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資料EU機械指令付属書 I
機械類の設計と製造に関する必須健康安全要求事項

仮訳<機械指令 (9.6.2006) Annex T: Essential health and safety requirements relating to the design and construction of machinery >
(資料作成 国際安全衛生センター)

掲載日:2008.02.15

1. 必須健康安全要求事項(ESSENTIAL HEALTH AND SAFETY REQUIREMENTS)

1.1   一般事項(GENERAL REMARKS)

1.1.1  定 義(Definitions)

本附属書の目的で使用する用語

  • (a) 「危険源(hazard)」とは、傷害又は健康障害の潜在的根源をいう;
  • (b) 「危険区域(danger zone)」とは、人が健康または安全についての危険にさらされる機械の内部および/または周囲の区域をいう;
  • (c) 「露座者(exposed person)」とは、危険区域にその身体の全部または一部を置く者をいう;
  • (d) 「操作者(operator)」とは、機械の据付け・運転・調整・保守・清掃・修理または輸送を行う者(単/複)をいう;
  • (e) 「危険源(risk)」とは、危険状態において発生し得る傷害または健康障害の可能性と重大さとの組み合わせをいう;
  • (f) 「ガード(guard)」とは、物理的バリヤのような特に保護を措置するための使用する機械の一部をいう;
  • (g) 「保護装置(protective device)」とは、単独でまたはガードと組合わせて用いるリスクを低減する装置(ガード以外のもの)をいう;
  • (h) 「意図する使用(intended use)」とは、取扱説明書で記述された情報に従った機械類の使用をいう;
  • (i) 「合理的に予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)」とは、容易に予測できる人間の挙動からの結果として起こり得る取扱説明書に記述されていない機械の使用をいう;
1.1.2  安全統合の原則(Principles of safety integration)
  • (a) 機械類は、その機能に適するように設計され製造されなければならない。かつ製造者の予見する条件の下で運転・調整・保守が行われる場合のみならず合理的に予見可能な誤使用も考慮して、人を危険にさらすことなくこれが遂行できるようにしなければならない。
    講じるべき対策の目的は、輸送・組立・解体・無機能化及び廃棄の段階を含めた予見可能な機械の寿命期間を通じて、あらゆるリスクを除去することにある。
  • (b) 製造者又はその正当な代理人は、最善の方策を選択する過程において下記の原則を下記の優先順位に従って適用しなければならない。
    • −可能な限りリスクを除去又は低減すること(本質的安全設計及び製造)、
    • −除去できないリスクに対しては必要な保護方策を講じること、
    • −採用した保護方策の不備に起因する残留リスクを使用者に知らせ、特定の訓練が必要であるかどうかを指示し、かつ個人用保護具の着用が必要な場合はそれを明記すること。
  • (c) 機械を設計・製造する場合、及び取扱説明書を作成する場合、製造者またはその正当な代理人は機械類の意図する使用法のみならず、合理的に予見可能な誤使用も予測しなければならない。
    機械類は、このような誤使用によってリスクを生じる恐れがある場合には、そのような誤使用を防止するように設計し製造されなければならない。これとは別に、経験から予想できる使用法であるが、そのような使用法をすべきでないものについては、取扱説明書によって使用者の注意を喚起しなければならない。
  • (d) 機械類は、必要なまたは予見可能な個人用保護具の使用の結果として操作者が受ける拘束条件を考慮しなければならない。
  • (e) 機械類は、安全に調整・保守・使用を可能とするために必須の特殊装置及び附属品をすべて具備していなければならない。
1.1.3  材料及び製品(Materials and products)

機械類の製造に使用される材料、または機械の使用中に使用・生成される産物は、危険にさらされる人の安全または健康を脅かすものであってはならない。

1.1.4  照 明(Lighting)

機械類は、正常照度の周囲照明だけではリスクが生じる恐れがある場合、工程に適した一体型の照明を具備しなければならない。

機械類は、提供した照明によって作業の邪魔になる影が生じないこと、眩しい光がないこと、動く部品による危険なストロボ効果のないように設計・製造されなければならない。

頻繁な点検を必要とする内部部品、および調整・保守箇所には、適切な照明を設置しなければならない。

1.1.5 取扱いを容易にするための機械類の設計(Design of machinery to facilitate its handling)

機械類、または各構成部品は次のことを満足しなければならない。

  • −安全な取扱いおよび輸送が可能であること、
  • −安全にかつ損傷なく保管できるように包装・設計されていること。

機械類および/またはその構成部品が取扱説明書にしたがって取り扱われている限り、
機械類および/またはその構成部品の輸送過程において、突然の作動や不安定さによる危険の可能性があってはならない。

機械類および/またはその構成部品の重量・寸法または形状から手では移動できない場合、その機械類および/またはその構成部品は:

  • −持ち上げ装置への接続用の取付具を備えていること、または
  • −そのような取付具を備えることが可能なように設計されていること、または
  • −標準の持ち上げ装置を容易に取り付けられるような形状に成形すること。

機械類またはその構成部品を手で移動しなければならない場合、その機械類および/またはその構成部品は:

  • −容易に移動が可能であること、または
  • −安全につかみ上げて移動するための装備がされていること。

軽量であっても危険であると考えられる工具および/または機械部品の取扱いについては、特別な対策を講じなければならない。

1.1.6 人間工学(Ergonomics)

意図された使用において、操作者が直面する不快・疲労および物理的・心理学的なストレスは、次のような人間工学的原則を考慮することにより可能な限り最小化しなければならない:

  • −操作者の物理的な寸法、強さおよびスタミナの変化性を考慮すること、
  • −操作者の身体各部位に対する十分な動作空間を確保すること、
  • −機械により決定される作業速度(a machine-determined work rate)を避けること、
  • −長い集中力を必要とする監視作業を避けること、
  • −マン−マシンインターフェースを予見可能な操作者の特性に合わせること。
1.1.7 操作位置(Operating positions)

操作位置は、排気ガスや酸素不足によるいかなるリスクも回避するように設計・製造されなければならない。

操作者の健康及び安全についてリスクが存在する危険な環境において機械類の使用が意図される場合、または機械類自体が危険な環境を惹き起こす場合は、操作者が良好な作業条件を有しかついかなる予見可能な危険源に対しても保護されることを確保するための十分な方策が講じられなければならない。

適切な場合、操作位置は上記の要求事項を満たすように設計・製造され、装備された運転室を備えなければならない。出口は緊急避難ができなければならない。その上、適切な場合には、通常の出口と異なった方向に非常用出口を設けなければならない。

1.1.8 座席(Seating)

適切であり、作業条件が許す場合には、機械類を構成する部分である作業ステーションは、座席の取り付けを考慮した設計がなされなければならない。

操作者が操作する間中座ることが意図される場合、また操作位置が機械類の構成部分である場合、座席はその機械類に備えられなければならない。

操作者の席は、彼が安定した位置を維持することを可能にしなければならない。その上、その座席と制御装置からの距離は操作者に適合することを可能にしなければならない。

その機械類が振動を受け易い場合には、その座席は操作者に伝達する振動を合理的に可能な最低のレベルに低減するように設計・製造されなければならない。座席の取付は、受けるすべての応力に耐えなければならない。操作者の足の下に床がない場合、耐すべり材で覆った足置き台を備えなければならない。

1.2  制御システム(CONTROL SYSTEMS)

1.2.1 制御システムの安全性および信頼性(Safety and reliability of control systems)

制御システムは、危険状態の発生を防止できるように設計・製造されなければならない。特に、制御システムは、次のような方法により設計・製造されなければならない:

  • −意図した運転応力および外的要因に耐えられること、
  • −制御システムのハードウエアー又はソフトウエアーの不具合が危険状態とならないこと、
  • −制御システムのロジックのエラーが危険状態とならないこと、
  • −操作中の合理的に予見可能なヒューマンエラーが危険状態を惹き起こさないこと、

次の点には、特別の注意をしなければならない:

  • −機械類は不意の起動をしてはならない、
  • −機械類のパラメータは非制御の方式で変化してはならない、このような変化は危険状態になるかもしれないからである、
  • −停止命令がすでに与えられている場合、機械類は停止動作を阻害されてはならない、
  • −機械類の可動部又は機械類に保持されている物品を落下したり、放出してはならない、
  • −可動部の自動停止または手動停止は、どちらも妨害されてはならない、
  • −保護装置は、完全な有効状態に保持されるか、または停止命令を出力しなければならない、
  • −制御システムの安全関連部は、機械の組み立て部品全体に対して、および/または半完成機械類に対して、論理的な方法で適用しなければならない。

無線制御に関しては、通信の欠如を含んで正常な制御信号が受信されない場合は、自動停止が作動しなければならない。

1.2.2 制御装置(Control devices)

制御装置は、次のことを満足していなければならない:

  • −適切な場合は絵文字(pictograms)を使って、明瞭にかつ識別可能に表示されていること、
  • −躊躇なくまたは遅延なく、かつ曖昧さがなく、安全操作ができる位置にあること、
  • −制御装置の動作がその結果と一致するよう設計されること、
  • −危険区域外に設置されること、ただし必要に応じて非常停止又は教示用ペンダントのような特定の制御装置は除く、
  • −操作を行うことで追加のリスクを惹き起こすことのない位置に設置すること、
  • −危険が伴う場合には、期待される動作が慎重な操作の遂行によってのみ可能となるような設計や保護がされること
  • −予見可能な力に耐え得るよう製作されること;過大な力を受け易い非常停止装置に対しては特に留意をしなければならない。

一つの制御装置が異なる複数動作をするように設計・製造されている場合、つまり1対1の対応でない場合、実行すべき動作を明瞭に表示し、必要に応じて動作前の確認をするようにしなければならない。

制御装置は人間工学の原理を考慮のうえ、配置・移動量および操作抵抗力が実行すべき動作に一致するように設置されなければならない。

機械類は、安全操作に必要な指示器を備えなければならない。操作者が制御位置からこれらを読み取ることができなければならない。

各制御位置から、操作者は危険区域内に誰も存在しないことを確認できなくてはならない。または、誰かが危険区域内に存在する間は機械の起動ができないように制御システムが設計・製造されなければならない。

もし、そのどちらも不可能な場合は、機械の起動前に、音響および/または視覚警告信号が発っせられなければならない。露座者が危険区域から退避するための時間を与えるか、または機械の起動を防止しなければならない。

必要な場合には、機械類は単一のまたは予め決められた領域・位置に設置された制御位置からのみ制御可能であることを確保するように制御手段が設置されなければならない。

制御位置が複数存在する場合には、停止制御および非常停止を除き、制御システムはそれらの中のひとつを使用することがそれ以外の使用を排除するように設計されなければならない。

機械類が二つ以上の操作位置を有する場合には、操作者同士が死角にならないかまたはお互いを危険な状態にしないために必要とされるすべての制御装置を備えなければならない。

1.2.3 機械の起動(Starting)

機械の起動は、目的のために設けられた制御装置を意識的に操作することによってのみ可能でなければならない。

同じ要求事項はつぎの場合にも適用する:

  • −いかなる理由であれ、停止後に機械類を再起動する場合、
  • −運転条件を大幅に変更した場合。

ただし、危険状態へ移行することがない状況においては、機械類の再起動または運転条件の変更がその目的のために設けられた制御装置以外の意識的に操作する装置によって有効化されてもよい。

自動モードで機能している機械類の場合、機械類の起動・停止後の再起動、または運転条件の変更は、人の介在がなく危険状態への移行がなければ可能としてよい。

機械類が複数の起動制御装置を有し、それにより複数の操作者がお互いを危険にする可能性がある場合には、追加の装置をリスクを排除するために備えなければならない。安全が機械の起動および/または 停止が特定の順序で実行することを要求する場合には、それらの操作が正しい順序で実行されることを確保する装置を備えなければならない。

1.2.4 停止(Stopping)
1.2.4.1正常停止(Normal stop)

機械類は、その機械類を安全に完全な停止状態へ移行できる制御装置を備えなければならない。

それぞれの作業場所には、存在する危険源の種類によって、機械の機能の一部又は全部を停止して機械類が安全な状態に移行するための制御装置を備えなければならない。

機械類の停止制御は、起動制御に対して優先性を有しなければならない。

機械類またはその危険な機能が停止した場合には、当該作動器へのエネルギー供給は遮断されなければならない。

1.2.4.2制御停止(Operational stop)

運転理由により、当該作動器へのエネルギー供給の遮断をしない停止の制御が必要とされる場合には、停止状態は監視され維持されなければならない。

1.2.4.3非常停止(Emergency stop)

機械類は、実際の危険または切迫した危険を回避できるように、一つ以上の非常停止装置を備えなければならない。

これには、次の例外がある:

  • −非常停止装置が停止時間を短縮することにならない場合、またはリスク処理に必要な特別対策の実施が不可能である場合のいずれかの理由で、その非常停止装置がリスクを低減することにならない機械、
  • − 可搬型手持ち式および/または手でガイドする方式の機械。

非常停止装置は次のことを満足しなければならない:

  • −明瞭な識別性、明瞭な視認性を有し、かつ速やかに接近できる制御装置を備えていること、
  • −リスクを増加させることなく、可能な限り迅速に危険な工程を停止させること、
  • −必要に応じて、一定の安全防護動作を起動するか、または起動させること。

停止命令に従って非常停止装置の作動が一旦停止すると、その非常停止のかみ合いが特別に解除されるまでは、その命令は非常停止装置のかみ合いによって維持されなければならない。停止命令を作動させずに非常停止装置のかみ合いが可能であってはならない。非常停止装置のかみ合いの解除は適切な動作のみによって可能であること。非常停止装置のかみ合いの解除によって機械類が再起始してはならない。また、非常停止装置のかみ合いの解除は、単に再起動の許可を与えるだけのものであり、機械類を起始動させてはならない。

非常停止機能は、運転モードのかかわらず常に有効で作動できなければならない。

非常停止装置は、他の安全防護手段のバックアップ(予備手段)であり、他の安全防護手段の代替品であってはならない。

1.2.4.4 組み合わせた機械類(Assembly machinery)

連動するように設計された機械類やその機械部品については、運転の継続が危険となる場合に、機械類は非常停止装置を含む停止制御が当該機械類だけでなくすべての関連する装置を停止することができるように設計・製造されなければならない。

1.2.5 制御モードおよび運転モードの選択(Selection of control or operating modes)

選択した制御または運転モードは、非常停止を除きすべての制御または運転モードに優先するものでなければならない。

機械類が異なる防護手段および/または作業手順を必要とする複数の制御モードまたは運転モードで使用できるように設計・製造されている場合、それぞれのモード位置に固定できるモード切替装置を機械類に設けなければならない。その切替え装置の各位置は、明瞭に識別できて、それぞれ単一の運転モードまたは制御モードに対応するものでなければならない。

この切替え装置は、機械類の特定機能の使用を特定区分の操作者に制限するための他の切替え方法で置換することもできる。

ある種の運転で、機械類がそのガードを設置しなかったり取外した状態および/または防護装置を無効化した状態で運転を可能としなければならない場合には、制御または運転モードの切替装置は次のことを同時に満足しなければならない:

  • −すべてのほかの制御または運転モードを無効とすること、
  • −持続操作を必要とする制御によってのみ危険な機能の運転を許可すること、
  • −運転シーケンスの危険を防止しているリスクの低減状態においてのみ危険な機能の運転を許可すること、
  • −機械の検知器を、意識的にまたは無意識的に作動させることで、すべての危険な機能の運転を防止すること。

以上の四つの条件を同時に満足することが不可能な場合には、制御または運転モードの切替装置は、安全な人の介在区域を確保するために設計・製造された他の防護手段を作動させなければならない。

更に、その操作者は調整位置から作業中の機械部品の運転を制御できなければならない。

1.2.6 動力源の故障(Failure of the power supply)

機械類への動力源の遮断、遮断後の再結合または変動の如何にかかわらず、これによって危険状態が生じてはならない。

特に、次の点に対して注意を払わなければならない:

  • −機械類は不意に起動してはならない、
  • −そのような変更が危険状態を生ず得る場合、機械類のパラメータは、無制御な方法で変更されてはならない、
  • −命令が既に与えられている場合にも、機械の停止が妨げられてはならない、
  • −機械の運動部品、または機械によって保持されている物品を脱落したり、または排出したりしてはならない、
  • −防護装置はその完全な効果を維持しなければならない、または停止命令を与えなければならない。

1.3 機械的危険源に対する防護(PROTECTION AGAINST MECHANICAL HAZARDS)

1.3.1 安定性の不足のリスク(Risk of loss of stability)

機械類およびその構成品・装備品は、輸送中・組立て中・取外し中・その他のすべての機械類にかかわる作業中における転倒・落下又は制御できない移動を回避するために十分に安定でなければならない、

機械自体の形状、または意図された据付条件から十分な安定性が得られない場合は、基礎に関する適切な対策が取扱説明書に含めて明示されなければならない。

1.3.2 運転中の破損によるリスク(Risk of break-up during operation)

機械類の種々の部品およびそれらの連結部は、使用された場合に受ける負荷に耐えなければならない。

使用される材料の耐久性は、製造者の予測する作業環境の特性、特に疲労・経時変化・腐食及び磨耗の各現象に対して十分なものでなければならない。

取扱説明書は安全上の理由から要求される点検・保守作業の種類・頻度を明示しなければならない。適切な場合、取扱説明書は磨耗部品とその交換基準を明示しなければならない。

これらの対策にもかかわらず、破損または分解によるリスクがなお残る場合、危険状態を防止するためにいかなる破片も収容されるように、当該部品は取付けられ・配置されおよび/または防護されなければならない。

特に高圧で使用される流体を輸送する剛性配管及び可とう性配管は、いずれも予測される内部および外部圧力に耐え得るものであり、また、破損から生ずるリスクが生じないように、これを堅固に固定しおよび/または 防護しなければならない。

処理すべき材料が自動的に工具に供給される場合、人に対するリスクを回避するために、次の条件を満たさなければならない:

  • −加工対象物が工具に接触する場合、工具が正常な加工条件を既に確保していること、
  • −工具が(意識的にまたは偶然に)起動および/または停止するとき、送り動作と工具動作とが調和していること。
1.3.3 落下物または排出物によるリスク(Risk due to falling or ejected objects)

落下物または排出物によるリスクを防止するための予防策を講じなければならない。

1.3.4 表面、縁または角によるリスク(Risk due to surface, edges or angles)

その目的で許容される限り、機械類の接触可能な部分は傷害を起こしそうな鋭いエッジ・鋭い角や粗い表面を有してはならない。

1.3.5 組合せ工程機械類に関連するリスク(Risk due to combined machinery)

機械類が異なる複数工程を実行するように意図されており、工程と工程(組合せ機械類)との間で人手により加工物を取り出す場合、他の要素で露座者を危険にさらすことなく、各要素を個別に使用できるよう機械類を設計・製造しなければならない。

この目的のために、防護のない要素についてはいずれも個別に起動・停止できなければならない。

1.3.6 運転条件の変更に関連するリスク(Risk related to Variations in operating conditions )

機械類が異なる使用条件で運転が行われる場合、これらの条件の選択及び調整は安全にかつ信頼性を持って実行できるように機械類は設計・製造されなければならない。

1.3.7 運動部品に関連するリスク(Risk related moving parts)

機械類の運動部品は、事故を惹き起す恐れのある接触のリスクを防止するように設計・製造するか、またはリスクが依然として残る場合は、ガード又は防護装置を設けなければならない。

作業に関連する運動部品の偶発的な阻害を防止するために、すべての必要な手段が講じられなければならない。その予防策にもかかわらず阻害が起こるような場合に、適切な場合は、必要な特定の防護装置や工具は阻害を安全に除去できる機器を備えなければならない。

当該機械類の取扱い説明書及び可能な場合は機上の標識により、これらの特定の防護装置およびその使用方法を明示すること。

1.3.8 運動部品から惹き起されるリスクに対する防護の選択(Choice of protection against risks arising from moving parts)

運動部品から惹き起されるリスクに対する防護のために設計されるガード及び防護装置は、リスクの種類の基礎に応じて選択しなければならない。その選択の支援として、次のガイドラインを使用しなければならない。

1.3.8.1運動伝達部品(Moving transmission parts)

運動伝達部品により発生する危険源に対する人のために設計されるガードは、次のいずれかのものとしなければならない:

  • −項目1.4.2.1の要求事項に適合する固定式ガード、または
  • −項目1.4.2.2の要求事項に適合するインターロック付き可動ガード。

インターロック付き可動ガードは頻繁な接近が予想される場合に使用すべきである。

1.3.8.2工程に直接関係する運動部品(Moving parts involved in the process)

運動伝達部品により発生する危険源に対する人のために設計されるガード又は防護装置は、次のいずれかのものとしなければならない:

  • −項目1.4.2.1の要求事項に適合する固定式ガード、または
  • −項目1.4.2.2の要求事項に適合するインターロック付き可動ガード、または
  • −項目1.4.3の要求事項に適合する防護装置、または
  • −上記のものを組合せたもの。

しかしながら、操作者の介在を必要とする操作による運転の間でその工程に直接かかわる特定の運動部品への接近を完全に防止することができない場合、このような部品に対しては、次のものを設けなければならない:

  • −作業に使用されない部品箇所への接近を阻止するための固定式ガードまたはインターロック付き可動ガード、および
  • −接近が必要である運動部品の箇所への接近を制限するための項目1.4.2.3の要求事項に適合する調整式ガード。
1.3.9 制御されない運動のリスク(Risk of uncontrolled movements)

機械類の一部がすでに停止されている場合、制御装置の作動以外のどのような理由に対しても、停止位置からのずれは防止されなければならない、または危険源を発生してはならない。

1.4  ガード及び防護装置に要求される性質(REQUIRED CHARACTERISTICS AND PROTECTIVE DEVICES)

1.4.1 一般的要求事項(General requirements)

ガード及び防護装置は次を満足しなければならない:

  • −堅固な構造であること、
  • −取付け位置に確実に固定されること、
  • −追加の危険源を増大させないこと、
  • −容易に迂回したり、またはその機能を不能にしないこと、
  • −危険区域から適切な距離の位置に設けること、
  • −製造工程を観察するための視野をできるだけ妨げないこと、および
  • −工具の取付けおよび/または取替え、並びに保守作業の際に、可能な場合はガードの取外しまたは防護装置を無効化せず作業を行うための作業部位だけに接近を制限することによって、必要な作業ができること。

その上で可能な場合には、ガードは材料または物品の排出・落下に対して、また、機械類により発生される放射に対して防護しなければならない。

1.4.2 ガードに関する特別要求事項(Special requirements for guards)
1.4.2.1固定式ガード(Fixed guards)

固定式ガードは工具を使用してのみ開けたり取外したりできる固定具によって固定されなければならない。

その固定具は、ガードを取外す場合にガードまたは機械類に停留されなければならない。

可能な場合、ガードはその固定具なしで所定位置に停留できないものでなければならない。 

1.4.2.2インターロック付き可動ガード(Interlocking movable guards)

インターロック付き可動ガードは、次を満足しなければならない:

  • −開放した場合、可能な限り機械に固定されていること、
  • −意識的な動作によってのみ調整が可能となるように設計・製造されること。

インターロック付き可動ガードは、次のようなインターロック装置と連動していなければならない:

  • −閉じられるまで危険な機械類の機能の起動は防止すること、および
  • −閉じられていない限りは必ず停止命令を発すること。

危険な機械類の機能が終了する前に操作者にとって危険区域への接近が可能な場合、可動式ガードは次のようなインターロック装置を備えたガードインターロック装置と連動するものでなければならない:

  • −そのガードが閉じられ、かつ施錠されるまで、機械類の危険な機能の起動を防止すること、および
  • −機械類の危険な機能による傷害のリスクがなくなるまで、そのガードは閉じられ、かつ施錠され続けること。

インターロック付き可動ガードは、その欠如又はその構成要素の一つの不具合が危険な機械類の機能の起動を防止するか、または停止させるように設計されなければならない。

1.4.2.3接近を制限する調整式ガード(Adjustable guards restricting access)

 作業のための必然的な運動部品の部位への接近を制限するための調整式ガードは、次を満足するものでなければならない:

  • −関連する作業の種類に応じて手動または自動で調整できること、
  • −工具を使用せず容易に調整できること。
1.4.2.4保護装置に関する特別要求事項(Special requirements for protective devices)

保護装置は、次を満足するように設計され、制御システムと連動しなければならない:

  • −運動部品は、操作者の手が届く範囲にある場合には起動できないこと、
  • −運動部品が動作している間は、人は運動部品に触れることができないこと、および
  • −保護装置の欠如または構成要素の一つの不具合が運動部品の起動を防止するかまたは停止させること。

 保護装置は、意識的な動作によってのみ調節が可能となるものでなければならない。

1.5  他の危険源によるリスク(RISK DUE TO OTHER HAZARDS)

1.5.1 電源(Electricity supply)

電源供給を有する機械類は、電気的性質に起因するすべての危険源が防止されるように設計・製造され、装備されなければならない。

指令73/23/EECで規定されている安全目標は、機械類に適用されるものとする。しかしながら、電気的危険源に関連する機械類の適合性評価に関する義務及び市場への出荷および/または使用については、もっぱらこの指令(72/23/EEC)によって規制される。

1.5.2 静電気(Static electricity)

機械類は、潜在的な危険性のある静電気の蓄積を防止または制限するように設計・製造されなければならない。および/または 放電システムを備えなければならない。

1.5.3 電気以外の動力源(Energy supply other than electricity)

機械類が電気以外の動力源によって駆動される場合、これらの動力源に起因するすべての潜在的リスクを排除するように機械類は設計・製造され、装備されなければならない。

1.5.4 取付け上の誤り(Errors of fitting)

ある種の部品の取付け又は再取付けの際に起こり易く、リスクの源になり得る取付け上の誤りについては、その部品の設計・製造によって、またはそれが不可能な場合、該当の部品自体および/または その収納ケース上への表示情報によって、取付け上の誤りを防止しなければならない。作業指示がリスクを回避するために知ることが必要である場合は、同じ指示情報が運動部品上におよび/またはその収納ケース上に表示されなければならない。

必要な場合、取扱い説明書はリスクに関する更なる情報を記述しなければならない。

誤った接続がリスクの源になり得る場合は、設計によって、またはそれが不可能な場合は、接続される要素上に、また適切である場合には、接続手段上に情報を表示することによって、正常でない接続ができないようにしなければならない。

1.5.5 極端な温度(Extreme temperatures)

高温または非常に低温の機械類の部品および材料への接触・接近による傷害のリスクを除去するための対策を講じなければならない。

必要な対策は、高温または非常に低温の排出材料によるリスクに対しての回避または防護を検討しなければならない。

1.5.6 火災(Fire)

機械類は、機械類自体または機械類によって生産・使用されるガス・液体・塵埃・蒸気またはその他の物質によってもたらされる火災や加熱の如何なるリスクも回避するように設計・製造されなければならない。

1.5.7 爆発(Explosion)

機械類は、機械類自体または機械類によって生産・使用されるガス・液体・塵埃・蒸気またはその他の物質によってもたらされる爆発の如何なるリスクも回避するように設計・製造されなければならない。

機械類は、爆発雰囲気での使用による爆発のリスクに対応して、特定の共同体指令の条項に適合しなければならない。

1.5.8 騒音(Noise)

機械類は、特に騒音源での騒音低減技術の進歩とその方法の利用可能性を考慮の上、空気内伝播騒音の発生によるリスクを最低レベルに抑えるように、設計・製造されなければならない。

1.5.9 振動(Vibrations)

機械類は、特に騒音源での騒音低減技術の進歩とその方法の利用可能性を考慮の上、機械類により発生される振動によるリスクを最低レベルに抑えるように、設計・製造されなければならない。

1.5.10 放射(Radiation)

機械類からの望ましくない放射の放出は、除去されるかまたは人に対する放射の影響を害のない程度まで低減するように設計・製造されなければならない。

イオン化放射の放出は、設置作業・運転作業および清掃作業中における機械類の本来の機能に対して十分である最低レベルに制限されなければならない。リスクが存在する場合には、必要な防護対策が講じられなければならない。

設置作業・運転作業および清掃作業中における非イオン化放射の放出は、人に対する放射の影響を害のない程度まで低減されなければならない。

1.5.11 外部放射(External radiation)

機械類は、外部放射が機械の運転を妨げないように設計・製造されなければならない。

1.5.12 レーザ放射(Laser radiation)

レーザ装置が使われる場合には、次の各条項を考慮する必要がある:

  • −機械類に備えられたレーザ装置は、偶発的放射を生じないように設計・製造されなければならない、
  • −機械類に備えられたレーザ装置は、放射、反射または拡散で生じる放射、及び二次放射が健康に障害を与えないように防護されなければならない、
  • −機械類に備えられたレーザ装置の観察または調整用の光学装置は、レーザによる健康上のリスクを生じないようにしなければならない。
1.5.13 危険な材料や物質の排出(Emissions of hazardous materials and substances)

機械類は、機械類が発生しえる危険な材料や物質の吸入・摂取・皮膚や目および粘膜への接触、および皮膚を通しての進入などのリスクを回避できるように設計・製造しなければならない。

危険を除去できなかった場合は、機械類は、危険な材料および物質を収納・排除・水の散布・フイルタリングをする装置を備えなければならない、または他の同等の効果が得られる方法によって処理しなければならない。

工程が機械類の正常な運転中に全体的に囲まれない場合には、収納および/または 排除のための装置は、最大の効果を得るように設置されなければならない。

1.5.14 機械に取込まれるリスク(Risk of being trapped in a machine)

機械類は、人が内部に閉じ込められることを防止するための手段を設計・製造し設置するか、これが不可能な場合は、中から助けを呼ぶための手段を設計・製造し設置しなければならない。

1.5.15 滑ったり、つまずいたり、転倒したりするリスク(Risk of slipping, tripping or falling)

人が動き回ったり立ったりする機械類の部分は、これらの部分に出入りする人が滑ったりつまずいたり転倒したりすることを防止するように設計・製造されなければならない。

適切な場合は、そのような部分は、使用者に対応して固定し、かつ使用者の安定性の確保に有効である手摺りを設置しなければならない。

1.5.16 照明(Lightning)

その使用中に照明の効果に対して保護が必要な機械類は、結果的に大地へ地絡する接地のシステムを設置しなければならない。

1.6  保守(MAINTENANCE)

1.6.1 機械類の保守(Machinery maintenance)

調整および保守の作業位置は、危険区域外に配置しなければならない。機械類の停止中に調整・保守・修理・清掃およびサービス作業を実施することが可能でなければならない。

上記条件のひとつ以上が技術的理由で満足できない場合は、それらの作業が安全に(1.2.5節参照)実行することができることを確保するための対策が講じられなければならない。

自動化機械の場合、また必要に応じて他の機械の場合でも、故障検出をする診断装置の取り付けのための接続器具を備えなければならない。

頻繁に変更することが必要な自動化機械類の構成部品は、容易で安全に取外したり取替えたりすることができるものでなければならない。そのような構成部品への接近は、特定の作業方法に従った必要な技術的手段によって実行できる作業としなければならない。

1.6.2 操作位置及び作業位置への接近(Access to operating positions and servicing points)

機械類は、機械類の操作・調整及び保守の作業を行うために介在する必要のあるすべての場所に、安全に接近できるように設計・製造されなければならない。

1.6.3 動力源の遮断(Isolation of energy sources)

機械類は、すべての動力源から機械を遮断する手段を設けなければならない。このような遮断装置は明瞭に識別されなければならない。再接続が人を危険にする可能性がある場合は、動力源遮断の手段は施錠式でなければならない。操作者が接近できる位置から動力源の遮断状態を確認できない場合は、遮断装置は施錠されなければならない。

プラグの差込だけで電源供給される機械の場合は、操作者が接近できる位置からプラグが抜取られている状態を確認できれば、プラグを抜取るだけで十分である。

動力源の遮断後に機械の各回路に残留したエネルギーまたは保存されたエネルギーは、人を危険にさらすことなく消散できなければならない。

上記の要求事項の例外として、ある種の回路は、例えば部品の継続的保持・情報の保護・内部照明・その他の目的で、動力源に接続された状態でよい場合がある。この場合には、操作者の安全を確保するための特別の対策が講じられなければならない。

1.6.4 操作者の介在(Operator intervention)

機械類は、操作者の介在の必要性を制限するように設計・製造し装備されなければならない。操作者の介在の回避が不可能な場合には、操作者の介在が容易に・安全に実行できるようにしなければならない。

1.6.5 内部部品の清掃(Cleaning of internal parts)

機械類は、危険物質または薬剤を含む内部部品の清掃が、内部に入らないでできるように設計・製造しなければならない。また、外部から閉塞を解除できるように設計・製造しなければならない。機械類の内部へ入ることを回避できない場合には、清掃を安全にできるように設計・製造しなければならない。

1.7  情報(INFORMATION)

1.7.1 機械類上の情報および警告(Information and warning on the machinery)

機械類上の情報および警告は、なるべく容易に理解しやすい記号または絵文字の形式で備えられる必要がある。すべての文字または口頭での情報や警告は、公式なEU共同体言語で表現するか、または当該機械が市場に出されるおよび/または使用される加盟国の条約に従って決定された言語で表現されなければならない。また、要求によっては、公式のEU共同体言語以外の言語版または該当する操作者が理解できる言語版で表現でもよい。

1.7.1.1情報および情報装置(Information and information devices)

機械類を制御するために必要な情報は、曖昧さがなく理解しやすい形式で備えられなければならない。この情報は、操作者に負担を与えるほど過剰であってはならない。

操作者と機械との間での視覚的表示装置またはその他の情報交換手段は、容易に理解でき容易に使用できるものでなくてはならない。

1.7.1.2警告装置(Warning devices)

機械類の非監視運転中での不具合によって人の健康と安全が危険にさらされるような場合には、機械類は、適切な音響または光の信号を与えるような警告装置を備えなければならない。

機械類が警告装置を備える場合、これらの装置は曖昧さがなく、認識しやすいものでなければならない。操作者が、このような警告装置の動作を常に確認するための手段を備えていなければならない。

色および安全信号に関する特定のEU共同体指令の要求事項が、遵守されなければならない。

1.7.2 残留リスクに対する警告(Warning of residual risks)

本質的安全設計、安全防護及び付加保護方策を講じたのにもかかわらず依然としてリスクが潜在する場合には、警報装置を含み必要な警告手段を設けなければならない。

1.7.3 機械類の表示(Marking of machinery)

すべての機械類は、少なくとも下記事項を明瞭で読み易くかつ消去不能な方法で表示しなければならない:

  • −製造者、適切な場合にはその正当な代理人の氏名及び住所、
  • −機械類の名称、
  • −CEマーキング(参照、付属書V)、
  • −製品シリーズ又は型式の名称、
  • −該当する場合、製品番号、
  • −製造の年、これは製造工程が完了した年、

機械類のCEマーキングを添付するとき、日付を先行させたり、遅れさせることは禁止されている。

さらに、爆発雰囲気での使用のために設計・製造された機械類は、それに対応した表示をしなければならない。

機械類は、その該当型式についての情報、および安全な使用にとって必須な情報も、すべて表示しなければならない。これらの情報は、項目1.7.1で規定した要求事項の対象である。

機械部分が持ち上げ装置で取り扱わなければならい場合、その質量を読み易く消えにくく曖昧さのないように表示しなければならない。

1.7.4 取扱説明書(Instructions)

すべての機械類は、公式なEU共同体言語で表現した、または当該機械が市場に出されるおよび/または使用される加盟国の言語で表現した取扱説明書を添付しなければならない。

その機械類に添付される取扱説明書は、「原文の取扱説明書」であるか、または「原文の取扱説明書の翻訳」でなければならない。翻訳の場合には、原文の取扱説明書を添付しなければならない。

例外として、製造者またはその正当な代理人によって権限を委譲された特定人員が使用する保守用取扱説明書は、当該特定人員が理解する一つだけのEU共同体言語のものを提供すればよい。

取扱説明書は、以下に規定する原則に従って作成されなければならない。

1.7.4.1取扱説明書作成のための一般原則(General principles for the drafting of instructions)
  • (a)取扱説明書は、一つ以上の公式なEU共同体言語で作成されなければならない。「原文の取扱説明書」の言語は、製造者またはその正当な代理人によって立証された言語版で出版されなければならない。
  • (b)機械類が使用される国の公式なEU共同体言語の「原文の取扱説明書」がない場合には、それらの言語への翻訳版は製造者またはその正当な代理人によって、または当該機械類を問題の言語領域に持ち込む者によって、準備されなければならない。その翻訳版には、「原文の取扱説明書の翻訳」の文字を記載しなければならない。
  • (c)取扱説明書の内容は、機械類の意図する使用を扱うばかりでなく、すべての合理的に予見可能な誤使用についても配慮するものでなければならない。
  • (d)非専門操作者による使用も意図されている機械類の場合、使用される取扱説明書の作成および割付は、そのような操作者であることから、合理的に予想できる一般的な学歴及び理解度のレベルも考慮しなければならない。
1.7.4.2取扱説明書の内容(Contents of the instructions)

各取扱説明書は、該当する場合は少なくとも次に示す情報を含まなければならない:

  • (a)製造者、またはその正当な代理人の氏名及び住所;
  • (b)製品番号を除いて、機械類自体に表示された機械類の名称(項目1.7.3 参照);
  • (c)EC適合宣言、または機械類の特性を示すEC適合宣言の内容を規定した文書、これには製品番号及び署名を強制規定としていない;
  • (d)機械類の一般的な説明;
  • (e)機械類の使用・保守・修理作業および正常な機能を点検するために必要とされる図面、図表、説明及び解説;
  • (f)操作者が占める作業場所の説明;
  • (g)機械類の意図する使用の説明;
  • (h)機械類があってはならない使用法で使用されないようにするための警告;
  • (i)図面・図表および取付手段を含む組立・据付および結合の取扱説明及びその機械類が据付けられる車台(chassis)又は設備の指定;
  • (j)騒音または振動を低減するための据付や組立についての取扱説明;
  • (k)機械類のサービス及び使用に関する説明、必要な場合は、操作者の訓練に関する説明;
  • (l)本質的安全設計、安全防護および付加保護方策を講じたのにもかかわらず依然として潜在する残留リスクについての情報;
  • (m)適切である場合には、備えるべき個人用保護具を含み、使用者によって講じるべき防護方策についての説明;
  • (n)機械類に付属される工具に関する基本的特性;
  • (o)機械類が使用・輸送・組立・サービス終了後や点検または予見可能な破損時の分解作業における安定性の要求事項を満たす条件;
  • (p)輸送・取扱・保管作業が安全にできることを確保する観点からの説明、機械類の質量および通常分離して輸送される種々の部品の質量の情報;
  • (q)事故または破損の場合に継続されるべき運転方法;阻害が起きそうな場合に設備が安全に阻害を排除できるようにするための運転方法の情報;
  • (r)使用者によって実施されるべき調整・保守作業の説明および監視されるべき予防保全対策;
  • (s)調整・保守が安全に実施されるように設計された取扱説明、これらの作業中講じられるべき防護対策を含むもの;
  • (t)操作者の健康や安全に影響を与える場合、使用される代替部品の仕様;
  • (u)大気中への騒音放出に関する次の情報:
    • −作業場所でのA特性音圧レベル(A-weighted emission sound pressure level)が70dB(A)を超える場合はその値、70dB(A)を超えない場合は、その事実を表示しなければならない、
    • −作業場所でのピークC特性瞬時音圧(peak C-weighted instantaneous sound pressure value)が63Pa(20µPaに対して130dB)を超える場合はその値、
    • −作業場所でのA特性音圧レベルが80dBを超える場合は、機械類から放出されるA特性音源パワーレベル(A-weighted sound power level)。

      これらの値は、問題の機械類について実際に測定されたものであるか、生産される機械類を代表する技術的に同等な機械について採られた測定値として確定されたものであるかのどちらかでなければならない。

      非常に大型の機械類の場合、A特性音源パワーレベルの代わりに機械類周囲の指定位置におけるA特性音圧レベルを示すことができる。

      整合規格が適用できない場合、騒音レベル(sound levels)は当該機械類について最も適切な方法で測定しなければならない。当該機械に放出騒音量(sound emission value)が表示される場合は何時も、これらの値の周囲の不確定さを明示しなければならない。すなわち、測定時における機械類の運転条件及び使用された測定方法を記述しなければならない。

      作業場所が規定されていない場合または規定できない場合、A特性音圧レベルは、機械類表面から1mの距離で、床面又は作業台から1.6mの高さで測定しなければならない。このとき、最大音圧を示す位置とその値を明示しなければならない。

    • 個別のEU共同体指令が、音圧レベル(sound pressure levels)又は音源パワーレベル(sound power levels)の測定に関して別に要求事項を規定している場合は、それらの指令が適用されなければならない、また、このセクションの対応する条項は適用する必要はないものとする。

  • (v)機械類が人に危害を及ぼす非イオン化放射を放出するような場合、特に埋め込み医療器具を有する人の場合には、操作者又は露座者に対して放出される放射についての情報。
1.7.4.3 営業用文書(Sales literature)

当該機械類を記述する営業用文書は、健康および安全を考慮している取扱説明書に反するものであってはならない。機械類の機能特性を記述する営業用文書は、取扱説明書に含まれている内容にしたがって放出に関する同様な情報を含まなければならない。

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