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基準の策定

資料出所:「Occupational Safety and Health Laws in the United states, Mexico and Canada」
(仮訳 国際安全衛生センター)

職場の安全衛生に関する基準の設定は、基準法に基づく他の規則と同様に行われる。「公認メキシコ基準(NOMs)」の設定は透明性、統一性、効率性を確保し、順守状況を改善することにある。基準法に基づいて基準設定委員会が設立され、労働社会保障省などの連邦機関により規制措置が調整される。

基準法の目的は、基準の設定と順守状況の改善への一般国民、民間企業、科学分野、消費者代表の参加拡大を狙っている。また、試験機関、認証機関(法令順守を監視する民間法人)、基準設定団体(「メキシコ標準」と呼ばれる自主的な順守規準を発表する)による認定制度を確立している。

基準設定委員会は、労働社会保障省などの規制省庁のメンバーで構成され、公認メキシコ基準(NOMs)の決定、修正、または廃止に関する年間プログラムを策定する。緊急に規則を決定する場合を除き、公認メキシコ基準(NOMs)はこのプログラムに沿った内容になる。

職場の安全衛生に関する公認メキシコ基準(NOMs)は、以下の3つの基本的カテゴリーからなる。

  1. 安全基準。工程と設備の災害リスクが対象。

  2. 衛生基準。騒音、照明、温度、空気汚染、有害物質、発ガン性物質などの要因による慢性または急性のリスクが対象。

  3. 構造基準。医療体制、合同委員会、情報管理、危険報告体制などの制度と手続きが対象。

公認メキシコ基準(NOMs)の設定にあたっては、まず労働社会保障省が草案を作成する。その際、メキシコ国内の研究と情報、さらに国際労働機関(ILO)、米国労働安全衛生庁(OSHA)、欧州共同体、米国規格協会などの国際的な資料、各国の規則などを参考にする。

草案は専門家、国内関連団体、上述の国際機関などの検討に付す。草案は、規則制定の影響に関する報告書とともに諮問委員会の検討にまわされる。規則制定の影響に関する報告書では、提案のプラス面とマイナス面を列挙し、考えられる代替案とその否定理由を説明し、従来の規則との比較を行い、有効に順守していけるかどうか検討しなければならない。重大な経済的影響が予測できる場合は、金額ベースでの費用対効果分析、代替案の説明、国際的基準との比較を提示しなければならない。専門家による追加的な検討が命じられる場合もある。

諮問委員会は、承認された草案を官報に掲載し、一般の意見を求める。そして、労働社会保障省からのものを含め、提出された意見を検討した後、これに対する回答とその理由を掲示する。そして、公認メキシコ基準(NOMs)としての最終案を官報に掲載する。基準は、5年おきに見直されるか、または廃止される。

基準法は、公認メキシコ基準(NOMs)の公布に関する規定に加え、全国的な基準設定団体が発表するメキシコ標準についても規定している。メキシコ標準も、公認メキシコ基準(NOMs)と同様、一定の手続きによって策定される。