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暴露指標:肉体的暴力
潜在的な健康への影響
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肉体的暴力は、外傷から生命に危険を及ぼすものまで、さまざまな負傷の原因になりうる。暴力を示唆する威嚇または実際の暴力の結果による不安は、ストレス関連の疾病の原因になりうる。
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欧州全体の状況(注55)
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面接した全労働者の4%が肉体的暴力を経験している。
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国別報告でリスクが最大と指摘された
産業分類(NACEコードを使用)(注56)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
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85 医療およびソーシャルワーク(11)
75 行政および防衛、強制社会保険(7)
60 陸上輸送、パイプライン輸送(6)
55 ホテルおよびレストラン(6)
52 小売り(自動車およびオートバイを除く)、
個人および家庭用品の修理(5)
93 その他のサービス業(4)
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国別報告でリスクが最大と指摘された
職業分類(ISCOコードを使用)(注57)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
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51 個人、保安サービス職業従事者(7)
32 生命科学、保健関連の準専門職(7)
91 販売、サービスの初級職業(6)
22 生命科学、保健の専門職(5)
42 顧客サービス事務員(5)
52 モデル、販売員、実演販売員(4)
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その他のリスク分類
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性別:女性の労働者は、職場で肉体的暴力と暴力の威嚇の両方にさらされる確率が高いとの報告が数件あった。
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傾向
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回答数は少ないが、肉体的暴力への暴露については、横ばい傾向にあるとする回答が2件、減少傾向にあるとする回答が1件、増加傾向にあるとする回答が4件あった。特定の傾向は不明とする回答が8件あった。
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新たな防止策の必要性を指摘した
フォーカル・ポイント
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ベルギー、デンマーク、フィンランド、オランダ、アイルランド、スペイン、スウェーデン
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提案された対策の内容(注58)
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共通の内容はなかった。
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その他の関連情報
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職場での肉体的暴力のリスクがもっとも高い産業と職業は、一般市民と対面する種類のものとみられる。具体的には銀行、公共輸送、医療およびソーシャルワークなどである。
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精神科病棟、地方の社会行政施設、公共輸送(航空を含む)、ショッピングセンター、ガソリンスタンド、レストラン、キオスク、ディスコ、救急施設の労働者は、労働行程で肉体的暴力に遭遇しやすい。
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暴力は、暴力的状況に対する準備のない多くの職場と職業で増大している。職場の暴力についての全面的で信頼できる情報の提供、高リスクの産業についての暴力防止戦略の策定と、その効果を判定する評価調査の実施が重要である。さまざまな団体間の協力も必要である。職場向けに、暴力防止プログラムの策定と改善に利用できる実用的なツールを用意すべきである。
事業者と労働者が労働協約で職場の暴力防止に向けた方法と対策を合意している例は多い。しかし、これらの対策の実施と成功に関する情報はほとんどない。
暴力が威嚇の段階でとどまったケースをはじめ、報告されていない事例が相当あるとみられている。ここ数年、公の場とメディアのなかで職場の暴力をめぐる議論が多数あった。その結果、この新しい職場のリスクへの関心が高まった。一般市民のなかでは、暴力の事例は増えているという印象がある。
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注55 ESWCデータ、ダブリン財団第2次欧州調査(1996年)
注56 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注57 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注58 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。
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