このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
国際安全衛生センタートップ国別情報(目次) > 韓国 労働省が「クリーン3Dプロジェクト」を立ち上げ

労働省が「クリーン3Dプロジェクト」を立ち上げ

‐17万の小規模事業体(従業員50人未満)の労働環境を改善 -

資料出所:A Quarterly Safety & Health Newsletter from KOREA、2000年秋季号
(訳 国際安全衛生センター)


従業員50人未満の事業場では事故が頻発しており、その労働環境を改善するため、労働省は産業安全衛生計画の一環として「クリーン3D(Danger、Dirtness、Difficulty)プロジェクト」を2000年後半に開始することを決定した。同省はこのプロジェクトによって17万の建設・製造現場を「安全で健康な職場」に変えようとしている。

今年は産業現場で事故が多発しており、全事故の68%が従業員50人未満の小規模事業体に集中している。こうした状況を踏まえ、同省はこれらの小規模事業体を中央で管理することにより、また多くの安全衛生関連担当官の注意を引くことにより、産業事故を防止するとともに労働者不足を解消しようと計画している。

労働省は8月21日、今年後半に着手するクリーン3Dプロジェクトに762億ウォンを投じることを明らかにした。このプロジェクトの下、危険・汚い・きつい仕事の事業場は、施設と工程の改善によって安全で衛生的な事業場に生まれ変わる。

全事故の3分の2以上がこれらの小規模な事業体で発生していると労働省は見ている。その理由として、そうした小規模事業体の大多数は好ましくない労働環境にあり、仕事そのものが危険であるうえ財政的にも苦しい一方で、労使双方が安全と衛生に関する意識を欠いていることが挙げられる。労働省は、クリーン3Dプロジェクトを通して基本的な問題に取り組もうと計画している。

労働省は「クリーン3D職場づくり」、「安全衛生管理に対する技術サポートの提供」、「下請け業者の安全衛生管理」、「健康ヘルパーの業務」に関連したプロジェクトの中から支援プロジェクトの1つを3億ウォン以下の建設プロジェクト並びに従業員50人未満の約17万カ所の製造現場に適用する計画である。

労働省は、危険、汚いなどの3D要素を改善するために、1,000万ウォンを無償で提供する意向である。さらに、クリーン3D特別班を組織し、労働省の名の下にクリーンな事業場の認定銘板を交付する。すでに事故を経験したり、事故を起こしやすい12万の事業体に対しては、事業体に適した安全衛生技術サポートを韓国産業安全衛生公団(KOSHA)並びに民間の専門機関を通じて提供する。従業員5人未満の事業体の場合は、特別検査を無料で実施する。

労働省はこれと並行して、安全衛生分野に関わる大学生と定年退職した安全衛生管理者から成るヘルパー登録制度を設ける予定である。この制度を通じて同省は、約3万の職場に安全衛生関連のコンサルティング・サービスを提供する健康ヘルパー制度を運営する計画である。

(韓国経済日報,2001年8月22日付)