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石綿を使用する労働者の労働安全衛生に関する
1985年労働大臣規則第3号
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労働大臣は、以下のことがらを考慮し、
a.今日、石綿産業はさらに発展し石綿の使用もさらに増加しており、石綿は
その他の原料では代替することのできない原料であってこれまでの開発過程の中で石綿の使用はこれを継続してきたこと
b.空気中に浮遊する石綿繊維の粉じんは人体に有害である、特に企業において石綿を利用する生産工程に働く労働者にとって有害であること
c.生産の工程において石綿を使用する企業において労働する労働者に招来するかも知れない危険を予防し労働者を保護するためには、石綿を使用する労働者の安全衛生に関する規定を定めることが必要であること
d.このためには労働大臣規則によって石綿を使用する労働者の安全衛生につ いて規定する必要があること
以下の法令に鑑み、
1.1969年法律第14号
2.1951年法律第3号
3.1970年法律第1号
4.1983年大統領決定第45/M号
5.1984年大統領決定第15号
石綿を使用する労働者の安全衛生に関する労働大臣規則を以下の通り定める。
第1章 理解
この規則において用語の意味は次の各号に定めるところによる。
a.労働者とは賃金を得て作業場において労働する者をいう。
b.管理者とは作業場あるいは独立した作業場と同様の場所を直接管理するこ とを職責とする者をいう。
c.排気装置とは、ふるい、清浄パイプ等の機器によって作業環境からほこり を排気する装置をいう。
d.石綿とはセメントその他の物にまだ混入されていない石綿繊維をいう。
e.作業場とは密閉されたあるいは開放された、動いているあるいは静止して
いる部屋あるいは場所であって、必要あるいは仕事のために労働者が頻繁に出入りし危険が存在する場所
f.石綿の許容値とは、この値より低い値であれば1日8時間、1週40時間
暴露しても労働者の身体、健康に影響が現れない空気中の石綿繊維の濃度をいう。
g.監督官とは、大臣に任命された特別の専門を有している労働省の監督官を いう。
i.大臣とは、労働問題を担当する大臣をいう。
第2章 石綿の使用
第2条
石綿あるいは石綿を含有する物は噴射の方法による使用をしてはならない。第3条
青石綿を使用する工程、作業は禁止する。
第3章 管理者の責務
第4条
(1)使用者は次の責務を有する。
- 労働者の保護具を設置すること
- 次のことがらについて労働者に説明を与えること
1)石綿に暴露することにより生じる可能性のある危険
2)安全な作業方法
3)保護具の正しい使用方法
- 作業工程を開始する14日前までに生産工程、使用あるいは掘削する石 綿の種類、製品、活動の場所を書面により大臣に通知すること
- 作業場所の一定の場所に、上記の場所にいる者は指示通りの方法により
保護具を使用しなければならない旨記した印あるいは標識をたやすく見るあるいは読むことができる位置におくこと
(2)管理者は労働者が法令の規定を遵守するようにできるだけの措置を取らなければならない。
第5条
(1)管理者は作業環境中に浮遊する石綿繊維について、3カ月1回あるいは
一定の期間ごとに石綿粉じんの濃度が高いと思われるいくつかの場所においてサンプリングを行いこれを管理しなければならない。
(2)石綿粉じんの分析は労働省産業衛生研究所、労働大臣が認定した研究所、あるいは、大臣が指名した職員が行う。
(3)労働大臣あるいは労働大臣が指名した者は第2項の分析結果を調査する権限を有する。
第6条
管理者は石綿を掘削する鉱山あるいは使用する作業場において労働する労働者に対し石綿の危険性とその危険を予防する方法について詳細に説明した冊子を与えなければならない。
第7条
管理者あるいは管理者に指名された労働者は、その作業場に臨検に来た監督官が要求した場合十分な説明と情報を与えなければならない。
第4章 労働者の責務
第8条
(1)労働者は労働を行っている間は必要な保護具を使用しなければならない。
(2)労働者は保護具及び衣服をあらかじめ定められた場所において装着、脱 着をしなければならない。
(3)労働者は次の場合には管理者に報告しなければならない。
- 作業機器が壊れた場合
- 保護具が壊れた場合
- 部屋の排気装置、その他安全装置が壊れた場合
第9条
法令に定められた許容値を超えるような場所においては、労働者は特別呼吸器あるいは特別の保護具を使用しなければならない。
第5章 保護具
第10条
ある労働者がすでに使用した保護具及び衣服は、それを再度洗浄した後でなければ、他の労働者が使用してはならない。
第11条
(1)保護具の洗浄は工場内で行う。
(2)衣服の洗浄は次の場所で行う。
- 作業場
- 作業場以外の場所。この場合は衣服を濡らしたまま密閉した容器に入れ明確に「石綿の付着する衣服」との表示をして運搬すること
(3)すでに使われた衣服は洗浄をし定められた場所に保管する。
第6章 作業環境の清潔
第12条
(1)すべての作業部屋には空気中の石綿繊維の値が許容値以下になるような排気装置を取り付けなければならない。
(2)排気装置は作業工程が動いている間、修理中の期間、及び、点検中は作動させなければならない。
(3)管理者は排気装置を3カ月に1回点検しその記録を最低3年間保存しなければならない。
(4)排気装置、保護具、及び、第3項の点検記録をはこれを監督官が検査する。
第13条
(1)石綿繊維が詰まった排気装置のフィルターバッグは石綿が拡散しないように密閉した場所に保存する。
(2)フィルターは指定された者が洗浄し交換する。
第14条
(1)石綿の製造工程に使用した機械、修理器具、掘削機器等は、常に洗浄し石綿が堆積しないようにしなければならない。
(2)石綿を洗浄するには圧搾空気を用いてはならず、吸引式、湿式の方法、その他石綿繊維を吸引するタイプの方法で洗浄しなければならない。
(3)第1項及び第2項の洗浄を行う者は保護具及び呼吸器を使用しなければならない。
第15条
(1)石綿を用いる場所で用いる石綿を包装するもの、袋は石綿が出ないようようなものでなければならない。
(2)石綿あるいは石綿を含有したごみは、石綿セメントあるいは石綿を封じ
込めた物の他は、完全に密閉していない容器によって貯蔵、運搬、配送をしてはならない。
(3)石綿あるいは石綿のごみを入れてある容器は石綿セメントあるいは石綿
を封じ込めた物の他はすべて「石綿を吸引してはならない」という表示しなければならない。
第16条
(1)石綿を包装するもの、袋は使用済みのものは再度使用することのないよ う廃棄する。
(2)石綿を含有するごみは少なくとも25センチメートル以上の土をかける
かあるいはその他適当な方法で土中に石綿が拡散するようにして廃棄しなければならない。
第17条
(1)監督官が石綿繊維の濃度が許容値を上回っていることを発見した場合は
使用者に対して石綿を管理する技術を使用すること、呼吸器を設置すること、特別な防護服を容易すること等の措置を取ることを義務付ける権限を有する。
(2)使用者がその命令を受けても措置を取ろうとしない場合は、監督官は、
大臣を通じて企業を閉鎖する権限をもっている当局に対して当該企業を閉鎖するよう要請することができる。
第7章 労働者の健康診断
第18条
(1)石綿の工程あるいは仕事に従事する労働者は産業医の健康診断を受けなければならない。
(2)第1項の健康診断は1年に1回次の事項について行う。
- エックス線胸部写真(350×430)
- 労働者の作業歴
- 喫煙歴
- 化学検査
- 肺機能検査
(3)使用者は労働者の健康診断の費用を負担しなければならない。
第19条
(1)診断を行った産業医は診断結果を管理者に報告し石綿使用に起因する疾
病にかかっている労働者の氏名を知らせるとともに、今後取るべき措置について管理者に助言を与える。
(2)エックス線胸部撮影の結果を含む健康診断の結果は労働者が勤務してい る期間中管理者が保存する。
(3)管理者は、健康診断を行った遅くとも2カ月以内にその地の労働事務所 を通じて大臣に報告しなければならない。
第20条
大臣あるいは大臣に指名された職員は第19条の健康診断の条件及び頻度の変更を行うことができる。
第21条
(1)管理者は産業医がその診断結果に基づき労働者を配置転換させ石綿の暴
露される作業場所において労働させてはならない旨説明した場合にはこれに従わなければならない。
(2)第1項の労働者が以前の石綿に暴露される職場で労働することを希望す
る場合は、当該労働者が十分健康で石綿を含む職場において労働しても差し支えない旨を証明する産業医の証明書がなければならない。
第8章 罰則
第4条第1項、第5条第1項、第12条、第18条、第19条第3項、第21条第1項、あるいは、第23条に違反した者は労働安全衛生に関する1970年法律第1号第15条の規定に基づき3カ月以下の禁固あるいは10万ルピア以下の罰金に処する。
第9章 経過措置
第23条
この規則が施行されて後14日以内に石綿を使用するあるいは掘削する企業は大臣あるいは大臣の指名する職員に対して製造工程、使用あるいは掘削する石綿の種類、製品、住所を記した書類を添付して書類により報告しなければならない。
第24条
石綿をその工程において使用しあるいは掘削する企業がこれまでに労働者の健康診断を行ったことがない場合は、この規則が施行されて後90日以内に健康診断を実施しなければならない。
第10章
第25条
この大臣規則は定められた日より施行する。
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ジャカルタ
1985年6月4日
労働大臣 スドモ
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