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国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > EU 欧州連合の労働安全衛生の状況−パイロット調査

OSH上の諸結果:3日を超える休業を伴なう災害

欧州全体の状況(注75)

3日を超える休業を伴なう災害件数は、1996年は合計約4,757,611件であった。

1994年から1996年の2年間で、EUの3日を超える休業を伴なう災害リスクは3.3%減少した。

産業:製造業で1,357,022件、建設業で831,000件の災害が報告された。

企業規模:災害の大多数は労働者数49名未満の企業で発生している。

性別:3日を超える休業を伴なう災害の経験者は、男性が3,668,266名、女性が920,000名だった。

年齢:災害の発生率は18歳から24歳のグループが最高だった。

休業期間:全災害中、2週間未満の休業が47%、2週間以上3ヵ月未満が48%だった。

国別報告でリスクが最大と指摘された
産業分類(NACEコードを使用)
(注76)

カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数

45建設(11)

28金属加工製品の製造(機械および設備を除く)(8)

20木材ならびに木材およびコルク製品の製造(家具を除く)、わら製品およびわら編み材の製造(6)

15食品および飲料の製造(5)

01農業、狩猟および関連業種(4)

国別報告でリスクが最大と指摘された
職業分類(ISCOコードを使用)
(注77)

カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数

82機械操作員および組立工(9)

72金属、機械および関連職業従事者(8)

71採鉱、建築職従事者(6)

93鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者(6)

81定置装置および関連操作員(4)

その他のリスク分類

企業規模:労働者数49名未満の企業のリスクが高いとみられている。ただし、該当しない産業もある。

性別:3日を超える休業を伴なう災害のリスクは、男性の方が高いとする回答が13件あった。

年齢:25歳未満の労働者がもっともリスクが高いとする回答が6件あった。

雇用形態:労働力の外注化が、2つの理由で災害のリスクを高めるとされている。第1に、下請業者は常に元請業者の直接的監督下にあるわけではない。第2に、下請業者は同時に数件の契約を請け負っている場合が多い。これらの仕事は短期間のものが多く、労働者個人が作業環境に慣れるための時間が少ない。その結果、ミス発生の確立と精神的ストレスが高まるおそれがある。

傾向

3日を超える休業を伴なう災害は、減少傾向にあるとする回答が9件あった。

新たな防止策の必要性を指摘した
フォーカル・ポイント

ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン

提案された対策の内容(注78)

いくつかの加盟国の場合、職場の災害防止が最重要課題の一つになっている

その他の関連情報

国別報告では、スリップ、つまずき、墜落・転落が、3日以上の休業を伴なう災害の主たる原因として指摘されている。災害原因の全容は58ページに記載している。

多数のフォーカル・ポイントが、未報告の災害が一定数あるという全体的問題を指摘した。ただし未報告の災害は被害が軽度のものが中心である。



注75 ユーロスタット『1996年のEUの労働災害』(テーマ3−2000年4月発行)より
注76 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注77 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注78 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。


3日以上の休業を伴なう災害の原因の全容

災害原因

回答数

· スリップ、つまずき、墜落・転落

7

· 手作業

5

· 移動する物体との衝突

5

· 固形物および品物

4

· 道具

4

· 企業内の輸送

4

· 落下物の衝突

4

· 労働環境および構造物

3

· 機械

3