フィリピンの監督官制度について（中災防海外調査より）


監督官の資格

• ４年制以上の大学（工学、薬学、農学部は５年、法学部は８年、医学部は９年）卒業者で、国家試験に合格した者
  

• 研 修：座学とOJT中心に､研修期間は4年間｡ その間月額300$が支給される｡
  
• 専門分化：一般監督官(最低賃金､労働時間､休暇等の労働条件のほかに安全衛生も担当)及び専門監督官(ボイラー､クレーン､エレベーター､建設安全･機械安全等専門知識と技術を要する分野担当)の2系統
  

• 全国 の15地方局に253名の監督官が配置されている。
  

• 監督件数・年間90,000件の監督指導を253名で行っている｡ 1週のうち4日間監督し､ 1日はレポート書きに当てる｡(1人1日当たり1〜2件監督を実施）　
  
• 事後措置・臨検監督を実施した後､ 法違反事項に対して是正勧告又は使用停止命令等の行政処分を行う(通常､即時司法処分は行わない｡)｡ 改善のための猶予期間は最短5日間で､ 必要に応じて延長される｡
  

• 労働基準法第129条に基づく Labor Codes of the Philippines（全産業に適用。現在、政労使からの代表による審議のもとに改訂作業が行われている。）
  

• 中小企業対策：労働者数100人未満の中小企業が80％以上あり､そのうち10〜99人規模の中 小企業を主要対象としている｡
  
• 重点事項：経営首脳に対する啓発
  
• 細部事項：安全衛生管理体制の確立､ 安全装置の取付け等機械設備の安全化､ 安全衛生教 育及び火災防止と救急処置(ほかに年少労働者の保護と安全衛生も課題)
  

• 衣服製造業､ 食料品製造業､ 林業､ 金属精錬業の4業種