このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
|
 |
 |
|
暴露指標:重量物の持ち上げ/移動
潜在的な健康への影響
|
重量物の持ち上げ/移動は、腰、腕および手の筋肉とじん帯の損傷をはじめ、筋骨格障害の原因になる場合がある。
|
欧州全体の状況(注27)
|
面接した全労働者の34%が重量物の持ち上げ/移動を経験している。
|
国別報告でリスクが最大と指摘された
産業分類(NACEコードを使用)(注28)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
|
45 建設(14) 01 農業、狩猟および関連業種(9) 85 医療およびソーシャルワーク(8) 28 金属加工製品の製造(機械および設備を除く)(6) 20 木材ならびに木材およびコルク製品の製造(家具を除く)、
わら製品およびわら編み材の製造(4) 14 その他の鉱業および採石(3) |
国別報告でリスクが最大と指摘された
職業分類(ISCOコードを使用)(注29)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
|
93 鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者(11) 72 金属、機械および関連職業従事者(7) 32 生命科学、保健関連の準専門職(6) 71 採鉱、建築職従事者(5) 91 販売、サービスの初級職業(5) 82 機械操作員および組立工(5) |
その他のリスク分類
|
性別:国別報告では、「医療およびソーシャルワーク」産業で、とくに女性労働者が重量物の持ち上げ/移動の暴露のリスクが高いとする指摘が数件あった。
年齢:国別報告では、若年労働者ほど重量物の持ち上げ/移動への暴露リスクが高いと指摘された。ただし、負傷のリスクは高齢労働者の方が高い可能性がある。暴露の頻度に、筋骨格組織の退化という悪化要因が加わるからである。
|
傾向
|
回答数は少ないが、職場での重量物の持ち上げ/移動への暴露は横ばい傾向にあるとする回答が4件、減少傾向にあるとする回答が6件、増加傾向にあるとする回答が2件あった。
|
新たな防止策の必要性を指摘した
フォーカル・ポイント
|
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イギリス
|
提案された対策の内容(注30)
|
共通の内容はなかった。
|
その他の関連情報
|
重量物の持ち上げ/移動への暴露は、相変わらず職場の安全衛生上の深刻な問題となっている。暴露労働者の数はきわめて多く、重量物の持ち上げは筋骨格系障害リスクの重要な要因になっている。
一定時間内の産出量増大への要求が強まると、個人の作業速度の増大につながる。モノを加工する際に多様性と柔軟性が強く求められるような業務(梱包や包装など)では、手作業が中心になる。一般に、製造業では自動装置などの自動化を通じ、重量物の取り扱いは減少したと報告されている。
作業の自動化により、多くの業務で重量物持ち上げの負担は低下すると予測される。ただし、多くの女性の職業ではこうした動きはみられない。たとえば「医療およびソーシャルワーク」産業における持ち上げ/移動の作業には機械化のむずかしいものがあるからである。
|
注27 ESWCデータ、ダブリン財団第2次欧州調査(1996年)
注28 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注29 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注30 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。
|
|