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造船所でのアスベスト(石綿)暴露を調査
イタリア東北部のモンファルコネで

Claudilo BIANCHI,Alessandro BROLLO and Lucia RAMANI
Laboratory of Pathological Anatomy, Hospital of Monfalcone

資料出所:産業医学総合研究所発行「INDUSTRIAL HEALTH」2000年6月号
(訳 国際安全衛生センター)
                         
 イタリア東北部のモンファルコネ地域は小さな工場地帯だが、大きな造船所を持っている。モンファルコネ病院では地域における石綿暴露の実態を調査するため、1979年10月から1998年9月までの間に、3,640体の死体解剖結果を調査した。胸腔の胸膜斑が調査され、斑は大、中、小の3段階に区分された。肺組織の組織断面も検査され、石綿の存在がチェックされた。1,075例において石綿塊の確認と計算が行われた。1,277例について生涯の職業データが集められた。胸膜斑は男性の70.5%、女性の23.8%に確認された。 

 調査期間を通じて、胸膜斑の発見件数には特に変化はなかった。石綿塊は男性の23.7%、女性の3.0%の肺断面で発見された。この調査では造船所の労働者が最も多数を占めたが、高い胸膜斑(全体で86.7%、大型斑が32.4%)、肺断面で発見された石綿塊の率も高い(35.3%)ものであった。確認後の肺の石綿塊の量も多かった。こうしたデータは、造船所地域では、石綿の暴露が危険な水準に達していることを示唆している。

このアブストラクトの出典「INDUSTRIAL HEALTH」(アブストラクト、全文ともに掲載)は国際安全衛生センターの図書館でご覧いただけます。