欧州安全衛生機構(EU−OSHA)は、設立されて以来10周年を迎え、その記念行事が開催された。
欧州における安全衛生の中心は、法規に基づく監督による欠陥の是正から、安全衛生に対して意欲のある会社における実践をうながすための優良事例(good practice)情報の流通の強化に移っている。
欧州安全衛生機構の活動もこれに力を入れ、若年労働者対策をテーマとした2006年12月に実施の欧州安全衛生週間の諸行事を中心として、27ヶ国を対象とし、22の言語を用いた広報活動を展開してきた。
2006年においては、行政機構である欧州委員会(european commission)によって設置されている各地情報センターとの連携が開始された。これらセンター等を経て配布した資料(資料のリストが報告書に掲載)は25種類、総計430万部に達し、毎月発行しているメールマガジンの加入者数は3万4千に近くなっている。
職員の数は、約60名、年間予算は、約14百万ユーロ(150円/ユーロとして21億円)であった。またEU−OSHAは、将来を見越した活動として新たに生じるか増大する可能性のあるリスクの監視活動(European risk observatory)を継続的に実施している。この主たる対象は、化学物質(ナノテクノロジー他)および生物学的要因(鳥インフルエンザ他)によるリスクであって、これらに関する多くの報告書を作成した。
2007年の年次活動計画は、「拡大後欧州連合の仕事の質を高める。」と題し、「安全、健康で生産性の高い仕事(productive jobs)のための情報」を副題とし、重点推進事項に
- 情報ネットワークリンクの構築、
- 情報収集活動、
- 情報の流通を挙げている。
2006年の年次活動報告書
2007年の年次活動計画書