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成功は偶然ではない

資料出所:European Agency for Safety and Health at Work発行パンフレット
「SUCCESS IS NO ACCIDENT」より
(訳 国際安全衛生センター)


欧州労働安全衛生週間については下記のサイトでご覧いただけます。
http://osha.europa.eu/ew2001


欧州連合地域全体では毎年、労働に関連する災害のために5,500人が死亡し、1億4600万時間の労働が失われている。しかしこれらの事故のほとんどは回避できたはずのものである。労働災害の防止が今年の欧州労働安全衛生週間の主要目標となったのはそのためである。



欧州労働安全衛生週間とはどんなものか

2001年欧州労働安全衛生週間は、労働関連災害の発生数と重篤さを引き下げる活動を推進することによって、欧州を働く上で安全かつ健康な場所にすることを目標にした、情報キャンペーンである。すべての加盟国、欧州委員会、欧州議会、労働組合、経営者連盟などの支援の下で、このキャンペーンは職場における安全衛生の重要性を認識する重要な機会を提供している。

欧州週間を主催するのは誰か

週間行事の主催は、欧州安全衛生機構で、EU全加盟国およびそれ以外の国を含めて、活動が展開される。同機構は欧州連合で労働安全衛生情報を担当する機関である。

週間はいつ実施されるのか

週間自体は2001年10月に実施されるが、キャンペーンは2001年中を通じて継続される。加盟各国は10月中にそれぞれの週間の実施期日を決める。

欧州週間には誰が参加できるのか

週間はすべての規模、業種の団体、企業、職場が対象になっている。労働安全衛生の問題に関係するすべての人々に参加が要請されている。とりわけ安全衛生機関、労働災害保険機関、労働組合、経営者団体、企業、経営者、従業員、安全代表などが対象である。中小企業の労働者は特に労働災害を経験するリスクが高いため、欧州の中小企業を対象とする災害防止プログラムも、2001年欧州週間で実施されることになっている。



なぜ欧州は労働災害の問題に対処しなければならないのか

欧州全域を通じて、労働災害の発生は今もなお、高い水準にある。

  • 労働災害による死亡者は毎年5,500人に達する。
  • 欧州での労働災害は年間450万件を超え、その結果4日以上の休業のために約1億4600万時間失われている。
  • 労働災害の直接の保険コストだけで年間200億ユーロに達すると推定されている。
  • 職場での事故のために、病気欠勤、生産や事業の損失、熟練社員の喪失、新規従業員の雇用など、多くのコストを要している。
  • 災害は経済のあらゆる部門で発生し、特に従業員50人未満の企業にとっては深刻な問題になっている。
  • 滑る、つまずく、墜落・転落するなどが災害の原因の多くを占めている。続いて手作業、飛来・落下による、輸送中の事故などが目立つ。
  • 高所からの墜落・転落、車両に関係する事故が死亡災害の大きな原因である。



災害には必ず背景がある

事故の多くは防止できるものである。

欧州連合は、労働者を保護し、労働安全衛生を改善するための指令を採択している。そのための措置としては、労働災害を防止することを目的とした、最低必要条件がある。また個別の指令によって、たとえば安全管理、作業用具、安全表示の利用、個人用保護具、建設現場などの枠組みが決められている。加盟諸国は災害リスクを予防するための法令を制定しており、実際的ガイドラインや予防のためのツールなども提供されている。

労働関連の災害を減らすことは、道徳的または法律的な課題にとどまらない。災害防止は事業の上でもぜひ必要なことなのである。成功している企業はみな最高の事故防止記録を持っている。安全衛生の向上はビジネスとしても優れた戦略なのである。



積極的な関与を

皆さんもぜひ2001年欧州週間に参加していただきたい。それは皆さんにも次のようなことができるからである。

  • 職場をより安全で衛生的な場所にするために、従業員や経営者の安全衛生に関する意識を高める。
  • 優れた安全衛生戦略はすぐれたビジネスでもあることを実証する。労働災害の防止に協力し、時間と費用を節約する。
  • 欧州において災害による人間と経済的な犠牲を減らすことに貢献する。


雇用社会問題担当欧州委員のアンナ・ディアマントポウロウは「欧州では非常に多くの人々が生活のために健康を犠牲にし、時には命まで落としている。労働関連の災害コストを減らすことは、今年の欧州週間の中心目的である。私はすべての企業にこの課題に取り組み、積極的に関わりを持つことをお願いする」と述べている。


広範囲の活動

2000年の欧州週間では、欧州全域で数千に上る活動が展開され、特に腰痛や反復的負荷傷害などの作業関連筋骨格系障害の問題に取り組むための、予防措置の重要性が強調された。多くの組織が共同で活動するために手を組んで運動に加わった。今年の週間におけるわれわれの目的は、こうした活動の輪をさらに広げ、より多くの組織、企業、個人の参加を得ることにある。

欧州週間の活動には既定の方式があるわけではなく、ごく簡素な活動から非常に意欲的な運動まで幅広く展開される。次のような種類の活動が予想できる。

  • 職場における個別的なリスク特定とアセスメント活動、および安全監査
  • 研修セミナーまたはワークショップ
  • 職場の安全衛生展示
  • 職場における安全衛生意識向上のための情報資料
  • 大企業が中小企業をサポートすることを奨励する「よき隣人」制度
  • 正しい慣行を開発、交流するためのコンペまたは提案制度
  • 労働者および/またはその代表者の参加を奨励
  • 週間のうちに新しい事業場政策または災害防止活動を発足させる


正しい慣行の表彰

週間行事の一部として、欧州安全衛生機構は企業内で災害防止にすぐれた、さらにさらに革新的な貢献をした企業、団体を顕彰するために、「優秀慣行表彰制度」を実施している。この表彰は11月の欧州週間の閉幕式典に際して、ブリュッセル(ベルギー)で行われる。表彰制度の詳細や参加方法などは、同機関のウェブサイトや各国の連絡担当機関で知ることができる。



週間についての詳しい情報、連絡先

週間についての一般的情報

欧州週間のウェブサイト(http://osha.europa.eu/ew2001)を見ていただきたい。また欧州週間キャンペーン、中小企業災害防止プログラムの新しい情報も見られる。欧州安全衛生機構のメインサイト(http://osha.europa.eu)では多くの労働安全衛生情報にアクセスできる。

欧州労働安全衛生機構
GraVia, 33
48009 Bilbao-Spain
Tel:+34 94 479 4360
Fax:+34 94 479 4383
e-mail: information.osha.europa.eu



*)200億ユーロ-----日本円 約2兆2290億円 (2001年8月14日11:00現在)