WHO(世界保健機関)では、労働条件、特に安全衛生については、世界の多くの場所で、過去数十年の間に多くの改善がなされて来ているが、世界全体を見るといまだ不十分であると述べている。
ここでは、グローバリゼーションに伴う労働衛生にかかわる問題点を指摘し、世界的戦略として取り組むべき8つの優先事項や労働衛生を発展させるためのプログラムを紹介している。概略は以下のとおりである。
労働条件特に安全衛生については、世界の多くの場所で過去数十年間にだいぶ改善されて来たが世界全体でみるとまだ不十分である。
世界大部分の労働者の労働条件は、ILO及びWHOが定めた労働安全衛生と社会保護に関する最低規準を満していない。
全世界における業務上の疾病や負傷による苦しみは、マラリヤによる苦しみと比較して容認できないほど高い。労働安全衛生に関するプログラムは未だにマラリヤとの戦いにあてられている原資に比べほんの一部分しか受け入れられていない。
図1.世界的な疾病の苦しみ(職業上のケース■)
*Murray and Lopezによるこれらの推定(1996年)は目下改訂中(2001年)。
古くからある労働衛生問題がまだ克服されていないのに、経済構造の急速な変化による新しい問題もおきている。
又グローバリゼーションの一部として、貿易がより自由化されることがあるが、このことが既に労働衛生に対して数多くの不利な影響を与えている。
そのことは、
世界的戦略は、8つの優先分野が提示されている。
労働衛生の世界戦略を保証するに際して、World Health Assembly(メンバー国の大臣の団体)はいくつかの興味ある勧告をしている。
WHOは、国際的には成功を確実にする強力な労働衛生のポリシーとプログラムを探求しているが、特に開発途上国及び新興工業国並びに経済の変換期への援助を必要としている。
各国のレベルでは「労働衛生に対する国家プラン」と我々が称しているプロセスを通じて国家のポリシーを強化することを求めている。
WHO世界戦略にもとづいた労働衛生を発展させるための国家的プログラムのモデルは下記のとおり
西太平洋地域の労働衛生推進の良い事例は”ベトナムの中小企業における衛生的な作業場に関するプロジェクト(Project on Healthy Workplaces in Small and Medium-Scale Enterprises in Vietnam)”である。
結果
Greg Goldstein, Richard Helmer,
Marilyn Fingerhut
Occupational and Environmental
Health
World Health Organization
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Switzerland
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