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「労働安全衛生基準」に関する手引書(改正)
(資料出所:Department of Labor and Employment発行
「PRIMER on the Occupational Safety and Health Standards」)
(仮訳 国際安全衛生センター)
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規則1950
殺虫剤および肥料
殺虫剤/肥料(pesticides/fertilizers)とは?
殺虫剤とは、害虫を抑制、予防、駆除、忌避または直接的に追い払うための活性成分、添加物および殺虫化成物を含有した物質、製品もしくは混合物を意味します。
肥料とは、植物の生長を促進し、作物収量を増大させ、作物品質を向上させることを目的として土壌または植物に直接散布される、固体または液体の栄養素、または単独の有機成分や無機成分もしくはそれらと他の物質との組合せたものです。
本規則における安全要求とは?
- 殺虫剤・肥料は、その使用、危険の取扱、予防措置について十分な訓練を受けた者のみが取扱・保管しなければなりません。
- 殺虫剤・肥料を取り扱う者には、本採用前に見習い期間を設け、定期的健康診断を受けさせなければなりません。
- シアン化カルシウムなど、アルコールに強く反応する殺虫剤・肥料を扱う者は、作業前10時間ならびに作業後12時間は飲酒を控えなければなりません。
- 全ての殺虫剤・肥料の容器は、製品情報、使用・保管・処分に関する指示、安全予防措置、応急手当および医師による情報・処置を示すラベルを貼らなければなりません。
殺虫剤の取り扱い方法は?
- 殺虫剤の取扱・使用において、ラベルに記された予防措置に従うようにします。指示された量のみを定められた方法で散布しなければなりません。
- 皮膚、衣服または作業区域にこぼれた殺虫剤は、直ちに清浄な流水で完全に洗い流さなければなりません。
- ラベルで指示されたグローブ、マスク、ブーツといった保護衣類および保護具の支給を受け、着用しなければなりません。
- 殺虫剤の取扱中の喫煙または飲食は禁止されなければなりません。
- 積荷、植生および水路への混入を防ぐため、殺虫剤の運搬中および運搬後に容器の漏出または不具合を点検しなければなりません。
- パラチオンのような猛毒化合物の運搬は、労働者または荷役動物が直に背負ってはなりません。
- 農業用殺虫剤を使用する者は風下方向に散布・噴霧しなければなりません。
- 農業用殺虫剤は、湖沼、水路、河川または人口過密地帯が汚濁されないような方法で散布しなければなりません。
- 殺虫剤を使用する労働者は、スプレーのパイプまたはノズルを口で開けてはなりません。
- 殺虫剤を注入、混合または移しかえる場所では、充分な換気を行わなければなりません。
- 殺虫剤の製造・調製・詰替・散布に用いられる設備は、漏出や労働者汚染を避けるため、管理に気を配らなければなりません。
殺虫剤の保管方法は?
- 殺虫剤は、蓋をかたく締めたもともと入っていた容器で保管しなければなりません。
- 殺虫剤の保管時にはラベルに記された予防措置を守らなければなりません。
- 殺虫剤は、児童、動物および無許可の者が進入できない場所、かつ冷涼で乾燥しており、充分に換気された場所で保管しなければなりません。
- 殺虫剤は、食品・食糧から離れた場所に保管しなければなりません。
- 揮発性殺虫剤は常に、相互汚染を避けるため他の殺虫剤と別に保管し、閉鎖されていない大気中で保管しなければなりません。
肥料の取扱における安全要求とは?
- 肥料は使用中以外、放置してはなりません。
- 肥料は閉鎖された容器の中で、機械を使って調合しなければなりません。
- 有害な肥料の調製には壊れない容器を用いなければなりません。
- 有害な肥料を混合、希釈、噴霧または散布する際には、ブーツ、グローブ、ゴーグル、フェイス・シールドといった保護衣類を着用しなければなりません。
- 肥料漏出および汚染が防止されるようにしなければなりません。漏出物は直ちに完全に浄化するものとします。
- 可能な場合、有害な肥料は必ず機械で散布しなくてはなりません。
- 有害な肥料の散布後直ちに、適切な保護をつけない者のその区域への立入が可能となるまで閉鎖する旨を述べた注意書きを、全ての温室の入り口に掲示しなければなりません。
- 有害な肥料を使用する労働者は、スプレーのパイプまたはノズルを口で開けたり、風の方向に肥料を噴霧・散布してはなりません。
- 有害な肥料が入っているすべてのタンクおよび容器の外部の汚れを落とさなければなりません。
- 有害な肥料が入っているすべてのタンクおよび容器開口部をしっかり締めなければなりません。
- タンクおよび配管の破損を定期点検し、物質漏出を防止または制限できるような止め弁付きのものを用いなければなりません。
- 肥料を運搬する際には、車両の運転者および他の使用者を保護できる車両のみを用いなければなりません。
- 有機肥料の取り扱いには機械を用い、取扱中には適切な保護措置が求められるものとします。
- 無機肥料を散布する労働者には個人保護具を支給し、労働者はそれを着用しなければなりません。
肥料の保管方法は?
- 肥料の保管場所は、化学物質の容易な識別を促すよう、充分な照明をつけなければなりません。
- 保管建物は堅固かつ悪天候に耐えることができ、防水・防火建物としなければなりません。
- 保管室または保管建物は、無認可の者や動物の立入を防ぐために施錠しなければなりません。
- 肥料は他の資材とは別に、食品・食餌と離して保管しなければなりません。
- 異なる種類の肥料は、荷台または台の上に袋や容器に入れて別々に保管し、壁や可燃物から離して置かなければなりません。
- 硝酸肥料は袋や木樽から不燃容器へ移すようにします。空の袋や樽は使用後、完全に洗い流さなければなりません。
- 塩化ナトリウムは金属製容器で保管しなければなりません。
- アグナ・アンモニアは、7kg/cm2の作業圧で設計された鋳鉄製または軟鋼製のタンクで保管しなければなりません。
- 無水アンモニアは、18.66kg/cm2(265psig)の作業圧で設計された圧力容器で運搬・保管します。貯蔵タンクに、真鍮製または銅製の取付具をつけないようにします。
- 無水アンモニア用タンクは、パイプラインに圧力逃し弁、ホースに吹出し弁をつけなければなりません。
- 無水アンモニア用タンクは、他の建物や火災および交通の危険からの安全な場所に設置し、太陽熱および機械的破損から保護しなければなりません。また、4/5(5分の4)以上入れてはなりません。
- 有機肥料は、充分に換気した開放区域で保管しなければなりません。
- 肥料を製造元が供給した容器以外で貯蔵する場合、物質の名称を明確にラベル表示し、適切な記号をつけなければなりません。
殺虫剤および有害肥料の取り扱い方法は?
殺虫剤および有害肥料を取扱者は:
- 私物や私服を専用の部屋に置かなければなりません。
- 各日の最後に、保護衣類および保護具をすべて取り去り、汚染除去専用容器に入れなければなりません。
- 殺虫剤/有害肥料を使用・取扱った場合、手、顔および首を洗うか、シャワーを浴びなければなりません。
不用物の処分方法は?
- 有害殺虫剤の廃棄物、空ケース、空箱、空瓶および他の容器は、(可能な場合)供給元へ返却しなければなりません。もしくは、泉および他の水源から離れた地中深くに埋めるか、人間が燃焼の煙および他の産物で危険にさらされないような方法で焼却するものとします。
- 殺虫剤や空容器は、圃場、裏庭および他の開放区域に放置してはならず、また、池、小河川または排水路に捨ててはなりません。
- 効能を失った殺虫剤は破棄しなければなりません。
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