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暴露指標:反復動作
潜在的な健康への影響
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反復的な腕の動作は、腱滑膜炎、手根管症候群など、労働関連の上肢障害の原因になりうる。腱滑膜炎は腱とそれを包む膜の炎症で、一般に機械による刺激により発症する。手根管症候群は、手の正中神経支配域の麻痺と痛みを生じる。
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欧州全体の状況(注31)
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面接した全労働者の58%が反復動作を経験している。
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国別報告でリスクが最大と指摘された
産業分類(NACEコードを使用)(注32)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
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15 食品および飲料の製造(9)
18 衣料品製造、毛皮の仕上げおよび着色(5)
17 織物の製造(5)
60 陸上輸送、パイプライン輸送(5)
28 金属加工製品の製造(機械および設備を除く)(3)
19 皮のなめしおよび仕上げ、かばん、ハンドバッグ、馬具、ハーネス、履物の製造(3)
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国別報告でリスクが最大と指摘された
職業分類(ISCOコードを使用)(注33)
カッコ内の数値はフォーカル・ポイント
の回答数
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82 機械操作員および組立工(11)
93 鉱業、建設業、製造業および運輸の単純労働者(8)
42 顧客サービス事務員(7)
91 販売、サービスの初級職業(7)
74 その他の職人および関連職従事者(5)
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その他のリスク分類
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性別:国別報告では、反復動作への暴露リスクが高いのは女性とする回答が7件、男性とする回答が1件あった。女性の代表的なリスク業種は、機械装置の組立、スーパーのレジ係、織物と裁縫労働者、タイピスト/コンピューターのオペレーターである。
年齢:若年労働者(30歳未満)、とくに女性の若年労働者が反復動作にさらされる回数が多いとする回答が数件あった。
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傾向
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過去3年から5年の職場での反復動作への暴露については、明確な傾向が示されなかった。横ばい傾向にあるとの回答が3件、減少傾向にあるとの回答が2件、増加傾向にあるとの回答が5件あった。特定の傾向は不明とする回答が5件あった。
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新たな防止策の必要性を指摘した
フォーカル・ポイント
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オーストリア、ベルギー、フィンランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン
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提案された対策の内容(注34)
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共通の内容はなかった。
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その他の関連情報
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反復動作は、農業、作業装置を使用する産業、サービス産業、金融業など、多数の産業でみられる。反復性疲労傷害(RSI)はメディアで大きくとりあげられた。反復動作と急速な作業ペースとが一体化すると、RSIの重要なリスク要因になるみられている。
とくに注目すべき分類として、コンピューター関連作業(キーボード/マウス操作)の重要性が増しているとするコメントが数件あった。
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注31 ESWCデータ、ダブリン財団第2次欧州調査(1996年)
注32 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった産業
注33 リスクが最大であるとするフォーカル・ポイントの回答数がもっとも多かった職業
注34 新たな対策の内容は本報告書の暴露指標またはOSH上の諸結果を扱った章に記載している。
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