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試験・認証機関から見た認定事情
Accreditation from the Point of View of a Testing and Certification Body

資料出所:KOMMISSION ARBEITSSCHUTZ UND NORMUNG
(KAN−ドイツ労働基準委員会)発行
KANBRIEF」2003年第2号

(仮訳 国際安全衛生センター)
原文はこちら



認定…多くの試験・認証機関の目から見ると必要だが、通常は人気の無いテーマである。何故必要なのか。「認可された機関(authorized bodies)」だけが認証済安全証として自主的GSマークを与えることができるからである。そして、「指定された(designated)」すなわち「通知機関(notified bodies)」だけが、EC指令の範囲内で試験・認証することができるからである。

 前向きに見ると、認定とは試験・認証機関にとって一種の宣伝広告のようなものである。つまり、製造者、購入者、国家機関及びその他の試験・認証機関が、当該機関が必要な資格を有しかつ正しい方法を採用しているという自信を持てることを示している。これを実現するのが、認定機関の仕事である。
 考えるべき第一の問題点は、試験・認証機関が告示申請した分野で必要な技術的能力を有しているかどうかである。認定プロセスは、この問題にごく簡単に答えを出せるようなものでなければならない。しかし、

多くの他の手順とは異なり、単なる「標準規格についての知識」だけでは欧州指令に準拠した試験として十分なものではない。通知機関は、関連指令の基本的要件が満たされているかどうか評価しなければならない。通知機関は、例えば、革新的な製品が整合規格(harmonized standards)に準拠していないとしても、適合性評価を実施しなければならない。BG試験・認証機関の経験から見ると、多くの通知機関及びこのような認定分野は、この点に関し追いつくべき多くの事項がある。
認定範囲を決定する際には、技術的能力もまた考慮に入れなければならない。「全ての付属文書IVの機械類(for all Annex IV machines)」に対し、告示されているいくつかの機関がある。しかし現実的には、このような広い範囲をカバーできるような機関はほとんど無い。

 技術的能力と同様に、試験・認証機関の方法、形式的な側面(試験に必要な機器へのアクセス及び機関の組織)も主たる重要事項である。構築化された手続きの無いお粗末な組織の機関は、ほとんど透明性の高い結果を出すことはできない。しかし、もし試験・認証システムが信頼を作り出すとしたならば、そのような結果は重大である。
 形式的側面のほかに、試験・認証手続の実際の結果がある。試験・認証機関は市場で生き残ることができなければならない。このことは時折、試験品質の危ない綱渡り(balancing act)をもたらし、場合によっては試験・認証機関が競争相手に比べて不当に費用優位性をもつという結果を招きかねない。このような状況は、使用共通勧告(common recommendation for use)―――残念ながらまだ拘束力がないが―――を準備することで、試験・認証機関に対する欧州調整機関によって多少なりとも解決することができるだろう。公正な競争が促進されるかどうかを認定機関が試験・認証機関の業務を絶えず監視することも本質的に重要である。
 現在、認定機関及び認定標準規格は、形式的側面の法順守に焦点を当てているようである。それと同じくらい重要なこととして、例えば過度の文書作成義務が要求されるとするならば、組織が大きくなりすぎるといった問題につながる。このことは、試験・認証機関にとって、目に見える利益がないにもかかわらずコストが増加する原因ともなる。
 試験・認証機関に対する統一要件は大変重要である。例えば、色々な単一市場指令での特定要件を統一して、これらを1つの横断的な指令にまとめ上げることは、役に立つとことと思われる。
 国際的に認められた標準規格に基づく認定は、認知度の面で製造業者及び試験・認証機関に役立つとものと思われる。国際標準規格でカバーされていない欧州特有の条件は、この地域のみに適用される1つの欧州標準規格にまとめることができるだろう。
 結局、より安全な製品を担保するためには、認定プロセスは試験・認証機関の能力及びその実際の方法―――単に標準規格に合った文書に書かれた方法ではなく―――にもっと重点を置かなければならない。このアプローチは、認定機関によるシステマティックかつ徹底した監視を必要としている。