動
IRSSTは、正確な科学的方法に従って開発、検証された情報、専門技術、装置・機器などの提供を通じて、労働安全衛生の関係者の活動をサポートしている。この情報の信頼性と的確さが、関係者の情報、訓練、検査、助言、技術的支援などの活動の確実な基礎となっている。IRSSTの支援によって、関係者は日常の労働安全衛生活動を展開していく上で、次のようなメリットを得ることができる。
- 研究目的に影響を及ぼし、プロジェクトに積極的に参加することができる。
- 自らのニーズに適合する科学的知識およびその応用方法を知ることができる。
- 情報の仲介者として、研究の成果を最大限利用できる。
- 産業衛生への取り組みとして、技術的および実験的サービスを受けながら、職場における産業衛生上の監視活動を実施することができる。
- IRSSTの科学的、技術的活動をCSSTの事業およびネットワークに結びつけることの恩恵を受ける。
研究活動
IRSSTは所内の研究者に興味のある分野間協力テーマに加わり、企業とも協力して行動中心の研究を通じ、専門性を伸ばす機会を提供している。
IRSSTの支援を得て、研究者は次のようなメリットが得られる。
- 市場ニーズの分析から設定された優先順位に従って、研究プロジェクトの方向付けと、具体的進め方が分かる。
- IRSSTの研究者と、大学を中心とする外部研究者の分野を越えたチームを結成する。
- 多くの研究プロジェクトに関係する労働企業等、パートナー機関、団体などとIRSSTの結びつきを深める。
- 研究成果がそれを必要とするユーザーに確実に提供される。
- 新しい労働安全衛生研究者を育成する補助金が得られる。
- 世界のすぐれた労働安全衛生センターと知識、専門技術を交流する機会が得られる。
- 国際的な科学界で知名度を高める。
パートナー機関
IRSSTはカナダ・ケベック州における公共部門の安全衛生ネットワークと研究者機関との連携を深めている。
労働安全衛生ネットワークにおけるIRSSTのパートナー機関
- 労働安全衛生委員会(CSST):予防活動を確立し、労働者の医療および迅速な職場復帰を促進する措置を策定する。
- 部門別団体:訓練、研究、技術的支援活動を実施する。
- 地域安全衛生協会、地域サービスセンター:企業別の衛生プログラムの実施を監督し、評価する。
- 労働組合と経営者団体:労働安全衛生のために努力する。
研究分野におけるIRSSTのパートナー機関
- IRSSTの外部研究ネットワーク:大学、研究センター、民間部門の広範囲な分野にわたる100人以上の研究者、専門家から構成される。
- 関係する活動に積極的な大学、公共部門、民間の研究センター。
- IRSSTが契約している資金提供機関。
- 世界各地の主要な労働安全衛生研究センター。
- 特に標準化活動に積極的な各国および国際的な委員会。
外部の科学者、専門家、研究成果の適応、移転を行う仲介機関などとの提携を通じて、IRSSTチームは科学的厳正さを向上させ、企業等のニーズに対応し、その活動から最大の利益を上げている。
重点的な研究分野
IRSSTは科学、技術の活動の多くを、労働安全衛生ネットワークとの協議、および受理した研究要請に照らして、重点的分野と決定されている6つの研究分野に集中している。その目的は顕著な効果を挙げるために、各分野において必要にしてかつ充分な知識を得ることにある。6つの分野は次の通りである。
- 事故
- 騒音と振動
- 保護装置
- 産業用ツール、機械、工程の安全性
- 化学品、生物学的要因
- 筋骨格系障害
テーマ設定の原則
IRSSTは、CSST、それ自身のネットワーク、企業等のニーズに合い、しかも自らの利用にも適した研究の実施と資金調達を目標に設定している。
- プロジェクトは適合性、優先性、科学的価値という3つの基準に合致したものを承認する。IRSSTの科学諮問委員会は、十分な調査を通じて研究者間審査で評価された科学的価値に基づいて、プロジェクト提案を審査しなければならない。委員会は研究所長に助言する責任があり、労使代表、科学技術界代表などで構成されている。
- 事業場で展開するプロジェクトは関係する企業の事業者および労働者の同意と参加を得て実施される。
科学の進歩に貢献するもの
- 国際的に承認された基準を守りつつ、科学的、技術的活動に貢献するもの。
- 研究の革新的な性質、および知識の進歩および知識の移転に対する貢献のあるもの。
IRSSTは研究チームが複数の分野で構成されること、大学や他の研究センターと科学的資源を補完し合うことを推奨している。
労働安全衛生上の要求に応えるもの
- 予防またはリハビリ的なプロセスによる、具体的な問題への対応があること。
- 研究ニーズの特定およびその実施に対する科学技術的な貢献のため、労働安全衛生ネットワークのパートナー機関と提携すること。
- 研究の促進と結果の普及に得意な仲介的組織を参加させること
IRRSTは必要と判断される場合、その研究の成果を企業等の現場に引き継ぐ立場にある人達で、その研究に助言する委員会を作ることもある。
労働安全衛生に関する研究は変化に富んでおり、学問的に寄与するパートナー機関も必要だし、対等参加の環境に自分を適合させる能力のある研究者が求められる。
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