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東部アフリカにおける労働安全衛生
Occupational safety and health in East Africa

資料出所:フィンランド労働衛生研究所
(FIOH:Finnish Institute of Occupational Health)発行
African Newsletter on Occupational Health and Safety
Volume 15, No.1, April 2005「Ergonomics」 p.19)

(仮訳 国際安全衛生センター)


 2004年12月15日〜16日、タンザニアのアルーシャにおいて、ケニア、タンザニア、ウガンダの労働安全と衛生について検討する2日間の会議が開かれた。本ワークショップの主催者はILOダルエスサラーム支局長アリ・イブラヒム氏、アジスアベバ支局のフランクリン・ムッチーリ氏である。ILO本部からはシェンリ・ニウ博士とコンスタンティン・ノビコフ氏が出席した。また、WHOからはWHOアフリカ支局(コンゴ、ブラザビル)のテーベ・プレ氏が出席した。さらに会議に出席した3ヶ国のWHO代表も出席した。3ヶ国からは、それぞれ政府、経営者組織、労働者組織の3者が出席し、それぞれ積極的に議論に参加し、ワークショップは成功に終わった。フィンランド労働衛生研究所は、本会議にオブザーバーとして出席する栄誉を得た。

 本会議の目的は、当該地域における労働安全衛生の法規制や慣行の統一を進めることが可能かどうかを検討することであった。ワークショップの議論は、会議3ヶ国の長年に渡る労働安全衛生分野での協調関係に基づくものであった。

共通課題

 労働条件には世界中である程度の共通点があるが、特に東アフリカのように各国の文化や言語が似通っている場合はなおさらである。3ヶ国はILOの様式に従い、それぞれ国内労働安全衛生状況調査書を作成していた。会議ではこれらの調査書を簡単に紹介し、議論やグループワークの材料として使用された。

 最初のグループワークは国ごとに行われた(政府、経営者、労働者による)。その目標は、各国の労働安全衛生の長所、弱点、課題を整理することである。また、各グループは、国ごとの行動優先順位を決定した。

 2つめのグループワークは、労働安全衛生政策および法規制の地域統一をテーマとするものである。また、行動計画策定への提言が提出された。このグループワークは各国と参考グループにより構成された。第2日目は非常に長くなり、12時間検討を続けた後も出席者はまだ意欲と情熱にあふれ、ワークショップからの勧告案の修正・遂行に取り組んでいた。会議は前進、理解、検討、学習への情熱に満ちあふれていた。

 2日間の検討を通して、各国に共通の課題として、労働安全衛生法の改正と統一、安全衛生意識高揚、安全衛生における能力向上、職場におけるHIV/AIDS予防、児童労働の根絶等々、様々なテーマが確認できた。

 各国はそれぞれ職場の安全衛生状況を改善する計画を策定中である。ILOとWHOは連携してこれらの改善計画の支援にあたる。また、フィンランド労働衛生研究所が特別フォローアップ・プログラムを通じて協力できるかどうかも近く明らかになるであろう。協力できる場合、フィンランド外務省の開発計画の一環として行われる。これらの計画は現在検討中である。

スヴィ・レティネン
フィンランド労働衛生研究所