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暴露指標:騒音
潜在的な健康への影響
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騒音を原因とする聴力損失、耳鳴り(常時、耳鳴りが聞こえる)、反応限界の変化(はじめは一時的だが暴露が長期化するにつれて恒久化する)、高周波音への聴力損失の結果、コミュニケーション障害、社会的機能との交流低下が生じる。またストレス、職場でのコミュニケーション障害などの2次的影響が生じる可能性があり、災害の原因になる。
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欧州全体の状況(注11)
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面接した全労働者の28%が騒音に暴露している。
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国別報告でリスクが最大と指摘された産業分類
(NACEコードを使用)(注12)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイントの回答数
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28 金属加工製品の製造(機械と設備を除く)(10)
20 木材ならびに木材およびコルク製品の製造(家具を除く)、わら製品およびわら編み材の製造(10)
27 金属材料の製造(9)
21 紙および紙製品の製造(7)
45 建設(7)
17 織物の製造(6)
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国別報告でリスクが最大と指摘された職業分類(ISCOコードを使用)(注13)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイントの回答数
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82 機械操作員および組立工(14)
72 金属、機械および関連職業従事者(12)
81 定置装置および関連操作員(10)
93 鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者(9)
71 採鉱、建築職従事者(6)
83 運転手、移動プラント操作員(5)
74 その他の職人および関連職従事者(5)
73 精密、手工芸、印刷および関連職従事者(5)
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その他のリスク分類
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企業規模:フォーカル・ポイントのコメントでは、小規模の企業ほど騒音のリスクが高いとみられており、それには多数の理由が考えられる。具体的には旧式の機械の使用、利用できるリソースの少なさ、職場の騒音のリスクと、これに対処するための制御策についての知識と経験不足などがある。
性別:11のフォーカル・ポイントが、男性、とくにブルーカラーの労働者は騒音への暴露リスクがもっとも高いと指摘した。
年齢:フォーカル・ポイントによると、若年労働者は騒音への暴露と聴力損失リスクがもっとも高く、社会的要因によってリスクは強まるとみられている。
雇用形態:フォーカル・ポイントは、派遣労働者、自営業者、有期契約労働者、見習いおよび臨時労働者は職場の騒音暴露のリスクが高いと指摘している。これらのグループは安全衛生について得られる情報が少ない場合が多く、研修、正規の監督、職場の制御対策も限られている。
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傾向
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過去3年から5年の職場の騒音暴露については、減少傾向とする回答と横ばい傾向とする回答がほぼ同数で、減少したとの回答が6件、横ばいとする回答も6件あった。増加傾向にあるとする回答は2件のみで、特定の傾向は不明とする回答が1件あった。
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新たな防止策の必要性を指摘したフォーカル・ポイント
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ベルギー、フィンランド、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、イギリス
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提案された対策の内容(注14)
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騒音への暴露レベルが低下したとの報告では、低騒音の機械の導入、作業行程の自動化、労働者を騒音源から隔離するための設備の遠隔操作など、多数の要素を通して実現されている。これらの方式は鉱業、鉄鋼、紙、化学製品などの産業で有効だった。
臨時労働者の使用の増大も、1人当たりの暴露を減らし、全体のリスクを多人数に分散することで、リスクを減少できる可能性がある。ただし、臨時労働者などのグループは、情報や職場の監督と制御策が欠如しているために騒音に暴露しやすい場合がある。
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注11 ESWCデータ、ダブリン財団第2次欧州調査(1996年)
注12 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注13 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注14 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。
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