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暴露指標:化学物質の取り扱い
潜在的な健康への影響
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腐食性物質への接触による化学的やけどと皮膚の損傷がある。長期間特定の物質に暴露すると、肺、肝臓などの組織を損傷するおそれがある。暴露レベルがきわめて低い場合にも、感作が発生してアレルギー反応(喘息、皮膚炎など)を引き起こすおそれがある。
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欧州全体の状況(注39)
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面接した全労働者の14%が化学物質の取り扱いを経験している。
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国別報告でリスクが最大と指摘された
産業分類(NACEコードを使用)(注40)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
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24 化学物質および化学製品の製造(8)
01 農業、狩猟および関連業種(7)
45 建設(5)
93 その他のサービス業(4)
50 自動車およびオートバイの販売および保守、自動車燃料の小売り(4)
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国別報告でリスクが最大と指摘された
職業分類(ISCOコードを使用)(注41)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイン
トの回答数
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93 鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者(7)
81 定置装置および関連操作員(7)
92 農林漁業および関連単純労働者(6)
72 金属、機械および関連職業従事者(5)
71 採鉱、建築職従事者(5)
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その他のリスク分類
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共通の内容はなかった。
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傾向
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職場での化学物質取り扱いは横ばい傾向にあるとする回答が7件、減少傾向にあるとする回答が1件、増加傾向にあるとする回答が3件あった。特定の傾向は不明とする回答が4件あった。
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新たな防止策の必要性を指摘した
フォーカル・ポイント
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ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペイン、イギリス
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提案された対策の内容(注42)
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危険な化学物質の代替物質の可能性に関する情報普及を強化すべきである。
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その他の関連情報
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幅広い多数の職業が、作業の一環として各種の化学物質を取り扱っている。農業労働者は農薬、洗浄剤、微生物粉じんを使用し、建設労働者は一般に溶剤と塗料を使用する。
法律と労働安全衛生対策により一部の化学物質への暴露は効果的に減少したとの報告が1件あった。職場におけるタバコの煙の発生、アスベストへの暴露も大幅に減少した。しかし大半の化学物質への暴露は、1990年代以降、あまり減っていない。
有害物質の代替物質に関する情報普及を強化し、労働者に対する情報と研修の提供も増やすべきである。
また揮発性有機化合物(VOC)については、質問の回答が得られなかったと報告されている。
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健康診断方式と産業衛生測定を通し、職業性の暴露の多い分野を継続的に把握していく必要がある。新しい化学物質としては、動物用飼料の製造に使用する酵素、歯科で使用するアクリル塩酸などがある。アレルギー性、および発ガン性物質への暴露を減らすための効果的な防止策が求められている。
法令の順守状況を監視する必要もある。
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注39 ESWCデータ、ダブリン財団第2次欧州調査(1996年)
注40 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注41 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注42 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。
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