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香港 職業安全健康局(OSHC)の概要

(資料出所:職業安全健康局発行パンフレット)
(訳 国際安全衛生センター)



ビジョン

全ての人々が、危険のない安全な職場で労働することが出来るよう、香港において指導的役割を果たす組織になることが、我々の目的です。


使命

職業安全健康局の使命は、香港における職場環境の安全・衛生を高めることです。
この使命をはたす為に、我々は、政府・雇用主・専門家達の皆様と協力して、幅広い質の高いサービスを提供し、以下の効果をあげるよう努力しております。
    
  • 青少年向けの安全衛生
  • 働く人々の為の安全教育
  • 継続した専門知識の啓発
  • 地域レベルでの安全に関する考え方や意識の確立
  • 最善の安全訓練・安全管理に関する、全ての規模の会社に向けた相談、指導対策
  • 新しい情報、物証を見出す為の安全衛生研究への着手
  • 一般の人や特定のグループ向けの、安全衛生情報の普及
  • 国際的レベルでの、香港や中国の他の地域への協力・情報提供の中心としての使命



機能 役目

1998年、労働安全衛生規則の制定を受けて設立されました。職場での安全衛生の促進と、香港の貴重な労働力を維持する為の法令に基づいた団体です。地域における労働安全衛生の促進、教育訓練、相談窓口を提供するばかりでなく、政府、雇用主、従業員、専門家、研究者達との研究・戦略開発、情報の普及、交換を行っております。


組織

職業安全健康局のメンバーは、3年ごとに香港特別行政地区の長によって任命され、政府・雇用主・従業員・専門家達の中からバランスよく選出されます。様々な分野からの人材、情報は、IBSH(Industry-based safety and health)から得られ、産業界と健康局の前線で活躍する人々とのコミュニケーションを円滑なものにしています。
職業安全健康局の主な財源は、労災保険でまかなわれており、その他の収入は、教育訓練、相談料のような、当局が提供する種々のサービスから得られる収入で成り立っています。


地域とのかかわり

優先すべきものの一つは、地域の住人に、仕事上の安全に関する意識を高めてもらうことです。キャンペーンは、労働安全衛生週間、労働衛生デー、緑字デー、建設安全日、工場内整頓日のように、公共のイベントとして行われ、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ局のようなマスメディが、情報の普及に効果的な役割を果たしています。
職業安全健康局の仕事は、香港における職場での安全性を高める為に、政府の各部署や地方の機関と密接に関わりあいながら行われています。日常生活全般における安全に関する知識、具体的な安全性を確立する為に、二つの地域社会を最初にうまく構築したのが、Tuen MunとKwai Ching地区です。安全に関する考え方は、若い時期に啓発される為、職業安全健康局は、彼らに職場での危険を認知してもらう為に毎年、青少年労働安全キャンペーンを企画しています。香港科学博物館内に位置し、相互に作用しあう出展物からなる労働安全衛生ギャラリーは、青少年ばかりでなく成人にも大きな魅力となっています。又、当局は、“従業員参加の職業安全衛生計画”(OSHEPS)によって創設されたこの公共のキャンペーン計画を、従業員に奨励しています。


将来における教育訓練


職業安全健康局は、一般向けに 大変バラエティーに富んだ質の高い教育訓練を提供しており、一般向けコースには、以下の七つの分野があります。
  • 特殊な産業向けの安全衛生コース
  • 監督者向けの安全衛生コース
  • 指導員資格コース
  • 安全衛生管理プログラム
  • ボイラー、レシーバー安全コース
  • 大学院の技術者向けの継続的な専門コース
  • 他の機関との合同コース
一般のコースとは別に、職業安全健康局は、各々の組織の需要にあわせたコースも用意しています。社内トレーニングの実行が組織にとって楽になるように、当局は、色々な安全衛生問題に関する、自己使用できる教育訓練キットを提供し、これらキットは、安全行動の改良において、特に小中規模サイズの組織にとっては大変役にたつものです。当局の教育訓練サービスは、学生にもそのサービスを拡大しており、教育部門と合同で、学生向けの夏期間の職業安全に関する教育訓練キットや、電気・化学物質の安全な使用方等を提供しています。


生産性向上

職業安全衛生局には、すぐれたサービスを提供する専門家からなるチームが、公的および私的部門に存在し、安全管理システムの開発、職業衛生評価、独自の安全検査を行っています。又、全ての建設現場に対して、安全検査を実施するよう 労働局と香港住宅供給公社によって命じられています。小中規模の機関を安全面の改良において支援する為に、飲食、印刷、自動車業界とともに、労働安全衛生計画を立案しました。機関を支援する為のその他の有効な方法は、緑十字を通してそのメンバー機関が、他の地域、海外での同じ目的をもった機関のベンチマークとなることです。


新分野の開拓

新しい技術と変化のおかげで、職場での安全衛生の為の優れた管理が可能になりました。職業安全健康局は、第3の協会やその他の機関に特殊な安全衛生問題に関する研究を委託しています。又、安全衛生に関する研究を奨励する為に、研究助成金の入札に関して地域への門戸を開いており、研究結果は一般に公表され、これらの貴重な結果は、職場で常に変化している問題に取りくむ為の優先順位や戦略を立てる上で大変役立っています。
最近の主な研究には、以下のようなものがあります。
  • 建設作業員の安全に対する意識
  • 保護帽の研究
  • コンピューター使用者の為のエルゴノミクス研究
  • 職場でのストレス
  • 飲食業に従事する従業員の安全に対する意識
  • 職業安全衛生に関する地域の意識

情報の発信、入手

職業安全健康局は、香港で最も大きな、安全衛生に関する図書館を所有し、数千冊にのぼる書籍、雑誌、ビデオ、VCD, CD-ROM、教育訓練用キットが、無料で一般に公開されています。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアからのCD-ROMに入ったわかりやすいデータベースも用意されています。
又、色々な話題に関する案内書、印刷物、ポスター、公報を発行し、無料で配布しており、隔月発行の”緑十字(Green Cross)”は、海外を含めて広く購読されています。
職業安全健康局は、安全衛生に関する出版物をすばやく検索できるCD-ROMを作成しました。情報へのアクセスを確実なものにする為に、情報は定期的に更新されています。
一般に、当局のウェブサイト www.oshc.org.hk から、安全衛生の情報を入手できます。


国際的ネットワークの構築

職業安全健康局は、国際労働機関(ILO)を含む世界の色々な地域からの職場における危害防止に、他の安全衛生機関と密接なかかわりを持ちながら仕事を行っております。我々は、国際社会保障協会(ISSA)とアジア太平洋労働安全衛生機構(APOSHO)のメンバーであり、カナダ オンタリオの労働災害防止協会と姉妹関係にあります。又、世界で第6番目の安全支援センターになることを世界保険機構(WHO)と合意しています。
又、各機関との交流を通して安全衛生に関する変化の先鋒であり続ける為に、安全衛生博覧会“2000”や、中国本土、台湾、香港、マカオで開かれる第13回APOSHO(アジア太平洋労働安全衛生機構)会議、博覧会、職業安全衛生セミナーのような国際会議等を主催しています。