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報告と統計

■オーストリアで開発された民間航空機電離放射線のための原型モデル線量計

1996年5月にEuropean Communitiesは、理事会指令96/29/Euratom(欧州原子力共同体)を発行したが、それは電離放射線によって 引き起こされる危険から労働者と市民の健康を守るための基本的な安全基準を規定している。 そのためには航空機乗組員がどれだけ放射線に被爆しているかを測定するという問題を解決しなければならない。

EU指令第42条は、有効線量が一年間で1 mSv を超える場合には乗務員の放射線被曝を査定するために適当な対策が行われなければ ならない、と規定している。

放射線被曝を査定するには、能動的、受動的、及び数字で表す方法がある。 能動的方法の大きな利点は航空機盤の上で自動的に放射線被曝を査定、監視できることである。 この被爆には、太陽の表面に起きる大爆発などの太陽に起きる現象よって引き起こされる放射線被曝も含まれる。 Australia Research Centre Seibersdoft は、Austrian Insurance Union (Allgemeine Unfalversicherungsanstalt) との契約の もとで、航空機乗務員への放射線被爆を監視するための能動的査定方法ACREM (Air Crew Exposure Monitor) を開発した。 ACREMは測定の組み合わせと数値での計算を用いて、貨物と乗客用の航空機での放射線被曝測定に成功した。研究結果によれば、500時間の飛行時間 (離陸と着陸の時間を含む) の場合には有効放射線量は2 mSv、1000時間の場合には4 mSv、 最大量の放射線被爆値は約9 mSv(この値には太陽に起きる現象によって引き起こされる放射線被曝は考慮に入っていない) であった。(参考:Bericht der Strahlenschutzkommission des Bundesministerium fur Umwelt, Naturschutz und Reaktorsicherheit, Heft 1 1995, Gustav Fischer Verl.)
詳しくは:
Dr. Peter Beck,
Osterreichisches Forschungszentrum Seibersdoft Ges. m.b.H.A. - 2444 Seibersdorf
Tel: +43 2254780 2480
Fax: +43 2254780 2502
E-mail: peter.beck@arcs.ac.at