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インドの小企業における作業環境リスクに焦点をあてる

資料出所:National Institute for Working Life発行
「WORKING LIFE」 2003年 No.2 p.2
(仮訳 国際安全衛生センター)

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 インドでは、労働力の80%がインフォーマルセクター(ほとんどが小企業)に雇われているため、作業環境問題を把握することは難しい。スウェーデンの国立労働生活研究所(National Institute for Working Life)は、小企業のオーナーが作業環境におけるリスクにもっと気づくようにするためのプロジェクトに力を入れている。

 「インフォーマルセクターでは、ほとんど女性だけが働いている。」と、"女性の健康"をテーマとしたニューデリーの科学会議に出席した研究員のCarina Bildtは、語った。

 Carina Bildtおよび彼女の同僚であるHanna WestbergとLena Karlqvistが、"安全衛生と環境:女性にとっての課題と機会(Safety Health & Environment: Challenges and Opportunities for Women)"というインドにおける会議で、国立労働生活研究所(スウェーデン)の代表を務めた。これは、2005年に、首都で開かれる「女性労働と健康の国際大会(Women Work & Health congress)」に先立つ予備会議であった。

 会議に関係して、Lena Karlqvisは、市の学校におけるエルゴノミクスに関するプロジェクトのリーダーの役を引き受けている。生徒と先生の両者がその問題について色々と教育を受けることになる。

 会議でLena Karlqvistは、女性の労働条件のエルゴノミクス面での改善について話をし、一方、Carina Bildtは、業務体制について話をし、そして、Hanna Westbergは、作業場における男女構成について論じた。

 「インドの女性は常に男性に従属している。女性たちが協同してスパイスを調合している職場においてさえ、生産の責任は男性が有していた。我々は、その女性たちに会うために許可を求めなければならなかった。」と、Hanna Westbergは、説明した。

 そのスウェーデンの研究員たちは、数日間インドの田舎の一地方を旅して、女性が道路建設で、田畑で、家で、建設現場で、そして工場で重労働をしているのを見た。

 「インドでは、建築材料にまだアスベストが使われている。アスベストをすり砕き、原料中に混合するのはたいてい女性である。ほんの6ヶ月で石綿肺になる。」とCarina Bildtは、指摘した。「インドでは女性がとても早く病気になるという事実は、又、家で有害な煙道からのガスを吸うからである。」ともCarina Bildtは指摘している。