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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > 中国 「機会と課題:中国における労働安全衛生」

法律、監督、管理

中国政府も労働安全衛生に深い関心を寄せ、この急を要する事態の対策を取り始めた。「安全第一、予防重視」の政策に基づいて、法律、規則、基準の制度が設けられ、実施に移された。多くの監督、管理上の措置が実施され、投資も進められた結果、労働条件の改善と労働者の健康保護が実現されつつある。1992年以降、労働法、鉱業安全法、その他の法規が整備され、実施されている。これらの法律や規則は安全で衛生的な労働条件を確保するための手段を提供している。それらの法規は中国の労働安全衛生法律制度を改善し、監督事業を強化した。政府や労働安全衛生専門家、労働組合、企業の管理スタッフの協力によって、労働災害の増加傾向は1996年ごろから基本的にはどめがかかってきた。

国家経済貿易委員会安全生産局は最近、労働安全法の立法準備を始めた。同時に保健部は労働衛生法または職業病予防法の立法を準備している。これらの2つの法律は一本化すべきだと言う専門家もいる。いずれにせよ、これらの法律は中国における労働安全衛生に法的基礎を与えることが間違いない。

中国政府は1998年春から業務の効率化を図るための政府機構改革に着手した。この改革の中で、中国の労働安全衛生を担当する4つの行政機関の責任と義務が以下のように調整された。

  • 国家経済貿易委員会(SETC):生産における安全の総合的管理に責任を負い、全国的に国家による労働安全監督を実施する。
  • 保健部:職業病の予防と監督に責任を負う。
  • 労働社会保障部:女性と年少労働者の保護、労働災害による傷害の安全に責任を負う。
  • 国家品質技術監督局(SBQTS):特殊機器の安全監督および試験に責任を負う。

中央省庁制度の改革は完了し、これに対応する省および市段階の改革が1999年6月から開始された。

生産における労働の保護および安全の科学技術的研究を強化するため、国務院は従来の労働省国立労働安全衛生研究所を基礎にして、国家経済貿易委員会(SETC)中国国家安全科学技術研究センターの設立を承認した。このセンターは国家経済貿易委員会(SETC)の技術的サポート部門として、生産における安全の科学技術的研究と技術的改善に責任を負う。同センターは保健部労働医学研究所、国家品質技術監督局(SBQTS)のボイラー容器検査研究センター、その他の研究所と協力し、労働安全衛生の技術的サービス・システムとして機能し、重要な役割を果たすことになるだろう。