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巻頭記事: 安全衛生のための新たな優先事項

1995年に欧州委員会は職場の安全衛生に関する第4枠組みプログラムを採択した。その時に私は、将来このプログラムの実施状況についての中間報告をするべきであると提案したのだが、今その時が来た。まもなく正式に報告を行うことになろう。 プログラムの中で述べられていた目標の達成度は全体として満足のいくものである。その中でも特に注べき成功の一つは、作業設備、発ガン性物質や化学物質についての指令といった法律に関する重要な提案が承認されたことである。ビルバオの欧州安全衛生機構が成功裏に発足したことも重要な成果のひとつである。しかしながら、同時に失敗もあった。特に、提案されたSAFEプログラム(Safety Actions for Europe)が欧州委員会内で阻害され続けたことは残念である。 しかしながら、見直しの提案は、なにも過去何年かの間に起こったことだけに限られるわけではなく、今後新しい優先事項を設定する際にも用いられる。私が考えている優先事項は次の4つである。
  1. 職場の安全衛生政策は、アムステルダム条約に記載されている、雇用に対する新しい規定から生じる環境変化に適応したものでなければならない。将来、安全衛生分野はさらに注目されるだろう。我々はビジネスにとっても雇用にとってもためになるような職場づくりをする必要がある。
  2. 安全衛生政策はまた、中央ヨーロッパ及び東ヨーロッパの加盟に伴うEU拡大を考慮しなければならない。
  3. 安全衛生政策が確実に中小企業により理解されるようにするために活動しなければならない。そのためには、既にある政策と新しい政策についての情報をユーザーフレンドリーに、また中小企業に受け入れられ易くする必要がある。
  4. 最後に我々の安全衛生政策が、新しい形の企業組織、新たに確認された危険、変化した今日の職場といった課題ににいかに対応するかについてもっと考える必要がある。

ビルバオの欧州安全機構が、こうした新しい優先事項を処理するために必要な実践的対策において重要な役割を果たすことを期待している。

雇用・社会問題担当欧州委員 Padraig Flynn