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労働監督局に関する1981年3月6日付け法律(統合版)
Act Dated March 6, 1981 on the National Labour Inspectrate (unified version)

(仮訳:国際安全衛生センター)

原文(ポーランド語)の法律(USTAWA z dnia 6 marca 1981 r. o Panstwowej Inspekcji Pracy)はこちら



第1章

労働監督局の組織と業務


1  条  労働監督局は、労働法規、特に安全衛生関係の法令の遵守を管理・監督する権限を与えられた機関として設立される。

2  条  労働監督局は下院(すなわちSejm)の下部機関である。労働保護評議会(Labour Protection Council)は、法律に定められた範囲において労働監督局を管理する。

3  条  労働監督局は、次により構成される:中央労働監督局、地区労働監督局、及び地区労働監督局の管轄区域内で行動する労働監督官。
2 労働監督局は中央労働監督局長が同次長の補佐を受けて管理する。

4  条  地区労働監督局は管轄区域として1つ又はそれ以上の行政区画(voivodeships)を担当する。
2 地区労働監督局は地区労働監督局長が同次長の補佐を受けて管理する。
3 地区労働監督局長は、地区労働監督局の管轄区内で働く労働監督官の業務を管理し調整する。地区労働監督局長は個々の労働監督官に対し業務を割り当てる。

5  条  下院議長は、中央労働監督局長の発議により以下を定める:
1)    各地区労働監督局の所在地と担当地域;
2)    労働監督局の規則。
2 前項の事項に関し下院議長の定めた規則はポーランド共和国の公式刊行物「ポーランドモニター(Monitor Polski)」にて公表しなければならない。

6  条  労働保護評議会は、労働監督局の労働条件と活動を管理する機関として設立される。
2 評議会(The Council)は、議長、副議長、書記(secretary)及び下院議長により任命され解任される者で構成する;評議会の任期は4年である。
3(1) 評議会は、次の者で構成する。両院の議員である者、総理大臣が推薦した候補者、労働組合及び事業者団体(社会経済問題に関する三者構成委員会及び社会的対話のための行政区画委員会に関する2001年7月6日法律――法律ジャーナルNo.100 第1080項及びNo.154 第1973項――の意味におけるそれぞれの集団)の代表者並びにその他の民間労働保護団体が推薦する候補者。専門家及び学術団体の代表も評議会のメンバーとして指名される。
31 労働監督局の職員は、その者が選挙の結果生じた義務を果たすため無給休暇の状態にある場合以外は、評議会のメンバーになることができない。
4 評議会の委員資格に関する原則及び評議会の会議に参加する場合の日当の額は、下院議長が決定する。
5 評議会の仕事は、労働監督局の担当範囲内にある事項、具体的には以下について、その公式見解を策定することである:
1)    労働監督局の業務と業務計画;
2)    労働監督局の活動の定期的評価及びこれに基づく結論;
3)    全国規模の労働保護問題。
6 評議会は、中央労働監督局長、同次長、地区労働監督官の職に対する候補者について意見を表明する。
7 評議会は、評議会自身が採択し下院議長により承認された諸規則に基づいて活動する。

7  条  中央労働監督局長は、労働監督局の活動に関する情報、年次報告書、その活動結果に基づく結論及び(企業及び企業を管理している支部、又はその他の国若しくは自治体の組織の)労働法令遵守に関する結論を、議会及び閣僚協議会に提出する。
2 第1項の年次報告書は中央労働監督局長が労働保護評議会に提出し、また一般に公開される。
3 削除

8  条  労働監督局の活動範囲は次のとおりである:
1)    企業に労働法令を遵守させることに関する管理監督。特に労働安全衛生規則、労働関係、報酬や他の便益、労働時間、休日、育児に関する権利及び若年労働者や障害者の雇用。また農業における労働保護業務の開始に関する規定。
2)    事業を構築、再構築、増強する場合の設計と同様機械や他の技術機器及びそれらに使われる技術が労働安全衛生規則に適合しているかどうかの監督;
3)    再構築された事業又はその一部の操業の承認について、労働法令に規定された担当範囲の中での参画;
4)    機械、設備、工具の設計と製造において企業が労働安全衛生要件を遵守するための管理及び監督;
5)    製品の生産と包装における労働安全衛生要件の遵守状況の管理と監督(製品の使用が、生命と健康に対してハザードとなる恐れがある場合);
6)     労働災害と疾病の原因分析、労働災害・疾病防止対策の適用の監督、労働法令の規定に従い労働災害状況調査への参画;
7)    環境ハザードに関する規則を企業に遵守させるための環境保護機関との協力;
7a)   遺伝子組み替えの生物に関する2001年6月22日法律(法律ジャーナルNo.76 第811項)に規定された労働安全衛生要件の遵守の監督;
8)    労働法に定められた労働者の権利の侵害、又はその他の法律に定められた、報酬を受けて行う業務に関する侵害について訴追を行うこと。またこれらについて「軽微違反に対する司法機関」より前に公的な訴追者として手続きに参加すること;
9)      労働関係の法案及びその分野の立法作業開始について意見を述べること;
10)    労働法、特に労働安全衛生法令の遵守に関して活動と研究を開始すること;
11)    労働者の生命と健康に対するハザードを除去することに関する技術的なアドバイスと情報、及び労働法令の遵守に関するアドバイスと情報を与えること;
11a)   当事者が契約した内容に反して、その法的関係が雇用契約の性格を有している場合は、異議申し立てを行うこと、また当事者の承認があれば雇用関係の存在を確認するため労働裁判所での法的な手続きに参加すること;
12)    この法律及び細目に定められた業務の遂行。
11 労働監督局は以下のものも担当する:
1)    企業の構内又は雇用契約以外のものに基づいて事業者が指示する場所で労働を提供する個人に対し、事業者が安全で健康な作業環境を確保することの管理と監督;
2)    従業員ではないが、企業の構内で職業訓練を受ける学生、研修生に対して、事業者が安全で健康な状態を確保することの管理と監督;
3)    雇用契約以外のものに基づいて公共の利益のために個人が行う仕事に対し、その仕事を準備する組織が安全で健康な作業環境を確保することの管理と監督;
4)    囚人や矯正施設の入所者が企業の構内で作業を行う場合、また兵士が企業の構内で義務を遂行する場合、事業者が彼らに安全で健康な作業環境を確保することの管理と監督。
12 監督業務を行う労働監督局の職員は、個人が労務を提供している組織に対して、その労働の提供に関係なく監督を実施する権限が与えられなければならない。
2 記12に掲げる労働監督局の職員は、企業の労働法令の遵守状況、特に安全衛生状況について事前連絡なしに昼夜に関わらず、監督を行う権限を有する。
3 監督は業務用身分証明書を提示した上で行われるものとする。
4 下院議長は中央労働監督局長の提案に基づき、上記 第3項の労働監督官用身分証明書の見本を規則に定めるものとする。下院議長が定めるその規則は、「ポーランドモニター(Monitor Polski)」という表題のポーランド共和国の公式ジャーナルにおいて公表されることとする。

8a  条  「労働安全衛生専門家候補者評価・募集委員会」を設立する。委員会のメンバーは、中央労働監督局長が労働社会政策大臣と相談の上任命し、また解任するものとする。
2 「労働安全衛生専門家候補者評価・募集委員会」の委員は、中央労働監督局長が定めた原則に基づき、委員会への参加報酬と、出張に関する一般原則に準じて日当と出張費用を支給されるものとする。
3 中央労働監督局長は、この募集委員会の提案に基づき、労働安全衛生専門家の職に対する候補者を指名しなければならない。労働安全衛生専門家は、作業場所が含まれる新築・再建築の建物又はその部分の設計について、労働安全衛生条項及びエルゴノミクス要件に適合するための意見を述べる権限を有するものとする。中央労働監督局長は、自身の発議により、又は地区労働監督局長の提案により、労働安全衛生専門家の任命を取り消す権限を有する。
4 労働安全衛生専門家の候補者の準備事項、及び次の第5項 第1号におけるその資格のアップグレード、及び 第3号における認定の費用は、中央労働監督局長が定めた原則により、労働安全衛生専門家の候補者、労働安全衛生専門家、又はそれらを雇用している者の負担とする。
5 労働社会政策大臣は、中央労働監督局長と相談の上、下記事項を規則によって定めるものとする:
1)    労働安全衛生専門家を認定し、また解任するための細則及び手順、と同様労働安全衛生専門家候補者の必要な準備事項、資格のアップグレードの必要性;
2)    作業場所が含まれる新築・再建の建物又はその部分の設計について、労働安全衛生専門家が意見を述べ、また異議申し立てをするための細則;
3)    「労働安全衛生専門家候補者評価・募集委員会」の詳細な業務方針及び委員会の委員の任命・解任手続き;

9  条  労働法令違反が発見された場合、労働監督局の権限を持つ職員は以下の権利を有する:
1)    安全衛生法令に対する違反については、事業者に対し、定められた期限内に違反を除去するよう命令する;
2)    工場長に対し、次のことを命令する:
−違反により、労働者や仕事に関係するその他の人間の生命と健康に直接的なリスクがもたらされている場合は作業を中止すること;
−現行の法令に違反して、禁止された、有害な、又は危険な作業に従事している労働者及び必要な資格なしに危険な作業に従事している労働者を他の作業に移すこと;
これらの事項に対する命令は直ちに実行されなければならない。
3)    労働安全衛生状況が労働者の生命と健康に危険であるという場合には、工場長に対し、その工場又はその一部の操業、若しくは特定の活動を中止するよう命令する。
4)    OSH要件の無視のため、新築若しくは再建された工場又はその一部の操業を開始することが労働者の生命と健康に直接的なリスクとなる可能性がある場合は、その稼働開始について異議申し立てを行う。異議申し立ては工場又はその一部の起動を停止させる効力を有する。
5)    上記1)〜4)以外の違反が発見された場合は、工場長若しくはその上部組織又は別の機関に対して違反が取り除かれるための是正勧告を発行する。必要に応じ違反者に対する措置も行う。

10  条  労働監督局の権限を有する職員の行う手続きで、この法律、これを基礎にして発行された規則、又はその他特定の規定に定められていない事項については、行政手続法によるものとする。

11  条  労働監督局の管理と監督は、自然人により労務を提供されるすべての事業者及び他の組織に対して適用される。
2 削除

12  条  総理大臣は、労働条件の管理と監督に関する労働監督局と他の機関との協力についての原則を規則で定めるものとする。

13  条  労働監督局は、その活動分野において、労働組合、事業者団体、労働者自治体(workers' self government)及び地方自治体の労働監督担当者と協力する。
11 正当な必要性がある場合、及び監督官の安全を保証するため、警察は、労働監督官の依頼があれば、適正な支援を提供する義務を持つものとする。
2 労働監督局は労働組合の提案により、地方自治体の労働監督官に対し、教育訓練及びその支援を与えるとともに、地方自治体の労働監督業務の改善・有効性の向上のための活動を行うことができる。



第2章

労働監督局担当官の業務範囲

14  条  中央労働監督局長の業務範囲は次のとおりである:
1)    中央労働監督局と地区労働監督官の業務の管理
1a)   違反があった場合、手続法 第75条§1に定められた罰金の賦課手続きに関して、最終決定者として管理すること;
2)    労働法令の遵守についての全般的な監督を実施し、これに関する評価、意見及び結論を適切な機関に提出すること;
3)    労働法令の案文に対し、また当該分野での立法作業の開始に関して意見を述べること;
4)    労働安全衛生分野での技術開発の導入と解決策の発見のための事業を行うこと;
5)    労働安全衛生に関する教育訓練について提案を行うこと、労働監督官に対する教育訓練を実施すること、及びJan Rosner教授に因んで命名された労働監督局訓練センター業務を監督すること;
6)    労働保護分野における出版及び普及活動を行うこと;
7)    個別の規則に基づいて設立された政府の労災事故調査委員会に参加すること;
7a)   地区労働監督官が発行した命令及びその他の決定についての異議申し立てを検討すること;
8)    上記7号における情報と報告を準備し、プレゼンテーションを行うこと;
2 中央労働監督局長は、部下の補佐を受けて法定の義務を実行する。
21 法律の規定に基づき、中央労働監督局長は、中央労働監督局の職員及び管理監督の義務を遂行している職員の雇用主となる。
3 中央労働監督局長は、監督結果の要約及び労働安全衛生規則を含む労働法令の遵守に関する評価を労働社会政策大臣に提出する。

15  条  削除

16  条  地区労働監督局長の業務範囲は次のとおりである:
1)    地区労働監督局の業務の管理及び労働監督官の業務の管理・調整;
2)    第4条第3項に基づき、その専門的能力を勘案しつつ労働監督官への業務の割り当てを行うこと;
3)    労働監督官が作成した企業監督計画の承認;
4)    労働監督官が発行した命令に対する異議申し立ての調査;
5)    管轄区域内で操業している工場の記録の保管;
6)    地区労働監督局の活動についての報告書の作成。
2 地区労働監督局長は地区労働監督局の補佐を受けて業務を遂行する。
3 法律の規定に基づき地区労働監督局長は、地区労働監督局の職員の雇用主となる。ただし、 第14条21項に規定する者を除く。

17  条  削除

18  条  地区労働監督局長は、 第9条第3号に掲げる異議申し立を行う権利を有する。地区労働監督局長は自分自身の判断により、又は労働監督官の発議によって異議申し立てを行う。

19  条  地区労働監督局長は労働監督官の活動に関し年次報告書を作成し、それに基づき担当地区の法令遵守状況、特に労働安全衛生の状況について評価を行う。この報告書と評価は、行政区画(voivodeship)の首長、行政区画議会の議長、最高管理会議(Supreme Chamber of Supervision)の代議員の理事に提出される。

19a  条  監督は、当該企業における労働法令、特に労働安全衛生規則の遵守状況の現状を確認すると共に、得られた所見について文書資料を作成することを狙いとして行う。

19b  条   第19a条に掲げる目的を達成するために労働監督官は次の権限を有する:
1)    監督対象企業の構内、建物及び作業室に自由に立ち入ること;
2)    建物、作業室、作業場、機械・機器、技術的プロセス、作業工程について調査すること;
3)    監督対象の事項について、事業者又は監督対象組織、従業員若しくは現在又は過去の関係者、又は監督対象企業のために働いているか過去に働いた者に対し、文書又は口頭による情報を要求すること、また、これらの者に出頭を求めて尋問すること;
4)    もし監督内容に関係するならば、企業の構築、再建、増強、操業開始に関する文書、技術的計画と図面、技術的文書並びに企業の生産活動又はその他の活動に関する専門的意見・調査及び測定の結果、原材料及び生産工程で使用され、製造され又は形成された材料のサンプルを提出するよう要求すること;
5)    事業者又は監督対象組織に対し、従業員又は労働契約以外の根拠において監督対象組織のために働いている者の個人記録と文書を要求すること;
6)    労働条件の管理監督を行う他の機関によって発行された命令とその執行について情報を与えられること;
7)    画像及び音を記録する装置・技術的機器を使用して、上記2号に述べられている調査の経過と結果を記録すること;
8)    監督に必要な文書及びこれに基づく比較・計算の複写か抜き取りを行い、また必要があればこれを企業に要求すること;
9)    仕事を行っている者の本人確認を行うこと;
10)   エキスパートや専門家の支援を利用すること。

19c  条  監督対象組織は、労働監督官が効率的に監督を行うために必要な環境・手段を確保する義務を有する。特に要求された文書や材料を速やかに提出すること、 第19b条3号に掲げる者に関する情報提供を適宜保証すること、技術機器を使用できるようにすること、及び可能な範囲で必要な設備のある個室を用意すること。

19d  条  監督は監督対象組織の事務所及び業務が行われている他の場所で実施される。
2 監督又はその特殊な活動は、労働監督局の支部において実施することができる。
3 労働監督官は監督開始前に自分の存在を事業者に知らせることとする。ただしそのことが監督の公平な結果に影響を与えると考えられる場合を除く。
4 労働監督官は、入場許可証を持たずに自由に構内に入場し、移動することができ、かつ個人検査を免除される。

19e  条  労働監督官は、作業を行っている者の本人確認を行う前に、相手が監督官の個人データを読みかつ書き留めることができるような方法で身分証明書を提示する義務がある。

19f  条  中央労働監督局長又は地区労働監督局長が発行した許可に基づいてエキスパート・専門家も監督に参加することができる。

19g  条  監督活動の間、労働監督官は、労働組合、労働者自治組織及び自治体労働監督官と協力する。
2 前項における協力内容は以下のとおりである:
1)    実施される監督の題目と範囲について知らせる;
2)    監督活動の間に企業の労働組合、労働者自治組織及び自治体労働監督官により指摘された意見及び所見を分析する;
3)    監督結果と発行した命令について知らせる;
4)    労働法令について助言と情報を与える。

19h  条  労働監督官及び第19f条に掲げる者は、監督の間、労働安全衛生規則、防火規則及び機密情報保護規則を遵守する義務を負う。

19i  条  監督により得られた所見は、下記 第9項の場合以外は、監督結果確認書(protocol)に従い文書化される。
2 督結果確認書の項目は次のとおりである:
1)    事業所の名称、住所、全国経済組織(いわゆるREGON)の登録番号;
2)    労働監督官の氏名、職名;
3)    事業者又は事業者を代表している者の氏名;
4)    事業開始の日付、代表者の就任日付又は代表組織の設立日;
5)    監督実施日;
6)    労働監督局の担当官による以前の決定と勧告の実施状況と結果、労働条件を監督する他の機関が行った勧告と決定;後者は不服申し立てに基づく監督、企業(又はその一部)の取得に参加している場合には省略することができる;
7)     監督対象範囲において発見された労働法令違反に関する記述;問題解決のために重要なその他の情報;
8)     本人確認を行った者に関するデータ;時間、場所、それを行った理由も含む;
9)     原料及び生産工程で使用され、生産され、形成された材料のサンプルに関する情報;
10)    口頭の命令の内容、及びそれらの実行についての情報;
11)    労働法令に関して行ったアドバイスの数と性質についての情報;
12)    監督結果確認書へ付属するものの数とその明細;
13)    監督の立会者についての情報;
14)    監督結果確認書の内容についてなされた留保の有無に関する注釈;
15)    監督実施者及び事業者(又はその代理者)が監督結果確認書に署名する日付と場所。
3 監督結果確認書は、監督を実施した労働監督官及び事業者又はその代理者により署名される。
4 事業者又はその代理者は監督結果確認書に署名する前に、監督結果確認書に含まれている所見について、正当な留保を行う権利を有する。
5 留保は、監督結果確認書の発行日から7日以内に内に提出しなければならない。
6 上記4項に基づき留保が提出された場合、監督を行った労働監督官はその留保を検討し、それが正当であると判断した場合は監督結果確認書の当該部分を修正するか補充しなけなければならない。
7 事業者又はその代理者の監督結果確認書に対する署名の拒否は、労働監督官がこの法律に規定されている正当な法的措置を適用することを妨げるものではない。
8 監督後に監督結果確認書のコピー一部を事業者に渡す。
9 何も命令がなされない場合、監督所見は公式注記(official note)という形で文書化される。
10 前項に掲げる公式注記は、 第2項の1)、2)、3)、8)    、111)    及び12)    各号に規定されたデータ並びに監督中に見いだされた状況について簡潔な記述を含むものでなければならない。
11 公式注記は労働監督官が署名する。
12 事業者のために自然人による労働がなされている以外の組織に対する監督の結果の所見については 第9項〜 第11項を適用する。

20  条  削除

21  条  監督により所見を得、この法律の規定による手続きを行った後、労働監督官は次のことを行う:
1)    第9条l-2aと4における命令と異議申し立てを発行する;
2)    第9条5における是正勧告を発行する;
3)    第8条 第1項 第11号に該当する場合は異議申し立てを行い、その手続きに参加する;
4)    他の規則による権利、義務が発生した場合はそれを行う。

21a  条  労働監督官は、 第9条第1号及び第2号前半における命令を決定という形で次の方法で発行する:
1)    文書で;
2)    建築記録簿(construction book)の記録として;
3)    口頭で。
2 前項の第1号及び第2号による決定は内容の他に、その法的根拠、措置する期限、及び異議申し立て手続きに関する説明を含んでいなければならない。
3 建築記録簿の記録という形での命令の場合には、コピー又は複製を、監督後の監督結果確認書への添付資料とする。
4 第1項第3号に掲げる口頭での命令は、監督の過程で発見された安全衛生上の違反がもし監督の間に除去が可能であれば、これを取り除くために労働監督官が出すものである。
5 当該企業が別個に地方の事業所を持っている場合で、労働法令の是正に対し事業者による意思決定の必要がないとき、及び労働者の生命と健康に対するリスクを避けるための他の方法がないとき、労働監督官は 第1項に掲げる命令をその事業所の長に対して発行する。
6 第9条 第1号及び第2号に掲げる異議申し立てがなされたとき、労働監督官(又は地区労働監督局官)は、事業者のとった措置が労働者の生命と健康に対する差し迫ったリスクを取り除いたかどうかを検討するまで命令の執行を中止することができる。

21b  条   第9条第4号に掲げる異議申し立ては、構築又は再構築された企業又はその一部分の操業開始が労働者の生命又は健康に差し迫ったリスクをもたらすという知見を得た後ただちに労働監督官から提出される。

21c  条   第9条第1号〜 第4号に掲げる命令を受けた組織は、設定された期限が切れた後、その実行内容を適切なNLIの担当官に報告しなければならない。

21d  条  第9条第5号に掲げる労働監督官の是正勧告(resolution)は、監督後の監督結果確認書又は公式注記に記述された所見に基づく現実の状況を考慮し、結論を法的根拠とともに述べたものでなければならない。
2 是正勧告を受けた事業者、企業を監督している機関、別の国家機関又は自治体組織は、是正勧告に記載されている期限(30日以内)に、是正勧告に記載された指示の実施状況、実施方法を労働監督官に報告しなければならない。

21e  条  監督により得られた所見が、国の上級行政機関若しくは中央省庁又は地域行政区画(voivodeship)の自治体若しくは地区行政機関の立場で対処する必要がある場合、それぞれ中央労働監督局長又は地区労働監督局長により必要な決定を行うための是正勧告が行われる。

21f  条  下院(Sejm)議長は規則に基づき、労働監督局の監督活動に使用する文書の様式を決定する。

22  条  労働監督官は、違反に関する手続法の規定に従い、労働報酬に関する違反及び法律に定められたその他の違反について、訴追を行うとともにまたおおやけの訴追者としてその後の手続きに参加する。


第3章

労働監督局の職員


23  条  監督を実施又は管理する労働監督局の職員は、大学程度の教育を受け、労働監督局が行う業務に必要な知識を持ち、業務を確実に遂行できる者で、中央労働監督局長が召集する委員会が行う国家試験に合格した者とする。
2 中央労働監督局長は、前項に掲げる試験の範囲と科目を決定する。
3 次の職にある労働監督局職員(主席労働監督官、上級労働監督官―チーフスペシャリスト、上級労働監督官−スペシャリスト、上級労働監督官、労働監督官、及び労働監督官補(これらを労働監督官という))は労働法令、特に労働安全衛生規則の遵守に関し、所属する地区労働監督局の管轄区域内の管理を行い、かつ監督を実施する。
4 監督業務を管理する職員は、その管理を命じられた場合、中央労働監督局及び地区労働監督局の職員となる。
5 上記 第3項に掲げる監督は、中央労働監督局長又は地区労働監督局長が発行する認可を受けて監督を管理・支援する職員と労働監督官との共同で行うことができる。
6 中央労働監督局長は、労働監督官が管轄の異なる地区労働監督局の担当する地区及び労働関係がポーランド法の規定に従っているポーランド国外の地域を監督することを認可することができる。

24  条  監督を実施又は管理する職員は、良心に従って義務を遂行する責任、並びに監督結果とその文書化及び国家機密・公務上の機密を守る責任を持つ。
2 上記 第1項に掲げる職員はその担当業務においてはいかなる外部的影響も受けることはない。
3 上記 第1項に掲げる職員は以下の義務を有する:
1)    労働監督局を辞職した後も含め、監督対象企業の活動に関する秘密を保持する。
2)    不服申し立てを行っている本人が文書で同意しない限り、監督が不服申し立てに基づいて行われたということを明らかにしない。
3)    監督対象企業の業務に参画しない。

24a  条  通常の勤務場所以外に出張して監督を実施又は管理する職員は、下記 第2項の留保の下で、別の規則に定める規定に従って旅費、宿泊費及び日当を受けることができる。
2 上記 第1項に掲げる職員はポーランド領土内においては2倍の日当を受けることができる。

25  条  中央労働監督局長は、下院議長が労働保護評議会と相談の上、任命し解任する。
2 中央労働監督局次長は、中央労働監督局長の発議により下院議長が任命し解任する。
3 中央労働監督局長は、地区労働監督局長、同次長及び以下の者を任命し解任する:
a)    地区労働監督局については、会計課長、主席労働監督官、支部長、アドバイザー及び各課長;
b)    中央労働監督局については、秘書室長、同次長、各部長、各部次長、会計部長、アドバイザー、エキスパート、スポークスマン、及び各課長;
c)    NLI訓練センターについては、所長:所次長及び会計課長。

31 上記 第3項の職を解任された者で、その職に任命される前に労働監督局職員であった者は、任命以前のものに相当する職に労働契約を締結することができる。下記 第4項に述べる法律 第45条 第2項の規定はそれに応じて適用される。
32 第23条 第3項における労働監督局の職員との労働契約は指名に基づき締結する。
33 第32項に掲げる指名の前に、職員は2年を越えない期間の間、労働契約に基づいて雇用されることができる。
34 第32項及び 第33項の規定はパートタイム職員には適用しない。
4 労働監督局の職員に対しては、国家公務員に関する1982年9月16日法律(法律ジャーナル2001年No.86 第953項、No.98 第1071項及びNo.123 第1353項)の規定が適用される。

26  条  削除


第4章

暫定及び最終規則


27  条  この法律が発効する日付をもって、現行の労働監督部の職員は労働監督局の職員とする。
2 現在、監督を実施又は管理している労働監督部の職員は労働監督局の職員として任命される。
3 中央労働監督局長は、 第1項に掲げる職員について 第23条に述べる大学程度の教育を必要とする条件を免除することができる。

28  条  この法律が発効する日付をもって、現行の諸規則に規定されている労働監督部の権限と義務は、労働監督局の権限と義務となる。

29  条  労働保護、労働安全衛生及び労働監督機能の実行分野における法律の遂行を労働組合が引き継ぐとする1954年11月10日命令(1968年法律No.8 第47項、1971年No.12 第115項、及び1974年No.24 第142項)は失効する。