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職業性ストレスに関する初のヨーロッパ週間(2002年)
−問題に取り組むための新しいツール−

資料出所:欧州安全衛生機構ホームぺージ
(抄訳 国際安全衛生センター)

原文はこちらからご覧いただけます
http://osha.europa.eu/news/press_releases/en/16_10_2002/index.htm



 ヨーロッパの職業性ストレス、つまりEUの労働者の28%に影響を与えている問題への取組みの最大の動きが、欧州安全衛生機構が職業性ストレスをテーマとしたヨーロッパ週間をスタートさせる2002年10月に、EU域内を中心としたヨーロッパ全域で始動する。

 最近の調査によると、EUの4千万人の労働者がストレスに悩んでおり、そのコストは年間200億ユーロに達している。

 このキャンペーンを支持するために、同機構では、企業、労働者、安全衛生専門家が職業性ストレスの原因を把握し対処するのを支援するためパッケージツールを発表した。

  • 企業向けストレス減少ガイド注) : これは「How to tackle psychosocial issues and reduce work-related stress(社会心理問題をどのように取り扱い、職業性ストレスをどのように減少させるか)」という報告書で当機構のウェブサイトからダウンロードできる。これは、主な原因である職場での暴力及びいじめといったものも含めて、事業場がどのようにしてストレスを減少させるかの実用的なガイダンスである。これはEU全体における調査に基づいたものなので、例えば卸小売、製造業から警察といった公共部門まで、色々な分野の企業における取り組みが、ケーススタディとして記載されている。また、各国の法的要件及び好事例の概要も含まれている。ファクトシート32は報告の概要を示している。
  • ストレス診断及び対策用簡易チェックリスト: 新しいファクトシート31は職業性ストレス及びその原因解明に携わっている担当者用の実用的アドバイスである。このシートは職業性ストレスの根本原因を正確に指摘しそれに対処する担当者への手助けとなる、いくつかの簡単な質問集から出来ている。これには、問題を解決するために、使用者、労働組合、他の関係者とどのように連携するかについてのいくつかの提案も含まれている。
  • 専用ウェブサイト(http://osha.europa.eu/ew2002/): ヨーロッパの職業性ストレスのすぐれたポータルサイトとなっている。これは、他にはない情報つまり、ストレスを減少させる方法に関する種々のアドバイス、調査、産業別の洞察、ダウンロード可能な報告書やファクトシート、他の専門的サイトへのリンクを含んでいる。ファクトシート30は職場でのストレスに関するアクセス情報であって、各サイトの閲覧を容易にするものである。10月中に、当機構と各国のフォーカルポイントとのネットワークは、EU加盟国だけでなくEFTA(欧州自由貿易連合)加盟国及びEU加盟候補国もまじえて、様々なイベントを開催する。更に当機構は11月のヨーロッパ週間の閉会イベントにおいて、欧州グッド・プラクティス賞の受賞者を発表する予定であり、職業性ストレス及びその根本原因に最もよく取り組んだ団体を表彰することにしている。

ストレスの現状 :
  • 欠勤の50%〜60%は職業性ストレスに関係している
  • EUでは男性の心疾患の16%、女性の心疾患の22%がストレスが原因であるとされる。ストレスに関係している他の疾病及び症状には筋骨格系障害、メンタルヘルスの問題などがあげられる。
  • ストレスの最もよく見られる原因の一つは、職場での裁量権の欠如(lack of control)である。例えば、35%の労働者が、自分たちの仕事の手順について発言の機会がないと言い、55%が自分がどれだけ働くかを自分で決めることができないことを挙げている。単調感、きびしい納期(29%の者が常にこのような状況下で働いている)、いじめなども、ストレスを生み出す要素として挙げられている。


注)このガイド(How to Tackle Psychosocial Issues and Reduce Work-related Stress)はこちらでご覧いただけます。