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法律、政策、プログラム

■オランダで建設部門における石英ばく法定限界値を設定

1998年1月1日、建設部門において、これまで法定ではなかった石英暴露の法定外の限界値,0.15 mg/m3が法定のものと なった。建設部門以外の産業部門での法定の限度値は 0.075 mg/m3である。平削り、切断、サンドペーパーがけ、グラインダーがけ、穴あけ、取り壊し作業などといった建設部門における石材作業プロセスで は、石英を含む大量のほこりを放つ。この石英を大量に吸い込むことで気管支炎といった軽症のものからケイ肺や肺がんにいたる 重症なものにいたるまで様々な健康上の問題が起こっている。建設業界では労使共同で、遅くとも2000年1月までに建設業において石英暴露限界値に対する特別措置を排除するための取り組みを 行っている。管理方法の技術現状は政策の中で提示されるが、それにより事業者、労働者、労働監督局などにとっても現状が明らかになるだろう。 できるだけ石英にさらされないように新しい設備や施設の使用を奨励するために税制優遇措置を与えること及び、労働安全衛生を 発展させることを目指して、そうした設備や施設は労働安全衛生リストに含まれることになる (“New write-off investments in the Netherlands in ‘OSH applications’”項の記事参照)。
資料:
Ministry of Social Affairs and Employment,
PO Box 90801, 2509 LV The Hague, The Netherlands.
詳しくは:
Information Telephone Line of the Dutch Ministry of Social Affairs and Employment:
+ 31 70 333 4444


■高齢化のすすむフィンランドの労働力

フィンランドの労働力の構造はあと何年かのうちにかなり変化するであろう。2000年までに50才以上64才以下の労働者はおよそ 62,000人ほど増加する反面、25才以上49才以下の労働者数は46,000人減少する見通しである。 55才以上64才以下の労働者数はすでに百万人近くに上っており、その数は全労働者人口の1/3を占める。最近こうした労働者年齢の上昇への取り組みが行われている。 例えば、「高年齢労働者についての国家計画」 (National Programme on Ageing Workers) が3月に始められた。 この計画は、雇用、労働能力、高齢労働者の労働条件に関する新しいデータを公表することで高齢化に関する神話を 払いのけることや、高齢労働者が職を得て就業生活を続けていく援助することを目的とする。労働者の高齢化はまた、フィンランドの法律の中でも考慮されている。 今年の初めに修正された「労働者保護法」(the Labour Protection Act) では、労働安全対策についての決定を行う時には 高齢労働者を考慮に入れることを事業者に義務づける条項が新たに加えられた。 また事業者は、職場で災害防止政策を準備するさいに、その政策の中に労働者の労働能力を向上させるための活動を含めなければ ならない。
詳しくは:
Dr. Erkki Yrjanheikki
Tel: +358 3 26 08 479
Fax: +358 26 08 499
E-mail:erkki.yrjanheikki@stm.vn.fi


■ベルギーにおける災害防止への新しいアプローチ

新たに導入されたベルギーの法律は災害防止に関する問題を根本的に見直している。 つまりそこでは、予防を職場での安全衛生における必須項目と位置づけている。最近までベルギーの事業者には安全リーダー(従業員が20人以下の会社では事業者が安全リーダーを兼任してもよい) を 任命すること及び産業医を任命すること(あるいは会社間の医療サービスに参加すること)が義務づけられていた。 修正後の法律では、職場における災害防止と労働者保護のためのサービスを会社内に作ることを事業者に義務づけている。 新しい会社内サービスを作るための主な課題は、会社の安全衛生政策を立てる時に事業者、管理者、労働者を援助して政策を開発し、 計画し、実行し、そして評価することである。新しい法律はこの目的のためになさすべき具体的な課題を提示している。 会社内のサービスはまた、産業医の資格を持つ社員がいれば医療管理(衛生管理と健康診断)への責任を負うことができる。社内サービスは、多くの学問分野にわたるやり方でできるものでなければならず、そのためには、産業安全、産業医学、 人間工学、職場衛生、心理学的問題などの分野における専門意見がなければならない。 そうでない場合には、事業者は社外の労働安全サービスからそうした専門家を雇うことができる。社外労働安全衛生サービスは政府によって認定され、リスクマネジメントや医療管理の分野で会社のために業務を行うことができる。 サービスはリスクマネジメント部と医療管理部という二つの別々の部から構成されていなければならない。そのサービスは、 産業安全、産業医学、人間工学、職場衛生、心理学的問題の分野における適切な資格を持った職員を必要とする。
詳しくは:
Belgian Ministry of Labour.
Tel: +32 3 233 4111


■イギリスが労働安全衛生のための国家戦略を決定

安全衛生委員会(HSC)は安全衛生庁 (HSE) に、今後10−15年間の労働衛生のための国家戦略をつくる義務を与え、 「より健康なわが国家」“Our Healthier Nation”というGreen Paperの中で労働衛生を公共衛生の重要な部分と見なしている。HSEの最近の戦略は、健康上のリスク見直しの中で具体的に10の重要分野として表現されている。 それは、殺虫剤を含む有毒物質、電離放射線、騒音、手腕振動及び全身振動、非電離電磁放射線、生物学的因子、筋肉労働、 上肢障害、ストレスを引き起こす精神的な要因、Sick Building Syndromeである。HSEは、これらの重要分野は次の観点、 即ち特定の健康リスク分野、定期的に具体的な健康上の危険内での変化、疾病の観点からの職場環境の変化、新しく現れた健康上の 危険、から定期的に見直されなければならないと考えている。HSEは1998年5月にこうした活動をより公式的に協議する予定である。 一方、労働衛生へのビジョンを提案している作業文書は入手可能である。
詳しくは:
Dr. E Gibby, HSE
Tel: 0171 717 6257
E-mail:liz.gibby@hse.gov.ukまたは、
安全執行衛生部のWebsite:http://www.open.gov.uk/hse/wdstrat.htm


■1998年フランスの労働安全衛生に関する重要事項

1976年に成立した「労働上の危険防止に関する高等評議会」 (The Higher Council on Occupational Risk Prevention) は2月17日に 年次総会を開いた。雇用大臣が議長を務めた。雇用省の部局がまとめた職場の安全衛生に関する年次報告書(それは、依然として強力な労働安全衛生政策の必要性を述べているの だが)を見直した後、雇用大臣は、特に新しく発見された長期にわたる危険に対する監視システム及び労働監督局を通じて防止 対策を強化する意思を表明した。これを達成するための行動計画が発表され、との議論が行われた。1998年用に定められた4つの重要事項は、石綿、電離放射線、 個人保護具、建設部門における危険である。 労働安全衛生の改善のためには各レベル(業界、企業など)での使用者・労働者の貢献が必要であるという点で全体の意見が 一致した。
詳しくは:
Mac Boisnel
Ministere de Emploi et de la Solidarite, Direction des relations du travail, 20 bis rue d’ Estrees, 75007 Paris, France
Tel: +33 1 44 38 26 41


■スペインの政策とプログラム

我々すべては以下のことに同意する−労働災害防止はすべての人々の利益である」このスローガンのもと3月25日にマドリードで労働衛生上の危険防止に関するキャンペーンが the Association of Labour Accidents Mutual Companies (AMAT) によって行われた。 Matias Salva Benassar AMAT会長とJavier ArenasBocanegra 労働・社会問題大臣が議長を務めた。このキャンペーンは、最近労働・社会問題省が行ったキャンペーンのフォローアップ的なものであり、 主に中小企業を対象にしている。労働災害率は当局が直面している最も重要な問題の一つであると見なされている。 労働・社会問題大臣は、労働災害防止問題に対して十分な意識を示している企業とそうでない企業との差別化のために 労働災害税 (labour accidents tariff) を再度検討する必要があると強調した。
詳しくは:
AMAT.C/Maestro Vitoria 6,3º28013 Madrid
Tel: +34 91 5233420
Fax: +34 91 5234221


■若年労働者に関するギリシャの新しい法律

「職場で若年労働者を保護する対策」(Measures for the protection of young people at work)と題された新しい大統領令がギリシャで発効した。この法律文書は既存のギリシャ法律をCommunity Directive 94/33/EUに整合させるものである。若年労働者の職場での保護は以前は、法律(1837/89)、大臣決定(130627/90)、大統領令(7/90) などにおいて規定されていた。この新しい法律の施行は技術労働監督局が責任を負う。
詳しくは:
Trifon Ginalas
Tel: +301 3214436
E-mail:areca@compulink.gr


■ポツダムの州労働安全衛生研究所−ドイツ連邦労働安全衛生当局への協力団体

ポツダムにある州労働安全衛生研究所(the State Institute for Occupational Safety and Health-LIAA)はブランデンブルグ州の 労働・社会・健康・女性省の組織である。 科学者、医師、心理学者、エンジニア、人間工学者、社会科学者からなる学際グループは専門家らのコメントや評価を 労働安全衛生当局に与えることによって、すべてのレベルでのその活動を援助している。労働安全衛生行政分野での重点キャンペーンのための提案を展開させることがLIAAの仕事である。 それらの提案は、ブランデンブルグ州にある企業での業務によるストレスと健康状態の分析及びこれにより得られた既存の危険に 関する知見を基礎としている。 だからLIAAは労働安全衛生部との共同責任によってキャンペーンを準備、調整し、その結果を評価する。LIAAは中央の調整部門と共に、規則、トレーニング、データ処理、広報の分野において安全衛生行政のためにサービスを提供する 機関である。LIAAは州が行っている職場での安全衛生保護分野の援助プログラムを監督する責任を負う。 さらに、地域、国家、国際レベルでの労働安全衛生におけるパートナー間との連絡係も務める。  LIAAは、職場の安全衛生のための、または中央ヨーロッパと東ヨーロッパの国々の労働安全衛生行政のためのヨーロッパネット ワーク内で調整を行う連邦州団体として機能している。 これは例えば、PHARE とTACISという二つのEU援助プログラムのための手続きと申し込み審査などである。 また、1997年11月の初めからドイツの連邦州の労働安全衛生当局はインターネットホームページを開設している。
詳しくは:
労働安全衛生当局のwebsite:http://www.brandenburg.de/liaa/lasi/

  ■スペインの新しい法律

1998年3月12日、爆発物の製造、輸送、保管、取引、所持に関する必要条件を規定した規則が通過した (Royal Decree 230/1998, 2月16日、3月12日発行)。それらの規則は、輸送の各形態 (道路、鉄道、空輸、海運、河運、貯蔵器にいれての輸送)についての具体的なルールを規定している。こうした規則の中で言及されている爆発性の物質や物は、国連の「危険物の輸送に関する勧告」のIクラスにおいてそのように 見なされているものである。「職場の安全と衛生に関する国家研究所」(The National Institute of Safety and Hygiene at Work) によって製作された 情報集が1997年10月31日現在に更新されて再出版されたが、それには労働安全衛生に関する指令(すでに施行されているもの、 計画中のもの、即ちEC条約第118A条)、製品安全に関する指令EC条約第100A条)をカバーしている。これらは「労働上の危険防止法令」(Prevention of Labour Risks Act) を実施するために具体的な問題について施行され、 EC指令にとって代っている国王令を既に含んでいる。
詳しくは:
I.N.S.H.T.
Tel: 34 91 403 7000
Fax: 34 91 403 0050
E-mail:info@insht.es